Intelはもうこの流れとは違うけれど。
6コアを選んだ後
私が今使用しているメインPCのコアは、Intel Core i7-8700Kである。
第8世代の6コア12スレッドのCPUで、当時はIntelの中でもハイエンドに近い製品だった。
当時は4コア8スレッドが主力という状態が数年にわたって続いていて、まだAMDもRyzenという切り札を出してくる前の時期だった事から、4コア以上のCPUそのものが貴重で、ようやく4コア以上のCPUがXeon以外で出てきたと話題になったぐらいである。
だが、この第8世代Coreより以降、すぐに8コア16スレッドのCPU「Core i7-9700K」が登場し、私からすると6コア12スレッドのCPUは何とも中途半端なCPUだという認識になってしまった。
というのは、PCは大凡4の倍数で構成されるものが多いので、8コアとか16スレッドという響きは、構成単位としては決まりが良く、美しく感じられたのである。
私の6コアハイエンド人生は、ほぼ1年で落差の大きい型落ちになり、私の中ではどこかしら「8コア16スレッド」の憧れは強くなった。
それ以降、10コア20スレッドとか12コア24スレッドというCPUが出てきてはいるが、私の中では8コア16スレッドという一つの基準が神格化されてしまった事から、次導入するPCは最低でも8コア16スレッドで、という意識が根付いてしまった。
私がAlder Lakeなら12700系、Raptor Lakeなら13700系、Ryzen7なら5700Xや5800Xに拘る最大の理由は、これらのコアが8コア16スレッド、もしくは8コア+高効率コアの構成だからに他ならない。
憧れゆえに
ただ、現在のIntel第12世代Coreや第13世代Core、AMDのRyzen Zen3コアなどは、私が所有するCore i7-8700Kの時のコアよりもアーキテクチャそのものが進化していて、そもそもの単一コア性能はずっと向上している。シングルスレッドのベンチマーク結果を見れば一目瞭然である。
なので、コア数で考えるより最終的な絶対性能で考え、自分にあった性能のPCを組む方がコスト的にも利点が多い。
なので、私自身もそれを理解していないわけではないので、知人のPC構成を助言する時などは積極的に6コア製品などを進めたりするのだが、何故か自分のPCとなると、この考え方がすっ飛んでしまい、最終的に8コア製品の検討を進めてしまう。
私がメインPCの構成を考える上で、どうしてもコストが嵩んでいくのは、これが最大の理由になっている事は、自分でも十分わかっているのである。
これが憧れというものであり、拘りというものなのだ、という事を理解していながら、結果、それを最優先にしてしまっている。
これではメインPCの検討はなかなか進まないのもうなずける。
2022年の今の所のトレンド
だが、今現在メインPCを考える上で、8コアCPUの導入を躊躇わせる理由は、何もコストだけが理由ではない。
それは発熱量と消費電力量の問題が顕著に出てしまっているからである。
Ryzen 5000シリーズはまだ良いとして、Ryzen 7000シリーズ、Intel第13世代などは、もう8コア製品であれば間違いなくサーマルスロットリングギリギリのところまで性能を引き出すため、電力をどんどん消費する。
消費電力もPL2で考えれば240Wを超えてくる為、取扱いがとても悪い。現時点ではCPUクーラーは水冷である事が前提という考え方のコアになってしまっている事が、私的には大きな問題だと思っている。
だからこそ待っているのが無印版、つまりクロックなどを落としたバリエーションモデルである。
IntelであればCore i7-13700、AMDであればRyzen7 7700である。それより上位のCore i9-13900やRyzen9 7900という製品が登場する可能性もあるが、コスト的に考えれば私が導入しやすいのはCore i7-13700やRyzen7 7700になるだろう。
“K”や“X”が外れた製品は、動作クロックを落として電力的に扱いやすい製品としているのが今までの流れである。
これら低電圧版が登場すれば、少なくとも8コアであっても今よりはハードルがぐっと下がってくるので、これらのナンバーが登場するのを期待している。
まぁ、型落ちで8コアCPU搭載のPCを計画しても良いのだが、今は現行のCore i7-13700やRyzen7 7700が登場するのを見届け、その価格を見て考えたいと思っている。
おそらく、私のように低電力版を待っている人は多いのではないだろうか?