自主返納してもあまり意味はないと思うのだが…。
とにかく使えない
マイナンバーカード、通称マイナカードが使えない、なんて事は今更言う迄も無い話だが、特に田舎にいればいるほど使えない。
コンビニで住民票を入手できたりなんてのは都会では当たり前にできる事かもしれないが、田舎だと「まだ対応してません」とか平気で言われる始末。
保険証との紐付けも行われ、では病院で使えるかといえば、公的病院なら多少まだ使えるところはあっても、民間レベルでは使えないなんてのもよく見る光景である。
しかも、マイナンバーカードを保険証として使うと、普通の保険証では採られる事のない手数料まで乗っかっていて、これじゃ使う意味ないだろ、という状態でもあった。
しかも、登録した情報が他人のものと入れ替わっていたりするという、とんでもない不始末までやらかしてしまうというお粗末ぶり。
こんなに使えない国民カードは世界でも珍しいのではないかとすら思う。
しかも、この国民カードを作成してもらうために、国がとてつもなく大きな国家予算を投じてバラマキのような事をしてこの体たらくである。
かつては世界のデジタル産業を牛耳るのではないかとすら思えた日本の今の姿がコレというのは、なんとも情けない話である。
かつて日本は半導体産業で世界のトップを走っていたが、その半導体産業を「何故か」手放す事となり、気がつけば他のアジア諸国に遅れを取り始めるという体たらくとなった。
日本人のITへの理解が遅れた理由がそこにあるのかはわからないが、今の状況を見ると未だ日本はIT化に対して遅れ気味である事は間違いが無く、構築したシステムの運用管理においても甘い部分があり重大に不具合を起こすような国になってしまった。
こんな日本、誰も望んでいなかったのに、政府は何をしていたのだろうか?
返納者が増えた
そんなダメなIT化の筆頭とも言えるマイナカードだが、今、返納者が急増しているという。
理由は他人の個人情報と紐付けられて漏れてしまうかもしれないという事のようだが、そもそも個人に番号を割り振っているわけで、それをICカード化したものが、今返納しようとしていものでしかなく、しかもICカードに記録されている情報は名前、住所、生年月日、性別、マイナンバー、本人の顔写真とこれだけでしかない。
他は情報を統括しているサーバに情報が記録されているだけなので、カードから情報が漏れたとしても、その他の情報を覗き見る事は現実的にはかなり難しいと言える。
政府の言っている事を鵜呑みにするのも危険ではあるが、現状の情報から考えられる判断をすれば、カードを返納したからといって何かが変わるという事はないと思う。
一つカードを返納する事で明確にできる事があるとすれば、政府に対してマイナンバーカードはダメだ、という意思表示になる、という効果はあるかもしれない。
ホントの意味でダメな事
私は、マイナンバーカードそのものがダメという事はあまり考えていないのだが、そもそもマイナンバーカードで管理しようとしている情報と、今後利用する為に必要な情報、昔からある情報とを紐付ける際に、情報を間違いなく繋げられるのか、逆引きできるのか、という事をもっとちゃんと考えないとダメだという事である。
戸籍にはそもそもふりがながない、というのなら、まず正しい読みをどう管理するのか? という事をちゃんと議論した上で紐付けないと、トラブルが起きた時に逆引きできなくなってしまう。こういう組合せのトラブルが多いのが、今の一番大きな問題ではないかと思う。
あと、民間に頼っているのだろうが、情報の取扱いミスによって、別の情報と間違えて紐付けるケース。これはあってはならない事ではあるものの、残念ながら人がやる事なので、何かしらのミスはあってしかるべきである。
問題は、そのミスが起きたとき、正しく修正できる体制を整えているか? という事。
そして他にも波及していないか? という事をチェックできる体制を整えているか? という事。
今回、それが出来ていないから問題なのではないかと思っている。
鳴り物入りで出来たデジタル庁は、便利になる事ばかりを前面に押し出してきたが、ここに来てボロがあまりにも出過ぎている。
まず、やろうとしている事とそこに必要なもの、足りないものを明確にして、足りないものを足るようにしてから事に望む必要があったわけで、今それが足りていないのなら、事を急ぐ事はやめた方がいい。まず準備を整えるまでは現行のものと併行して可能な状態にし、必要なものを揃えてから、全体のシステムを稼働させた方が、国民の理解は得られるはずである。
ま、私はそもそも日本国民が使用するものに対して、なぜカタカナの名称を使うのかという事も多少疑問に感じている。
国民番号登録証とか、そういう名称にして、愛称としてマイナカードとかにすればよかったのにと思っている。
この先、まだまだ不安が尽きないマイナンバーカードは、今後どの方角に向いていくのだろうか?