次の技術に移行するタイミングが訪れたか?
有機ELパネルのモニタ
テレビもそうだが、液晶パネルがどんどん進化していったとしても、どこかでその色合いやコントラスト、応答速度の壁にぶつかるときが来る。
それは液晶パネルの構造上の問題だったり、技術的な問題だったりと、壁にぶつかる要素はいくつか存在するのだが、その壁を突破する為に考え出されたものの一つに、有機ELパネルがある。
有機ELパネルは、自発光型の素子を利用したもので、色の付いた自発光素子が自ら光る事で、その色を表現する為、黒を表現する時は光源をゼロにする事で実現する事から、そのコントラスト比の高さは液晶パネルの比ではなく、一点の欠点を除けば間違いなく液晶パネルの上位互換だった。
その一点の欠点というのが、自発光の素子の色落ち…ではなく、パネルの焼き付きである。
有機ELパネルは、その素子の特性からずっと同じ映像を表示させていると、焼き付きをお腰、その映像が残ってしまうという欠点があった。そもそもが耐久力の問題でもあり、これが液晶パネルを駆逐する事のできる技術と言われなかった所以である。
だが、有機ELパネルも当初の製品より今の製品はずっと耐久力が上がり、画面の焼き付きも起こしにくくはなった。
その進化した有機ELパネルを採用したテレビも登場し、ここ一年くらいでぐっと数を増やしてきた感じがある。
ただ、何故かPCモニタへの採用というのはあまり例がなく、いつ出てくるのかと待っていたのだが、ようやくその姿を見せ始めた。
応答速度0.1ms
Samsungが8月31日、応答速度0.1msのOLED(有機ELパネル)を採用した34型ゲーミングモニタ「Odyssey OLED G8」をIFA 2022で発表した。
OLEDの自発光という特徴から、バックライトを廃止し、最薄部3.9mmという構造を実現し、色精度と輝度を高めているのが特徴で、有機ELパネルの特徴を遺憾なく発揮したモニタとなっている。
DisplayHDR 400 True Black認証をクリアしており、AMD FreeSync Premiumもサポートする製品で、解像度は3,440×1,440ドット、DCI色域99.3%を実現している。パネルは曲面になっていて、その曲率は1,800Rとなっていて、湾曲モニタとしては標準的な曲率といえる。
何と言っても、応答速度0.1msという性能が脅威的で、この応答速度の速さ故なのか、リフレッシュレートもネイティブで175Hzになっている。このリフレシッシュレートは、インターフェースが限られているわけではなく、全ての入力で175Hzを実現しているというのも珍しいところで、PS5などでも確実に高リフレッシュレートでの動作が可能になる。
なんとも凄まじい性能だが、これも有機ELパネルの特性を活かした技術と言えよう。
モニタを新調したばかりなのだが…
先日の当Blogの記事にも書いたが、つい先日、私は新しいモニタをオークションで落札した。
ウルトラワイドモニタでありながら、144Hzのリフレッシュレート、DisplayHDR 600を実現するnano IPSを採用するモニタで、私的には一つの技術到達点の製品だと思って現在のモニタから更新したのだが、ここにきて有機ELパネルを採用したモニタの登場である。
この先、ひょっとしたらモニタにも新しい技術を採用した製品がどんどんと出てくるタイミングなのかもしれない。
その場合、考えられるとすると、今回の製品のようにOLEDを採用したものか、それともミニLEDのバックライトを搭載した製品か、或いはマイクロLEDを採用して自発光パネルが更なる先の技術に進んで行くのか、だと思うが、私としては熟成した技術がリーズナブルな価格になった時点で製品を乗り換える方が良いので、今のタイミングで使用モニタを切替えたのはある意味ジャストタイミングだった、と言えるかも知れない。
ただ、私の様な考え方でなく、最新技術をいち早く導入したい、という人であれば、今回の「Odyssey OLED G8」は一つのお薦め製品と言えるかも知れない。
Samsung Odyssey OLED G8 ニュースリリース
https://bit.ly/3Rx8X1X