Intelの最新チップセット、3シリーズ(コードネームbearlake)は、DDR3メモリに対応し、45nmプロセスのCPUに対応するチップセットである。
他にもFSBが1,333MHz対応になったりと変更点も多いが、このチップセットの登場で、今新PCを導入しようという人はかなり揺れている事だろう。
だが慌てることなかれ。
考え方次第で、逆にイロイロな面で買いやすい状況もある。
今回発表されたbearlakeだが、目玉はやはり45nmプロセスのCPUに対応しているという事とDDR3メモリに対応したという事。
特にDDR3メモリは、その製品が店頭にちらほらと現れてきた事もあって注目度も高い。
だが逆に言うと、まだ価格がこなれていないため、DDR2製品にくらべてかなり高価。いまやノーブランドなら4,000円割れを起こしているDDR2メモリと比べると割高なんてものじゃない。
45nmのCPUに対応した…というのもたしかに魅力ではあるが、それが登場するのは2008年の事。
次のIntel CPUはFSBが1,333MHzに対応した65nmプロセスのもので、それなら現在のチップセットでも対応しているものもある。
他の変更点ではサウスブリッジがICH8シリーズからICH9シリーズへと変更した事だか、それは主にSATAの数やUSBの数の変更点ぐらいのもので、TurboMemoryに対応した事がエンドユーザーにメリットをもたらすのは、世の中の主要OSがVistaになった時の事である。
そうなると、価格的に安く済まそうと考えれば、シリアルATAやUSBの数でしかbearlakeの利点が感じられなくなる。
今新しく乗り換える人は、bearlake搭載の新製品を狙うのか、それともちょっと価格割れが起き始めるP965チップセットもしくはP975X搭載の旧製品のどちらかの二択になる。
機能をざっくり見て、今必要なセットを見れば、コスト対効果が見えてくるはずだ。
ちなみに45nmプロセスのCPUが出てくる頃には、おそらくまたチップセットがアップデートされる可能性が高い。
その時は多分OSもVista中心へと動いているハズだから、もっと機能的に変わってきていても不思議じゃない。
それにその時になれば、パーツ単位で交換する事もできるはず。
私のように世代が丸々変わっていれば話は別だが、今のP965チップセットもしくはP975X搭載製品を使っていれば、パーツ単位での交換も容易なハズである。
今回の判断の第一基準はあくまでもコストである。
コスト最優先なら、間違いなく現状のマザーボードを買うべきだ。
Core2 Duoが登場した直後ならいざ知らず、今の段階では大きな技術革新を目の前にしているわけではないので、現状製品でも十分満足できるはず。
そもそもSATAの接続数が4から6になったと言われても、ハードディスクをそれだけ繋いで使う人ならコスト最優先というセレクトはしないだろうし、時期的に新しいものが出たからといってそうそう乗り換える事もないはずだ。
私的にはもっとbearlakeシリーズは汎用的であって欲しかった。
DDR2メモリとDDR3メモリの両対応製品がもっとあれば、考え方も変わったかもしれない。
実際、bearlakeは両対応を謳っているが、実際に発売された製品は両対応になっていないものが多い。
それならば、今無理してDDR3対応に急がなくてもイイという判断になってしまうのは、コスト優先ならば仕方のない話である。
何はともあれ、7月のボーナスで新PCという人は、ちょっとした覚悟が必要だ。
その時にはbearlakeは当たり前のように売られているだろうし、DDR3メモリも今よりは手に入りやすいはず。
その時、メモリの価格差がどうなっているのか?によって、どっちを選ぶのかが決まってくるだろう。
ま、高性能であるほうがありがたいのは当たり前だが、コストとどこまで折り合いをつけられるか。
そこが一つのポイントになるだろう。