USB3.0 Promoter Groupが、USB3.0の規格を拡張して転送レートを2倍の10Gbpsへ持ち上げる予定だと発表した。
今現在のUSB3.0の転送レートは5Gbps(秒間5Gbit)だが、さらにデータ符号化の改良でより高効率な転送が行なえることも目指すらしい。
ただ、この改良によってコネクタ形状やプロトコルに変化はなく、従来のUSB 3.0やUSB 2.0と互換性を持つとしている。
これらは2013年の第1四半期に業界内で調査・検討を行ない、同年半ばには規格策定を完了する見込みという事なので、今年中には規格が策定し、早ければ来年にはコントローラーが出てくる可能性もある。
使い勝手の面で変わらず、それでいて従来よりも高速転送を可能にするという、夢のような予定発表だが、個人的には先日の“裸族の集合住宅”の件もある為、もっと互換性が高くそれでいて安定する規格にして欲しいと思う…というか切に願いたいところである。
USB3.0は、現時点でドライバの問題なのかコントローラーの問題なのか、持っている機能を使い切れない状況があるように思える。
実際、私の環境でそういう問題が具現化しているわけで、そういう問題を潰していく方がユーザーにとっては有益なように思えてならない。まぁ…この問題を潰すのは業界団体のUSB 3.0 Promoter Groupの仕事ではないのかもしれないが、ユーザーサイドに立った活動をして欲しいものである。
このUSB3.0の高速化に伴い、インターフェース規格ではこれでThunderboltとUSB3.0が同じスペックに到達する事になる。
普及、という面ではUSB3.0が圧倒的に有利で、Thunderbolt陣営としてはIEEE1394の再来になるんじゃないかという不安が出てくるように思える。
Thunderboltの最大の利点は、Mini Display
Portと同じ形状のコネクタを利用しているという事と、デイジーチェーンが可能という面。日本人にはあまりなじみがないかもしれないが、デイジーチェー
ンが可能な規格はあまり日本に定着していないように思える。
接続がどちらが簡単か、と聞かれれば個人的にはデイジーチェーンの方が簡単かつわかりやすいと思うのだが、一般的な日本人にはホストに全てのデバイスが集中するスター型の方がわかりやすい、という事だろうか。
あとデイジーチェーンにはデバイスに追加コネクタが必要になるというコスト面のデメリットがあるのも問題なのかもしれない。
ただ、デイジーチェーンはPC本体にコネクタを多数搭載する必要がない、というメリットもある。より小さなPC本体を可能にしつつ、デバイスを数珠つなぎ
で多数使えるというメリットがある。IntelやAppleがThunderboltを提唱した一つの理由がこの辺りにあるのではないかと思えてくる。
どちらにしても、USB3.0が予定通りの規格になればThunderboltはその普及に大きな問題を抱えることになる。
USBという言葉自体が完全に市場定着してしまっている事から考えても、USB3.0はThunderboltを超えていくだろう。
速度だけでなく、安定性も含めた上でより“使える”規格になる事を期待したい。