ルンバ登場以降、日本の家電業界の中でも売上が伸び続けているロボット掃除機。
日本メーカーもいろいろな機種を発売しているが、いよいよ大御所からも発売となる。
世界で唯一吸引力の落ちない掃除機
Dysonと言えばサイクロン、と言うほどサイクロン式掃除機のパイオニアなのがDysonだが、そのDysonも遂にロボット掃除機を発売する。
しかし、Dysonがロボット掃除機を手がけるのは何も今に始まった事ではないという。
Dysonがロボット掃除機の開発を始めたのは今から16年前、つまり1998年頃になるわけだが、開発から6年後、つまり2004年頃にDC06というサイクロンを背負いセンサーカメラを搭載したロボット掃除機を開発した。しかしその価格は60万円という、家電掃除機とは思えない価格だったため市場に出回る事はなかったそうだ。
そしてそこからさらに10年かけ、今回発表された「Dyson 360 Eye」が誕生したわけである。
https://www.youtube.com/watch?v=YX6Ow_Hug0w
何が違うのか?
動画でも違いの片鱗は分かるが、ちょっと書き出してみる。
「360 Eye」の外形寸法は、約230(幅)×242(奥行き)×120(高さ)mmで、一般的なロボット掃除機より一回り小さいが、背が高いといったスタイルである。筐体前方に円錐形のコーンが8つ並んだサイクロン機構を搭載していて、その下に透明のダストカップがある。これは他のダイソン製サイクロン掃除機と同じである。
搭載するモーターはダイソンデジタルモーターV2で、強力なサイクロンを生み出すわりに小さなモーターが搭載されている。これにラジアルルートサイクロンテクノロジーを組み合わせ、強力なサイクロンを生みだし、他社のロボット掃除機とは異なる次元の集塵力を生み出す。
それと、他社ロボット掃除機には掃除機横を掃除するためにサイドブラシが搭載されているが、「360 Eye」にはサイドブラシは搭載されていない。代わりに掃除機本体とほぼ同幅といっても良いぐらいのブラシが搭載されていて、「360 Eye」が通った幅全てを吸引力で掃除してしまうという方法を採っている。
もちろん、このサイドブラシの排除というのはDysonが自社の吸引力に自信があるから採れた方式と言える。実際、サイドブラシがあるものと比べてどちらが掃除機として最適なのかは、これから消費者が感じる事であり、ひょっとしたら数年後に改良された時にサイドブラシがDyson製ロボット掃除機に搭載される可能性はあるだろう。もしくは吸引力を今以上にする事で、あくまでもサイドブラシなしを貫く可能性もある。
また、面白いのが「360 Eye」の足の部分、つまり車輪である。
ルンバなどは普通に車輪で移動するのだが、この「360 Eye」はベルト駆動方式…というか、見たまま言えばキャタピラが搭載されていて、それが上下の動きに追従して本体を駆動させる方式を採用している。
これによって上下差15mmを乗り越えて行くというから、一般的な家庭の段差はほぼ乗り越えて行くと考えられる。
360°の目
この「360 Eye」の最大の特徴は、自分の位置を常に把握していて、部屋の中をマッピングしているという事である。
名前にもついている360とは全周囲の360°の意味であり、広角カメラセンサーで360°の映像を捉え、三角法によって自位置を把握しているという。
https://www.youtube.com/watch?v=1yU3gaimSIQ
この動画の説明がわかりやすいだろう。
というか、これで私が説明する事は全くなくなったと言える動画であるw
Dyson Link
今回発表された「360 Eye」はスマートフォンアプリである「Dyson Link」によって、掃除のスケジューリングや掃除の進行状況チェック(モニタリング)などが外出先からでも行えるようになっている。
操作方法などもアプリからユーザーガイドを表示させる事で見ることができ、またトラブルシューティングもある程度は可能なようだ。
但し、他社製ロボット掃除機にももちろんこれと似たような機能があって、そちらはリモート操作が可能なものなどがあるのだが、現時点でDyson Linkではそこまでの事はできない。
だが、こうしたソフトウェアというのはアップデートが簡単にできるため、何かしらの機能追加は今後あり得る話である。
しかも「360 Eye」の裏面にはUSB端子が搭載されているため、PCと何かしらの形で通信ができるようになっているようだ。これはメーカーがメンテナンスで使用する事を前提としたものかしもれないが、ユーザーに開放されないとも言えないわけで、本体のファームアップも場合によっては可能なのかもしれない。
残るは価格…
掃除機に拘り抜いているDysonならではの、拘りの逸品と言える「360 Eye」だが、唯一ネックになるだろうと今から想像が付くのが価格である。
他社製ロボット掃除機の価格が徐々に下がり気味である今、Dysonはこのロボット掃除機にいくらのプライスを付けてくるのか?
今はまだわからないが、安いという答えはまず出てこない…と考える人は多分私だけではないだろう。
願わくば、あまり高くない製品にしてもらいたいものである。
というかルンバの牙城を崩すには、性能だけではダメだという結論に至ってもらいたいものである。