Neuralinkの技術によるヒトでの臨床試験に対してFDAがついに承認した。
脳に半導体を埋め込む
Neuralinkという企業がある。
イーロン・マスク氏が2016年7月に設立したニューロテクノロジー企業で、2020年8月29日に脳とAIを繫ぐ埋め込みチップ「LINK VO.9」と自動手術ロボ「V2」のプロトタイプを発表した。
この時点でイーロン・マスク氏は「臨床実験できる段階にある」と言っており、FDAの承認を目指していたのだが、この度、そのFDAの承認が下りた事が判明した。
We are excited to share that we have received the FDA’s approval to launch our first-in-human clinical study!
This is the result of incredible work by the Neuralink team in close collaboration with the FDA and represents an important first step that will one day allow our…
— Neuralink (@neuralink) May 25, 2023
Neuralinkでは、脳波を検出したり、直接脳に電極を埋め込んで脳活動を計測したり、逆に脳へ刺激を与えたりといった手法で人とコンピュータを接続する技術「BMI(Brain Machine Interface)」を目指していた。
2019年10月には、米国ピッツバーグ在住の半身不随の患者が、脳にインプラントした電極を通じて脳信号をコンピュータに送ることで、FF14をプレイする様子をYouTubeで公開もした。
まさしく、かの作品に出てくる電脳と呼ばれるような技術が、現実のものとなったようなものである。
もちろん、これは一局面の話だけで、課題は多く、まだまだ解決しなければならないところは多いものの、急速にこの分野の研究が進んでいて、BMIを発表した段階では人の頭蓋骨の穴を塞ぐ形で機器を取り付け、脳内の情報を計測し、それら機器の電力はワイヤレス充電によってコードレスで稼働させる事が可能なところまで来ていたという。
何かもう、脳内で考えた通りに情報が得られる時代がすぐそこまで来ていそうな感じで、末恐ろしい話である。
人の得意な事と機会の得意な事
倫理的な問題があるような気がしないでもないが、人間の脳とコンピュータの半導体が繋がる事で、今よりずっと優れたものが生まれるだろうという事は何となく想像が付く。
コンピュータはとにかく膨大なデータから情報を検索する事を得意とし、人の脳はコンピュータではなかなか実現できない直感に優れていると言えるが、これが共に備わる技術がまさしくBMIだと言える。
「ゴーストが囁くのよ」
草薙素子の名セリフでもあるが、これは決して機械やコンピュータだけでは到達できない閃きは、人の人たる所以である事を指す言葉だが、それがまさしく現実のものとなる入口に、人類は到達しようとしているのだろう。
何とも恐ろしく、神をも冒涜するような行為…なんて事を敬虔なクリスチャンなどは言いそうな感じだが、人の遺伝子の解明が進んでいる今、魂という解明されていない部分を除けば、現実にできるだろうという憶測は可能である。
願わくば、半導体そのものが有機物として作られる時代が来ることを願いたい。そうすれば、少なくとも今のBMIよりも人の体にはやさしくなるだろうから。
臨床試験の募集
Neuralinkでは、今後ヒトによる臨床試験を実施するにあたり、被験者を募集する事になるだろう。今はまだその被験者の募集は係っていないようだが、近日中に詳細を告知する予定だとしている。
コレ、募集は殺到するのだろうか?
人の体に電極を埋め込むという、異物混入という事態を自ら望む人が対象となるわけだが、ちょっと恐ろしい部分もあり、かといって希望がないわけでもないので、チャレンジャーもきっといるだろう。
人は半導体分野で既にナノの世界に突入した技術を現実のものとしている。なので人の神経と半導体回路を接続する上で、細かさが仇となる事は考えにくい。実際にやってみて、どこまでの事が出来るのか、また足りない要素があったとして、それを補佐する仕組みができれば、医療分野において大きな前進になるだろう。
少なくとも身体に不都合を持つの人達の福音になる事は間違いない。
この先の未来に、こうした技術を確立してよりよい世界になる事を切に願う。


最近のコメント