値段は高い。だが、目的はコレで全て達成できる。
TSUKUMOブランド
自作PCなどやっていると、ほとんどの人がお世話になるだろうショップ、それがツクモである。
私も自作PCを作っていた頃から何度も店頭に行ったことがあるし、年末に知人とアキバで合う時にも行ったりもしていた。
ネットでもTSUKUMOにはお世話になることも多いので、私の自作PCライフではTSUKUMOは有って当然、無いなどあり得ないというショップである。
こんなTSUKUMOだが、店舗オリジナルのPCも昔から販売しているので、その歴史は長い。
そんなTSUKUMOのブランドPCだが、また新しいPCがラインナップに加わった。
クリエイター向けPCとして構成してあるもので、プラットフォームはAMD製CPUで組まれている。上位から、Ryzen9 7900Xを採用した「WA9A-G224/XB」とRyzen7 7700Xを採用した「WA7A-F224/XB」、Ryzen5 7600Xを採用した「WA5A-E224/XB」で、標準構成時の価格は上位から30万9,800円、28万4,800円、25万4,800円となっている。
TSUKUMO クリエイターPC AMDモデル
https://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/creator/#Model_Matrix_AMD
安くはないが、それでもある程度価格が抑えられているのは、標準構成のGPUがGeForce GTX 1650だからである。
クリエイターが使用するGPUなので、そこまで爆速なGPUは不要、スペックを上げるなら、CPUで引き上げる、というコンセプトなのだと考えられる。
この、GPUにあまり拘らないという方向性は、他ショップのブランドPCでも最近は見られる傾向で、動画を扱う場合でもCPUのマルチスレッド処理でパワーを稼ぐ、といった感じである。
私の場合、クリエイターではないが、GPUが手元にあるので、こういったPCを導入する事でGPUだけを換装するという方法を採れば、構成されたPCをすぐ手に入れられつつ、性能の底上げが可能となるので、お手軽に導入できるというメリットがある。
それでも価格は高い
今回発表されたモデルをいろいろと見てみるが、GPUを抑えてあるとは言え、やはりRyzen 7000シリーズらしく、CPU価格も高ければマザーボード価格も高く、またメモリもDDR5という事で、最終的な価格はかなり高額になってしまう。
特にマザーボードが豪華という事もあって、Ryzen7 7700X採用品でも自分がカスタマイズすると30万円を超えてしまう。ましてRyzen9 7950Xなどにしようものなら40万円近くになってしまう。
この価格でGPU抑え気味というから恐ろしい。もしGPUにそこそこのものを組み合わせると、プラス10万円ほどかかると考えるべきだろう。
高値になってしまう理由は前述したとおり、マザーボードが高いという事と、使用出来るメモリがDDR5だという事、CPU価格も決して安くないという事が積み重なった結果と言える。
自作PCを組む前提でパーツをいろいろ考えても結局似たような状況で、自分で構成するとやはり40万円近くになる。それはもう避けて通れない状況のようで、やはり価格を抑えて組んで行くには、一世代前の構成にするしかないのかもしれない。
Intel版もあるにはあるが…
で、このTSUKUMOのクリエイターPCだが、実はIntel版も存在する。
TSUKUMO クリエイターPC Intelモデル
https://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/creator/#Model_Matrix_Intel
しかも第13世代Coreを搭載したモデルも存在していて、そちらの価格はAMD版よりもぐっと安い事に驚く。
何故安いのか? という理由を構成から調べてみると、それも当たり前の話で、マザーボードからすべて第12世代のものを使用した構成で、チップセットもZ690と一世代前のもので全体的なコストが安く抑えられている事に気づく。しかも使用しているメモリはDDR4なので、メモリも価格が安く抑えられているところもポイントである。
で、こうした前時代的なプラットフォームと比較してAMDモデルを見てみると、コチラのマザーボードは最新のX670EチップセットでメモリもDDR5が使われている。この時点でCPU以外のパーツで価格差が大きく出ている事がわかる。
Intel第13世代が前モデルを使用可能としている事で全体的なコストを抑える事ができるという事がよく分かる例である。
ただ、当然だがこのようなCPU以外のパーツで世代差があると、全体的なパフォーマンスで考えると当然最新のもので固めている方が息は長いと言えるので、今高めの設定で購入するか、それとも安めで購入して後にパーツを替えていくか、という二択の考え方で決めるしかない。
これらはどちらも正解は存在しない。使う人の考え方で結論が変わるので、自分にとっての正解を導き出すしかない。
まとまった予算が取れるようなら、このような完成品PCを購入し、自前パーツと交換して刷新するという方法もある。
案外この方法は理にかなっている事も多いので、いろいろなパターンを検討すべきだろう。