4月21日より、PLAYSTATION Network(以下PSN)への接続が出来ないという状態が続いている。
PSNに接続できない、つまりサインインできない事がどんな弊害をもたらすか、というと、PSNを介したオンラインゲーム、フレンドリストやメッセージ、プレイステーションストアからの購入などが全て出来ないという事である。
PS3がPS3たり得るのは、このPSNあっての話ではないかと私は思っているのだが、その中核たるPSNが利用出来ないのは、今のPS3にとって不都合きわまりない。
なぜこんな事が起きているのか?
その理由の前に、現状を見てみるとどうもこれは日本だけでなく、米国、欧州でも同じ現象のようで、これはもう世界規模の接続障害となっていた。
PSNのこのようなサーバダウンは今回が初めてではない。
前回の不定期ダウンは、ハッカーのgeohot氏とソニーの訴訟に抗議するとしてAnonymousという集団が大規模なDDoS攻撃を実施した。これは当人たちから声明が出されていた。
しかし今回はそうした犯行声明も出ているわけではなく、しかもその手法も異なるようだ。
前回のサーバダウンはPS3の本体機能バグを利用したものだったため、PSPによるPSN接続は可能だった。しかし今回はPSPでの接続もできなくなっている事から、その手法が全く異なるものと予測される。
予測、といっているのは、現時点でSCEがその原因を特定できていない為。
既に3日経過したワケだが、その後の変化はSCE公式サイトでも見受けられない。
しかし、このサインインできないという事は私にとっても想像以上に困った出来事だった。
通常、オンライン系の事ができない事は想像していたが、PS3にダウンロードしておいたPSPの追加DLCのPSPへのインストールも出来なかった。
これは、PSNが関連づけられたPSNアカウントとPSPのシリアルを確認しているためで、その確認ができないためにPSPへのインストールができないのである。
ゴッドイーターバーストの追加DLC ver1.4がそのおかけでまだインストールできない…。
他にもトルネのトルミル機能とかも使えないし、何かしようとするとほとんどの場合で実行不能に陥る。
スタンドアローンで動作する製品の方がこういうときはありがたく感じるものだが、PS3のありがたみの大部分がネットワークによってもたらされていた事を改めて思い知る結果だった。
SCEからすれば、スタンドアローンでゲームも動くし言われているほどの問題ではない…とどこかに思っているかもしれないが、PS3をPS3たらしめているのは、既に本体云々ではなくPSNだという事を自覚してほしいと私は思っている。
Sonyは昔から何かとAppleと比較される事が多い企業だが、Appleが魅力的な製品を世に送り出している会社と認識しているのなら、それは半分しか見えてないワケであり、Appleの主力は半分以上がiTune storeであり、そのiTune storeを利用する為に各製品デバイスが存在しているのである。SonyのWalkmanがiPodをなかなか追い越すことが出来なかったのは、この注目点がズレていたからではないかと思う。
最近になってWalkmanはiPodのシェアを超え始めたが、これも勘違いしてはいけないところで、Appleは主力製品を既にiPodと見なしておらず、iPhoneやiPod touch、そしてiPadという、音楽だけでなくアプリも動作させられるデバイスへと移行したに過ぎない。Appleは今もってSonyより先行して市場を牽引している事実は変わらないのである。
そしてその変わり目を見極めさせたのがiTune storeの利用状況であり、ネットワークを何よりも重要なものと位置づけた姿勢はiTune storeがもたらしたものである。
であるならば、SCEはPLAYSTATION Networkを最重要ガジェットとしなければならない。
そこに今回のような問題を起こすことがどれだけの問題か、という事を再認識しないといけない。
そんな事言われなくても分かってる、となるのだろうが、一度ならず二度までもこのような状態になる事が、まだまだ徹底されていない事を物語っている。
地域的問題でもなく、SCE製品のハードウェア的問題でもないとすれば、ネットワーク問題でしかないだろう。商売のコアが障害を起こしているという事実と原因を突き止め、とにかく今は早い復旧をお願いしたいところである。