ニンテンドーDSがマジコン問題でマジコン業者に訴訟を起こしたなんてのは良く聞いた話であり、それの対策として新型機を投入したなどという話もよくある話だが、今までそうした話があまり出てきていないのがPS3だった。
知らない人からすると「何それ?」と思うかもしれないが、今までPS3以外のゲーム機は、ほとんどがハッキングを受け、違法コピーしたソフトが起動できる何かしらの仕組みが存在している。
ニンテンドーDSだけでなく、WiiやXbox360ですらそうしたコピーゲームが動作する仕組みが存在するのである。
だが、PS3だけは今まで鉄壁のプロテクトを誇っていたため、そうした話をほんとに聞かない…はずだった。
なんと、PS3がハッキングされたという話が浮上してきたのである。
ハッキングしたのはGeorge Hotz氏というまだ20才くらいの人。彼は3年前、若干17才でありながらiPhoneのロックを外した。その彼が3年2ヶ月費やして、ようやくPS3のハードウェア部分をハッキングしたと自らBlogで発表したのである。
彼が現在可能にしたのは、全システムメモリの読み書きアクセスとプロセッサーへのハイパーバイザーレベル(特権レベル)でのアクセス。
要するにハードウェアのアクセスをすべて可能にしたというわけだが、これだけではニンテンドーDSのようなコピー問題へと発展する事はない。問題はソフトウェア部分であり、まだ解析が必要と本人も言っている。
結果として今の時点ではPS3はまだ大きな被害につながっているわけではない。
George Hotz氏が常識的な人であり、このハッキングした技術情報を漏洩しなければ被害は全く出ないだろう。
だが、どこからか情報が漏れ、そしてそれをつかってゲームのコピーへとつながった場合は、ソニーもまたコピー問題と戦っていかねばならなくなる。
まぁ、そうでなくてもPSPで同じように戦っているわけだから、ソニーもいずれはPS3も可能性のある事と思っているのかもしれない。
何にしても軌道に乗り始めたPS3にとっては不安材料である事に違いはない。
真っ当な使い方をしている人からすると「何のこっちゃ?」的な話かもしれないが、こういうのははじめの一歩が非常に大きい。
不可能と思われていたものが可能になった。この一言で激変する。
願わくば従来のゲーム機とは全く異なる道をPS3が歩んでくれる事を祈る限りである。
2010/01/24 • no comments