結果的に今日も会社を休んだ。
熱も下がらないし、咳は肺の奥の方まで響き、鼻炎は酷いという、あまり状況として変化がなかったのが理由。
明日はどうなる事やら。
で、今日も布団の中に入りっぱなしだったわけだが、あまりにもやることがなかったため、液晶モニタのハードウェア的な事とかいろいろ調べてまわっていた。
ま、今一番欲しいものが液晶モニタだから調べてるだけなんだが、知らない事がこれでもかと出てきて、価格.comなんかで詳しい人が言っているいろいろな蘊蓄(うんちく)がどういう事を理由に言っているのかなんていうのがよく分かってきた。
それをふまえて考えると、先日私がベストとしたモニタが実は私にとってベストではない事が判明した。
残念ながら、現時点で全機能が最高レベルというモニタは存在しない。
つまり、用途によってベストが違うという事。
その上で、私のベストを考えてみた。
液晶モニタに使用されているパネルにほぼ3種の方式がある事は先日書いたが、画質的には以下のような関係になる。
・画質
IPS > VA > TN
言うまでもなく、IPS系のパネルはバックライトに冷陰極管を使用しているものが最近は多く、Adobe RGBカバー率が90%を超える製品が多い。何より視野角による色変化が少ないのがポイントだ。
VA系でも一部Adobe RGBカバー率の高いパネルが存在するが、今のところサムシングのS-PVA系パネルがほとんどであり、ギラツキ問題が顕著であるため画質的に良くても使用に困るという問題がついてまわる。
動画比較になると以下のような感じ。
ホントはコントラストと応答速度に分けるべきなんだろうが、とりあえず同一で比べるとこんな感じ。
・動画
VA ≠ IPS ≠ TN
どういう事かというと、実は動画を完全に遅延なしで表示する事は液晶モニタでは不可能(に近い)という事。
じゃあ画質が高い分IPS系が一番いいのか?というとそうでもない。
IPSは残念ながら技術的に随分向上してきているとはいうものの、VA系に比べてコントラストが高くならない。
しかも、平均的にIPS系の応答速度が一定とはいったものの、VA系はオーバードライブ機能で応答速度を向上させているだけでなく、一部には動画のフレームに黒い画面を挿入する「黒挿入」機能を使って動画を綺麗に見せる技術が投入されたりと、補正機能で随分と動画に強い状態。
つまり、現時点で動画に特化させるとVA系をセレクトせざるを得ない感じ。
価格面で言えば、言うまでもなく以下の関係。
ついでに視野角も以下。
・価格
TN > VA > IPS
・視野角
IPS > VA > TN
これらを総合的に判断し、自分の用途を重ねてみる。
私は別に今のところデジカメでセミプロのようなフォトレタッチをしているわけではなく、どちらかというとゲームだったりネットまわりの使い方しかしていない。
仮に今後デジカメでの使用があったとしても、Windowsは色管理がOSレベルで出来ていないOSであるため、カラープロファイルを自分でコントロールできない人だと広域色パネルの恩恵は逆効果になる(コントロールできればいいわけだが)。
という事は、現時点では比較的動画に強く、それでいて画質は平均点ぐらいのパネルが最適という事になる。
そうなると…やはりVA系が一番良いという結論に。
まぁ、深く考えなくても同じ結論になっただろうが。
ではVA系であればどれでもいいのか?というとそうでもない。
前述したが、サムシングのS-PVA系はいわゆるレインボーノイズ問題(パネルがギラついて見える)があり、PCモニタとして使用する場合はかなり目に負担がくる。
気にならない…という人もいるかもしれないが、実は知らないウチに目にダメージがきていると考えた方がいい。
私が考えるに、S-PVAパネルは液晶モニタではなく、液晶テレビでこそその真価を発揮するパネルなんだろうと思う。
液晶テレビであれば、ある程度の距離が離れたところで画面を見る。
このある程度離れた距離というのが重要で、距離を離せばレインボーノイズ問題はほぼ問題ない話になるのだ。
PCモニタとして使う以上、画面と目の距離は30cm前後である事がほとんどと言える。その距離だとレインボーノイズ問題は深刻な問題となると考えられる。
じゃあ、何がいいのか?という事になるが、実は目にかなり優しいと言われているVA系パネルが2種類存在する。
一つは国産パネルで最高峰と言われているシャープのASV液晶パネルである。
これはグラフィックデザイナーから“神ディスプレイ”とまで言われたEIZOのL997に使用されているVA系パネルで、なんとPSPの液晶パネルもこのASVパネルだったりする。
(上記の分は初稿時に私のミスで誤記しました。正確にはHITACHI S-IPSパネルになります)
EIZOの一部に使用されていたVAパネル搭載機はこのASV液晶パネルを使用していたが、近年発売された機種は既にS-PVAに切り替わっており、ASV液晶パネルを使用していた旧機種と比較するとその差は歴然。EIZOの体制が変わったのか、何が変わったのかわからないが、ASV液晶パネルに戻して欲しいと思っているのは私だけではあるまい。
もっと身近にASV液晶を使ったデバイスはないかと探したところ、PSPがシャープASV液晶パネルを使用しているという事実にぶつかった(この記事を参照)。
画質がどんなものかを知りたければ、PSPを参照すればいい。如何に優れたパネルかが分かると思う。
高価なパネルであるため、使用している液晶モニタはほとんどないが、AQUOSの一部が液晶モニタとして使用できるため、そういうのをセレクトするのもアリかもしれない。ただし、液晶テレビは元々がテレビ方面に機能を傾けているため、モニタとしての性能は疑問視した方がいい。
で、もう一つのパネルがAUOというところが作っているA-MVAというパネル。
これはAUOが富士通から受け継いだMVA技術を元に作られたパネルだが、VA系としては格段に目に優しいパネルと言える。ドット欠け発生率が少ないという話もあり、コスト的にもASV液晶パネルから比べてリーズナブルだ。
つまり現時点で私に向いている液晶パネルはASV液晶パネル採用モデルか、A-MVA系パネル採用モデルという事になる。
コストを考えれば、そのどちらかは言うまでもない。
このパネルを使用している液晶モニタで、かつ私の要求に応えられる機能を持ったものは…実は悩むまでもなく一機種しかない。
それが三菱の“MITSUBISHI VISEO MDT242WG”である。
一つだけ残念なのは、広域色パネルでない事。Adobe RGBカバー率が90%ぐらいあればほぼ完璧なのだが…。
とまぁ、長々と小難しい事を列記したが、今のところMDT242WGよりも私に最適というモニタはないようだ。
ちょっと気になるのは、台湾AU Optronics社(AUO)のWebサイトから、P-MVA(A-MVAの前身)パネル、A-MVAパネルの製品情報が削除されているという事。
ひょっとしたら、パネル生産を辞めてしまった可能性がある。
A-MVAパネルの液晶モニタの新製品が出てくればその心配もなくなるのだが、今のところそんな新製品の話も聞かず。
どうしてもA-MVAパネルのモニタが欲しいという人は今がラストチャンスかもしれない(そうでないかもしれない)。
で、私はというと…欲しいがどうにもならん orz
というか、A-MVAパネルで広域色モデルが出てきてくれと願うばかりである。
注意:S-PVAパネルをかなり悪く書いてるが、まず実機を見て判断してほしいと思う。人によって感じ方が違うのは間違いないのだから。
これだけ調べてりゃ、治るものも治らない…。そう思うのは私だけだろうか?(爆)
返信
L997は確かIPSだったと思いますよ。
シャープのASVを採用しているのはL887です。
ちなみに今、L887を使用していますけど、目の疲れはあまりありませんね。
返信
L997はHITACHI S-IPSでした。
ご指摘の通りです。
調べてたサイトを私の誤認識でASV液晶パネルとしてしまってました。
修正します。
ご指摘、ありがとうございました。
返信