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時期が悪いかも

今年、メインPCの更新を考えていたのだが、ちょっと時期が悪いかも知れない。

供給不足

先日から、当Blogでも書いている事ではあるが、AMDが2020年第4四半期および通期の決算を発表したが、その際、CEOのリサ・スー氏から、直近のCPU供給不足に関するコメントが出た。
それによると、2020年の半導体市場における需要は非常に高く、AMDの想定も超えるものだったようだ。その結果として、2020年末は特にローエンドパソコン市場、ゲームコンソール市場からの需要に完全には応えきれなかった、とし、製造パートナーからは大きな強力を得ているものの、需要に応えるには行簡易はさらにキャパシティレベルを上げていく必要がある、との見解を示した。
明確な名称を答えてはいないが、これはAMDのRyzen 5000シリーズとPS5やXbox Series X等に供給しているAPUの事を指している事はほぼ間違いない。
まだまだ続く供給不足また、今後の話としては2021年上期の供給はまだタイトなものになるが、下期には供給量を上げられ、年間を通じては需要に見合う供給ができるだろう、との予測だという事らしいが、要するに2021年前半は、まだまだモノが足りない状況が続く、という事である。
この供給不足という状況を市場の動向に合わせて考えていくと、2021年前半はモノがまだまだ高騰する、という事が予想できる。
モノがないのだから価格は下がりようがない、というワケである。
私は今度のメインPCにはZen3のRyzenを予定していたが、この供給不足のCPUがまさにRyzenの5000シリーズであり、しばらくは価格も高騰したままだし、入手性も悪い状況にあるという事がほぼ確定した、と言える。
価格を安く抑えようと思ったなら、時期が悪すぎるとしか言いようがない。

Zen4が見えてくる

安定した供給が得られるには、時期的に2021年下期にまでかかると考えると、もうそこからはZen4が見えてくる。
AMDのロードマップでは、2022年までにはZen4が投入される予定になっている。
今の所、AMDは恐ろしいまでに予定通りにZenアーキテクチャの更新を行ってきているので、このままいくとZen4の登場も予定通りの可能性が高い。そうなれば、私の場合、Zen3を導入してもその半年後にはすぐに次のZen4アーキテクチャが登場することになる。更新時期としては実に適切でないと言える。
限られた予算での自作である以上、アーキテクチャ更新は出来る限り最新のものへ切り替えていきたい。
5nmプロセスで製造されると言われているZen4の生産性も気になる所ではあるが、既にAppleはM1やA14 Bionicを5nm製造プロセスで生産している事を考えると、今度は5nm製造プロセスで需要が集中し、またしても供給不足…なんて事になるかもしれない。
ただ、今度の場合はPS5もXbox Series Xも割り込んでこないだろうから、多少マシな状況とは思う。
2021年の第1四半期という今の状況は、そうした現状の生産逼迫と次世代の予定との狭間にある難しい時期であり、そこから今後の自作予定を検討すると、良い結果が実に想定しにくい時期と言えるのかも知れない。

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時代はついにN3へ

シリコンによる半導体は7nmが限界だといっていた過去はどこに行ったのか?

2021年にリスク生産開始

台湾TSMCが、半導体の3nmプロセス製造について、2021年にもリスク生産を開始し、2022年の第2四半期に量産を開始する予定だと、台湾DIGITIMES誌が報じた。
世界の半導体を大きく左右するTSMC今現在PS5等の半導体製造は7nmプロセスによる製造で、AppleのM1は5nmプロセスによる製造であるが、それよりもさらに微細な3nmプロセスに関して、もうすぐそこまで来ているという事にまず驚く。
実際問題として、7nmプロセス製造のPS5等の生産に遅れが出ているという事実が有る事を考えると、最先端プロセスの研究も良いが、もっと生産してくれよ、と言いたい人も多いだろうと思う。
だが、半導体という世界は、この先端プロセスの製造にどれだけ早く着手できるか、という事がとても大きな意味を持つ。これに乗り遅れると、顧客を一気に失う可能性もあるので、TSMCからしてみれば、既存ラインの拡大は別で対応するとしても、基礎となる最先端製造にコストをかけるのは、むしろ当然の結果である。
という事で、TSMCはまだしばらく半導体製造業界ではトップ企業に君臨し続けるだろう事は想像に難くない。

微細化の問題

昨今の半導体製造は、以前よりもずっと微細製造にコストが架かるため、以前のように製造プロセスを小さくすれば、製造数でコストを相殺させ、逆に利益を増大させる事ができる、というものとは全く異なる。
なので、GPUはCPUから比べると微細化が進む速度は以前から遅かった。配線層の微細が困難だったという事と、コストに見合わないと判断された為だ。
ただ、大きなダイサイズは面積あたりのコストも嵩むがそれ以上に消費電力のメリットを享受できないため、、今のNVIDIAのGeForce RTX 3080を初めとした3000系は、SamsungのN8プロセスにて製造されている。またAMDのRadeon RX 6000系もTSMCのN7で製造されているので、GPUもプロセス微細化の道を昨年から歩んだ形になった。
残念なのは、これらが一度に全部動いた、という事である。
これによって、もともと限られていた生産ラインが全て逼迫し、生産に遅れが出ているという事である。
この半導体の全体的な品不足は、元々想定されていたところはある。
TSMCは、2020年5月に2021年に建設を開始する5nm生産が可能な半導体生産工場を米国アリゾナ州に建設する計画を発表している。ただ、こうした工場の建設には数年単位の時間がかかるので、この工場の稼働は2024年からと計画しており、今の品不足そのものに関与する事はないのだが、産業の多くで半導体が使われる今の時代によって、全体的な品不足が起きている事そのものは、あらゆる想定を超えたものになっている側面があるように思える。

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