先日、IntelからPenrynコアの発表があり、早いものでは近日、遅いものでも今年第1四半期の間に発売になるというが、いくつか気になる事がある。
CPUというのは、システム全体のFSBクロックに依存し、その基本FSBクロックから固定倍率で動作する。
もちろん、FSB自体が最近は倍速動作しているのだが、現在のシステムでは基本FSBのほぼ4倍でシステム全体が動作している。
たとえば基本FSBが200MHzでCPUの固定倍率が10倍だとすれば、CPUは2000MHz、つまり2GHzで、システム全体のFSBは800MHzで動作する。
私のシステムでは、基本FSBは266MHzでE6700の固定倍率10倍という事で、CPUは2.6GHz動作、システムは1066MHzという事になる。
このFSBからの計算方法というのは、現状x86コアの全てが同じであり、クロックアップといえばまずこのFSBクロックを上げる事で行うのが普通である。
例外として、AMDのPhenom Black EditionはCPUの固定倍率が設定されていないため、固定倍率の操作でクロックアップできるが、Intelのコアでそのような固定倍率変動というコアは存在しない。
このようなFSBに依存するクロックでCPUの動作周波数が決まるのだが、最近発売されているCPUのラインナップを見ていると、私的にアレ?と思う周波数で動作しているコアがある。
たとえば、前述のPenrynコアで言えば、Core 2 Quadの最上級Q9550は2.83MHzで動作する。
この2.83MHzというクロックを、あなたは逆算する事で固定倍率を計算する事ができるだろうか?
実は言っていることそのものはそんなに難しい話ではない。
詳しく知ってる人なら簡単な話であり、またあまり詳しくない人であれば固定概念がないため、違和感そのものを感じないかもしれない。
中途半端に知っていたりすると、アレ?という違和感が残ったりする。
というのは、固定倍率は整数倍というのが普通だからだ。
前述の私のシステムのE6700は10倍だが、一つ下の人気コアE6600では倍率は9倍である。
通常、このように整数倍で固定されるのだが、今回のPenrynコアは中に少数を含めた固定倍率が混在している。
前述のQ9550は2.83GHzだが、FSBが1.333MHzであるため、基本FSBはその4分の1である333MHzになる。
2.83GHz(2830MHz)を333MHzで除算すると…8.498、つまり8.5倍が固定倍率になる。
私としては、こんな倍率は今まで見たことがない。
少数倍率のCPUが登場した背景には、複数のコアを一つのダイに乗せたことで発生する熱を考慮しつつ、現存のCPUの速度を少しでも上げたいという事情からだと考えられる。
そのことが悪いとは言わないが、少数倍率の登場によって弊害も出ている。
いろいろ調べたが、このような少数倍率はチップセットによって動作が不安定になるケースがあるらしい。
最新のチップセットであれば、おそらく問題は発生しないと考えられるが(逆に問題があるとマズイ)、私のようにベンダーが一世代前のチップセットでありながら最新CPUに対応させたりするケースで、そのような事例が出ている。
そのような場合は、ベンダーがBIOSをアップデートしていたりするので、私のように一世代前のチップセットで最新CPUを検討しようかなと思っている人は注意した方がいいだろう。