地味だけど確実な変化

 次世代DVD…という言葉は、もうすでに次世代でなくなっている今において間違った表現なのかもしれないが、それでも普及しているようで全くしていないHD DVDやBlu-ray Diskは、やっぱり次世代DVDと言わざるを得ない状況にあると思う。
 なぜ普及しないのか?という最大の理由はやはりそのドライブの価格であり、メディアの価格にある。
 DVD±R DLを頻繁に使う人にとって、すでにこれらのメディア単体あたりの収録容量は限界に達しているはずだ。
 逆にあまり使わない人にとっては、おそらく1層のDVD±Rの容量ですら大きいハズで、ここら辺に使用環境による需要の差が発生していると言える。
 すべての人が2層のDVD±R DLが必須という状況になって初めて、次世代DVDの良さが光ってくるのであり、そういう環境にならない今は、やはり次世代DVDの需要が高まらないために、なかなか次世代DVDが浸透しない状況を作っているように思う。


 ただ、この状況は日本市場において…のようである。
 というのは、海外ではリードオンリーメディアであっても普及しはじめているようで、HD DVDドライブやBlu-ray Diskドライブに書き込み機能がついていなくてもほいほい売れていくらしい。
 逆に日本では書き込み機能がないとなかなか売れないようで、虎の子のPlayStation3の不振が、そのままBlu-ray Diskの普及促進予定を遅らせてしまっている状況にある。
 PlayStation3が予定通りに売れていれば、少なくともリードオンリーメディアのBlu-ray Diskの普及は今よりも進んでいたハズで、Blu-ray Diskは最大のチャンスを逃した事になる…のは、事情に詳しい人なら誰でもわかっている事である。
 ただ、書き込み型の次世代DVDドライブが安価で出てこない事には日本市場で爆発的に普及する事はあり得ない、というのが一般的な見方である事に違いはない。
 で、ここにきてHD DVDドライブの値下げが起きた。
 もちろん書き込み型でないため、爆発的な変化につながる事はないが、それでも確実に低価格化に進んでいる事は間違いなく、こういった動きが次世代DVDの普及に貢献していく事になる。
Buffalo 製品ニュース
http://buffalo.jp/products/new/2007/000520.html
 2万円台前半に価格が落ちてくると、ちょっとした人だと手が出せる価格といえる。
 内蔵型ドライブは今では1万円でメーカー純正、5千円前後でバルクドライブが買える時代であり、それらに少しでも近づくことで普及する事は間違いない。
 私的には1万5000円前後になればかなりの率で次世代DVDドライブは普及するんじゃないかと思う。HDDも1万5000円あれば500GBクラスが買える時代であり、その価格が一つの指標かな?と思えるからだ。
 何はともあれ、すでに発売されて久しい次世代DVDがいつまでも次世代と名乗る時代はそろそろ終わりにしたいところである。
 メーカーの奮戦に期待したい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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