これを使っても効率よく採掘はできない時代なハズ…。
最大24枚のビデオカードが可能?
マザーボードにあるPCI Express x1を、4基に分岐させ、USB3.0ケーブルで延長するという拡張カード“Crypto Mining Card”が台湾BIOSTARから発表された。
通常の用途ではあまり利用価値が見えてこないカードだが、殊更中国では必要に迫られるケースがあると考えられるカードである。本カードの使い方だが、PCi Express x1に最大4枚のビデオカードを接続し、GPGPUにて演算させる事を主目的とする使い方が主流になると考えられており、その使い方は紛れもなくBitCoinのマイニング(採掘)に利用されるとみられる。
BitCoinのマイニングは、次第に効率が出なくなってきており、今世界でBitCoinを採掘している最大の国は中国と言われている。
山中の工場内にPCをズラリと並べ、大電力を使ってマイニングする様は、もはやデータセンターを越える規模の施設であり、そうした所でないとマイニングできない時代になってきている。
本製品は、そうした大規模マイニングに使われる事を想定しており、電源容量やBIOS、ビデオカード自身の制限から、使用できるマザーボードすらも限定的になると思われ、もし適合できれば、6基のPCI Expressスロットに使用して最大24枚のビデオカードを接続して使用できると考えられる。
中国でそこまでして行っているなら日本でも…と思うかも知れないが、中規模程度にやっていても既に使用する電気代と採掘できるBitCoin額が釣り合わない状況になっていて、利益を出すならデータセンターを運営するぐらいの規模でないと追いつかない状況らしい。
今回の製品で、多少は設備投資は少なくなる可能性はあるかもしれないが、使用する電気料金はそんなに極端に変わらないため、本製品は中国向け、と考えても不思議ではない製品と言える。
仮想通貨
利便性だけで言えば有用性があるのは間違いないが、私はどうもこの仮想通貨というものに懐疑的だったりする。
おそらく、私が日本という安定した国に住んでいる事が、そうした仮想通貨に対しての懐疑的な意識を持つ原因なのだが、そもそも採掘できるという事が、私は問題だと思っている。
取引を演算結果にて有効かどうかを担保する事から、その演算に対する見返り、が採掘で得られるコインという事なのだが、こういう仕組みそのものを疑いもなく受け入れられるほど、私自身がデジタルになりきれていないのかも知れない。
ただ、国が安定していないという地域に住む人からすると、この仮想通貨は非常に有用だという事も理解できる。いつ倒れるか分らない国の政権が保証する紙幣・貨幣よりも、全体のシステムが演算で保証する通貨の方が安定しているワケだから、有用性があると感じるのも理解はできる。
お国柄…と言ってしまえばそれまでだが、BitCoinは何だかんだと仮想通貨の中では安定した通貨になったと言える。
もし、BitCoinが当たり前のように世界的通貨になったとしたら…既存の銀行システムはどうなるのだろう?
すぐにはなくならないとは思うが、カタチが変わっていくように思うのは私だけではあるまい。時代は変化している事を考えると、そういう日も遠くないのかも…。