SSDはもうPCI Express 4.0 x4接続が当たり前の時代にくるのかもしれない。
高速アクセスの為に
PCI Express 4.0 x4接続に対応したCorsair製M.2 NVMe SSD「MP600」シリーズが1月30日より順次発売される。
MP600 PROシリーズは、Phison製PS5018-E18コントローラと3D TLC NANDフラッシュを採用したM.2 NVMe SSDで、容量は1TBと2TBが用意される。共に2月上旬の発売を予定しており、店頭予想価格は3万980円前後、及び5万8,980円前後の見込みとなる。
PCI Express 4.0 x4接続に対応した事で、その最大シーケンシャルリード速度は、1TB/2TBモデル共に7,000MB/sに達し、同ライト速度は1TBモデルが5,500MB/s、2TBモデルが6,550MB/sになる。
さすがはPCI Express 4.0 x4接続といったところだが、このPCI Express 4.0 x4接続に対応したチップセット等は、比較的最近のCPUに対応したもののみであるため、そのあたりは要注意である。
ちなみにRyzenの場合はZen2の頃からPCI Express 4.0 x4接続に対応しているため、Zen2に対応したチップセットで利用は可能である。Intelは…正直CPUのラインナップが複雑化しているので、対応チップセット含めていろいろ調べた方がよいだろう。
また、2TBモデルについては水冷用ウォーターブロックを搭載した「MP600 PRO 2TB Hydro X Edition」も用意される。とうとうストレージにも水冷の時代がやってきたのか、と私的には感慨深いが、要するにストレージのアクセス速度が上昇するにあたって、その発熱が空冷の領域を超え始めたという事である。
最速を狙うならSSDにも水冷…時代はここまで来たのである。
PS5のストレージSSD
恐らくだが、PS5のSSDもPCI Express 4.0 x4接続のものではないかと予想される。
今だ、増設用SSDの情報が出てきていないPS5だが、あのアクセス速度の速さはどう考えてもPCI Express 4.0 x4接続のものではないかと予想する。
Sony側としては、PS5のSSDに関しては元より特定のSSDでないと利用する事ができないとしていて、それは純粋に値段の安い入手性の高いSSDを増設してしまったなら、期待される性能が出ない事を危惧して、ユーザーに対して解禁していないものと予想される。
ま、今はそういう情報よりも本体をより潤沢に用意してくれ、という声の方が圧倒的だろうと思うが。
熱対策
このPCI Express 4.0 x4接続を可能にするチップセットだが、比較的発熱量が多いチップセットが多いようである。
AMDのX570チップセットは、従来はヒートシンクでよかったものが、全てにおいて空冷ファンを搭載した。
長期に渡って動作するマザーボードでは、このヒートシンクにファンが搭載されているか否かで、その耐久性に対する安心感が全然違う。
CPUは高度化が進んでいくが、チップセットはCPUほどの速度で進化しないので、進化させるには何かキッカケのようなものが必要だ。とくにソケットを共通化しているAMDでは、チップセットが据え置きになっているケースは多いが、今回のようなPCI Express 4.0対応などの新しい機能が実装される際にチップセットが新造される。今回はこのPCI Express 4.0という対応において、発熱が強烈なまでに発生した事で、今までファンレスだったチップセットが、空冷ファンを必要とする事態になったのだろう。
その結果、チップセットのみならず、SSDそのものの発熱が大きかったのだろう。搭載されるヒートシンクが巨大化するだけでなく、水冷用のウォーターブロックが搭載されたモデルまで登場した次第である。
高性能化する事は喜ばしい事だが、それによって使い勝手が著しく低下する場合、どちらにメリットがあるのかを再考する必要がある。
熱処理が問題になっても高速化する事を望む場合は、この冷却問題を受入れるしかない。そして世間の方向は冷却する方向に今は向いている、という事である。
…というか、こういう対策で価格が上昇するんだろうなぁ。