挫ける心、折れる心に耐えられる人は、きっとクリアできるんだろうと思う。
激ムズゲーム
昔のゲーム、特に1980年代のゲームは難易度が高めだという話を良く聞く。これはジャンルを問わず、全てのジャンルで難易度が高めだという事であり、今のゲームほど親切丁寧に作られていなかった側面も否定できないが、ゲームそのものの難易度も確かに高めだったと思う。
そこに優しさという名のわかりやすさ、丁寧さを持ち込んだのは、おそらくファルコム(当時は日本ファルコム)の「イース」だったのではないかと思う。
その後、ゲームはパソコンからコンシューマ機へとその主力がスライドしていき、その流れから丁寧に作られている事が当たり前の時代へと突入し、いつしか難易度もそれに合せて優しくなっていったように思う。
この「難しさ」と「難解さ」というのを厳密に分けていくと、話はまた変わってくるのかも知れないが、ゲームの難しさの原点に立ち返ったのが、デモンズソウルのようなゲームではないかと思う。心折れるゲームといわれている同作は、ダークソウルへと受け継がれ、その後Bloodborneへと繋がっていき、再びPS5でデモンズソウルへと戻ってきている。
こうして見ると、系譜が一つしかないように見えるが、探せば他にもあるはずだ。
そんな、この難しさを昔から貫き通してきているゲームの一つに「魔界村」がある。
カプコンが1985年にアーケードゲームとして発売した横スクロールアクションゲームから始まり、1988年には続編の大魔界村が同じくアーケードゲームとして登場している。この大魔界村の続編は、1991年にスーパーファミコン版が発売された超魔界村とされており、その頃にはアーケード版では発売されていない。
私はこの魔界村シリーズがとても苦手なのだが、作品としてどうしても無視できない存在感みたいなものを感じている。というのも、私がメガドライブを買おうと決心したのは、移植された大魔界村の完成度がとても高かったからなのだ。
プレイしてもすぐやられ、結局エンディングを観る事もできないクセに、体が欲しがるゲーム。実に理解不能なタイトルである。
そんな魔界村シリーズだが、Nintendo Switchで2021年2月25日に、ダウンロード専売で「帰ってきた魔界村」というタイトルの新作が発売される。価格は3,627円(税別)。
すべてがイマドキ
「帰ってきた魔界村」は基本的には横スクロールの2Dタイトルである。ただ、昨今はスプライトなどというものでキャラクターを動かしてはいないので、キャラクターは全て3D描写で作られているようだ。妙にリアルなキャラクターが昔との差を明確にしているところだが、この手の3Dキャラのようで2Dで使われるというやり方は、最近ではよく見る形といえば形である。
解像度が昔から比べると格段に上がっているので、全てのキャラクターが実に細かく描かれていて、リアルさを増しつつもどこかコミカルに描かれている本作は、新しいようで昔と同じテイストでプレイできるように作られているように見える。
ただ、前述したように魔界村シリーズなので、その難易度は相当に高いと思われる。
公開された動画を見ると、アーサーがすぐに骨になってしまっているシーンが連続する。全然前に進めない、という状況が簡単に予想できてしまう。
ただ、それに合せてシステムも新しくなっているようだ。
大魔界村以降では魔法が使える仕組みになっているが、本作はその魔法だけでなく、スキルという自動発動する効果が加えられている。
たとえば武器所持数アップというスキルが上がると、保持できる武器数が増え、任意で武器を入れ替える事ができるようになるらしい。間違えて使いにくい武器を取ってしまったとしても、リカバリーできるチャンスが増えたといえるかもしれない。
魔法やスキルは、各ステージに隠されている神木「オービィの木」を見つけ戻してやると解放・成長させられる。一度覚えた魔法を解放して別のものに入れ替えたりもできるので、各ステージを有利にクリアする事ができるようだ。
この辺りは、コンシューマ機用のタイトルとして作られている感じがする部分と言える。
帰ってきた魔界村 公式サイト
https://www.ghostsn-goblins.com/resurrection/ja/
カプコンアーケードスタジアム
この「帰ってきた魔界村」とは違うのだが、カプコンが2021年2月に発売予定しているタイトルがもう一つある。
これは一種のプラットフォームで、Nintendo Switchにそのプラットフォームをインストールした後、そこに過去のカプコンアーケードゲームを追加パックとして購入し、そのプラットフォーム上で遊ぶというタイトルになる。
「カプコンアーケードスタジアム」と名付けられたそのプラットフォームは、まず最初に「1943~ミッドウェイ海戦~」を無料でダウンロードするところから始まる。
実はこのタイトルと一緒にインストールされるのが先程のプラットフォーム「カプコンアーケードスタジアム」である。
次に、30本パック、もしくは3種の10本パックを別購入する事で、このプラットフォームで遊べるタイトルが増えていく。
価格はまだ未定だが、懐かしの名作アーケードゲームばかりである。
30本パックを購入すると、購入特典として「魔界村」が付いてくるが、10本パックで追加していく場合はこの「魔界村」は1タイトルのみで別購入となる。「魔界村」以外のタイトルは単体購入ができないので、購入するとなると30本パックか10本パックという事になる。
この「カプコンアーケードスタジアム」は、このプラットフォームだけでいくつかの機能を持っていて、購入したタイトルにおいて、難易度を変えたり、処理速度を遅くしたり速くしたりといった機能を持っている。これで難しいタイトルを易しくしたり、逆にさらに難しくする事もできる。
他にも、いつでもどこでもセーブ/ロードできる機能も持っていて、さらにミスをした時に時間を巻き戻してミスする直前に戻してリトライできる「巻き戻し」機能もある。
ここらへんが昔のゲームにはなかった「易しさ」なのかもしれない。
カプコンアーケードスタジアム 公式サイト
https://www.capcom-arcade-stadium.com/ja/
レトロタイトル復活の兆し
ここにきてカプコンがようやく昔のタイトルを復帰させる動きを見せた。
私としては実に喜ばしい事だが、これに他メーカーも追従して欲しいと思っているのだが、なかなかにしてそうは行かないのかも知れない。
せめて移植しているメーカーからアーケードアーカイブスのような形で移植されればよいのだが、そこにも話がいかないような名作がまだまだあると考えると、残念でならない。
特にナムコは、1980年代では絶対的なメーカーであっただけに残念で、もっと積極的に復活させてくれないかと思っているメーカーである。
ナムコはバンダイと合併した事で、そうした復刻タイトルを出すのが難しくなっているのかも知れないが、ひょっとしたら別の理由があるのかもしれない。
実はナムコもパックマンを初めとしたいくつかのタイトルをダウンロード専売で発売しているのだが、そのタイトルに続く作品が出てこないのである。出てこない理由として、おそらくそのダウンロード専売タイトルの売れ行きが良くないのもかも知れない。
だが、もしそれが理由だとしたら、そもそもダウンロード専売で発売したタイトルに問題があるのではないかと思えてくる。もし、これがパックマンなどでなく、他のタイトルだったとしたら売れていたかも知れない。おそらく、メタルホークやアサルトあたりが出てくると、喜び勇んで購入する人も多いのではないかと思う。
何はともあれ、コナミ以外にカプコンも動き出した。これに続いて他メーカーも、アーケードアーカイブス含めて何かしらの動きを見せてくれると、もっと面白い事になるのではないかと期待する。