久々のKindleのアップデート。より使えるモノになったとは思うが…。
派生モデル登場
AmazonがKindle PaperWhiteをアップデートした。ファームウェアのアップデートという意味ではなく、ハードウェアそのものを更新したもので、発売は2021年10月27日に出荷予定となっている。
今回、バリエーションとして「Kindle PaperWhite シグニチャーエディション」「Kindle PaperWhite キッズモデル」という派生モデルが作られ、派生モデル含めたPaperwhiteモデル全てがWi-Fiモデルのみ、となった。また、搭載するストレージ容量は、シグニチャーモデルのみ32GBで、他は8GBとなっている。
価格は「Kindle Paperwhite 広告あり」が14,980円、「Kindle Paperwhite 広告なし」が16,980円、シグニチャーエディションは19,980円、キッズモデルは16,980円となっている。
Amazon.co.jp Kindle Paperwhite シグニチャーエディション
https://www.amazon.co.jp/dp/B08N2ZL7PS/
また、派生モデル以外のPaperwhiteは、エディオン、ケーズデンキ、上新電機、ドン・キホーテ、ビックカメラ、ヤマダ電機でも発売される予定となっている。
6.8インチへと拡大
派生モデル含めたPaperwhiteシリーズは、今回初めて6.8インチのE-inkディスプレイを搭載した。前モデルよりも13%視野面積が広がり、レスポンスも20%高速化したという。
全体的にベゼルが狭くなり、サイズに対する液晶面積比率が大きくなったのは朗報といえるだろう。
また、色調調節ライトを搭載し、ディスプレイの色合いを明るい白から温かみのあるアンバーまで調節できるようになった。それに付随し、ディスプレイを照らすフロント用LEDが5個から17個に強化され、前モデルと比して10%明るくなった。
この事だけでも大きな変化ではあるが、さらにバッテリー寿命が前モデルから65%向上、1回の充電で最大10週間利用できるとする。
また充電ポートはMicroUSBからUSB Type-Cへと変更され、9W以上のACアダプターを使用すると2時間30分で充電が完了するようになった。
合わせて防水仕様は前モデルと同じくIPX8の規格に適合する。
外形寸法は前モデルが「167×116×8.18mm 182g」だったのに対し、新モデルは「174×125×8.1mm 205g」と若干大きくなって薄くなった。厚みに関してはほぼ認識できないぐらいのレベルだと思うが、大きさはディスプレイの大きさが拡大した関係もある。ただ、全体的なディスプレイ比率は高くなっているので、満足度の方が高いのではないかと思う。
シグニチャーエディション
私が今回最も注目したのはシグニチャーエディションである。
広告なしモデルのみの構成で、内蔵ストレージは32GB一択、さらに明るさ自動調整機能を搭載し、唯一Qi規格によるワイヤレス充電に対応したモデルである。
ワイヤレス充電は7.5Wでの運用になるが、これに関しては専用スタンドも発売される。
重量は2g重くなり207gだが、このレベルだと気にならない。
上位モデルである「Kindle Oasis」と同等の明るさ自動調整機能を持つようになった事、画面サイズも「Kindle Oasis」の7インチに迫る6.8インチになった事はとても大きな意味がある。
私なら、今回のアップデートで間違いなくシグニチャーエディション一択になるだろうと思うが、正直、これで「Kindle Oasis」を選ぶ理由がなくなってしまったのではないかとすら思える。…ページ送りボタンがどうしても欲しい、というのなら、話は別だが。
より見やすく、より快適に使えるように更新された新型Kindle Paperwhiteは、一考の価値があるのではないかと思う。
iPad miniとのバッティング
ただ…私の中で唯一悩む事があるとすれば、先日発表されたiPad miniを購入しようと考えている人は、このKindle Paperwhiteの選択肢はないかな、と思う事である。
というのは、iPad OS用のKindleアプリを使えば、iPad mini上で書籍を読めてしまうからである。
大きさ的にはiPad miniの方が大きいし、省電力性ではKindleの方が圧倒的ではあるのだが、どのみちタブレット端末を使うのであれば、iPad miniの運用の方が全ての面で効率が良い。
Kindleには、E-inkという紙に近い目へのやさしさがあるが、だからといってiPad miniとKindle Paperwhiteを2台持ちしたいと考える人は少ないのではないかと思う。
Kindleはハードウェアではあるが、厳密に言えばもうソフトウェアプラットフォームでもある。
PCにもアプリケーションはあるし、Android、iOSにもアプリはある。なので、それらの端末を持っている人は、自分の用途に合わせたKindleで運用するのがおそらく最も正しい。
Kindleというハードウェアが更新されたとしても、サービスとして他ハードで受け皿があるのなら、その受け皿での運用を考えて見て、それでも別ハードが良い、というのなら、購入を検討すれば良いだろう。
ま、ハードの使い分けは当たり前の話ではあるが、ガジェット好きは時々ハードウェアに固執する時がある。私がまさにそうなのだが、そういう傾向のある人は、要注意である。