昨日、艦これの話をした時に書いたが、ゲーム制作メーカーの生き残りをかけた戦略が今大きな変化を見せようとしている。
ソーシャルゲームの台頭が一段落した事に端を発したこの流れは、実の所今後どの方向に向かっているかは誰も予測できないし、そのソーシャルゲームで台頭してきた企業が大きな変化に飲み込まれる事態に陥っている。それ故に、ゲーム制作メーカーはこの予測もできない時代にどのような一手を打つかが問われる時代に突入した。
話変わって。
ちょっと前にBlogでも記事にしたことがあるかもしれないが、ソーシャルゲームの大手であるGREEのとある面接官が、ある面接の時に「任天堂の倒し方、知らないでしょ? オレらはもう知ってますよ」と言った事がネットで話題になった事がある。
モバゲーやGREEが全盛期の頃の話で、飛ぶ鳥を落とす勢いで会社が大きくなっていた時代の話である。
それでも1年くらい前か、1年すら経過していない頃の話だったと思う。
この面接官は、GREEの成長指数だけでそういう言葉を発したのかもしれないし、実際、時代を先読みした自分達の栄光が未来永劫続くと思っていたのかも知れない。
だが、言うまでもなくこの面接官の言葉は全くと言っていいほど任天堂を分析した言葉ではない。
任天堂の本当の強さとは何か?
彼はまずそれを知ってから発言すべきだったと私は思っている。
その面接官がいたGREEだが、業績がとんでもなく悪化している事実が明らかになった。
8月14日にGREEが発表した本年度6月期の連結決算は、純利益が前期比53%減の225億円で、減損損失は97億円、期末配当は全年同期の30円から16円減配の14円とする結果だった。
53%減。
これがどういう意味を表すか分かるだろうか?
単純に社員を半分にしたとしても補いきれない減益である。
しかも、2014年度6月期の業績と配当の予想を開示できないとして、その理由が「事業の選択と集中の進み具合などで業績が変動する可能性があり、現時点で合理的な算定ができない」とした。
先程の面接官の話だと、こんな言葉が出てくるハズがない結果である。
任天堂の倒し方を知っているなら、さっさと倒して自らが安泰となればよいのだ。しかし、蓋を開けてみればこの顛末である。
では任天堂の強さとは何なのか?
それは、持っている資産の多さである。こう言うと反論も生まれるかもしれないが、任天堂はここ数年業務を行わなくても社員を養えるだけの資産を持っている、と言われている。
これがどういう事かわかるだろうか?
世の動向をじっと見つめ、起死回生の一手を打つことができるという強みは、他の何モノに比べても強いという事だ。
これは任天堂に限った話ではない。Appleしかりである。
ではGREEはどうしてそうならなかったのか?
これも実は理由が簡単で、GREEは単純に売れない世の中にあって、造幣局で紙幣を印刷しまくっただけ、という事である。
ソーシャルゲームが人気だからといって、似たような作品を乱発し、その発表される作品の数であたかもソーシャルゲームがコンテンツの中心にあると見せかけただけの事なのである。
もちろん、人気のあるコンテンツで収益を得られていた事実はある。だが、その収益では乱発した市場を支えきれなかったワケである。
まぁ、そうした大きな企業の話は結局の所ゲーム制作メーカーの行く末とは全く異なり、単に資本重視の企業の行く末と同じ流れになってしまうわけだが、そういう企業を支えるゲーム制作メーカーは、今後さらに難しい時代に突入する事になる。
ソーシャルゲームが売り上がるから鞍替え…としてきたメーカーも多いだろう。頑なにコンシューマ機への開発を続けてきたメーカーもあるだろう。
だが、それらのどちらが今後の正解か? などというのは、今の時代誰も分からない。
全体的に規模が縮小している事実はあるにはあるが、世界に目を向ければ市場はまだまだ大きいと言える。問題はその大きな世界市場にどう入り込んでいくか?
おそらくはその手法を試行錯誤する時代が数年続くのではないかと私は思ったりする。
果たして、これから先どう進んで行くのか?
明るい話を期待しつつ、今後を見届けたい。