最近のゲームはどうにもデザインが良くない…と常々思っている私だが、昨年だったかとてつもないゲームに出会った。
PSPをプラットフォームに登場したそのゲームは、見た目はどうみても10年以上も前のような感じの8bit風。
ドット絵と呼ばれるキャラクターがちまちま動くゲームでしかないのだが、その中に光るゲームデザインに私は魅了された。
タイトルも実にふざけたタイトルだった。
そして実はその中身もかなりふざけていた。
それでもゲームデザインがそのふざけっぷりを素晴らしいものに変換していた。まさにゲームデザインの勝利である。
その名は「勇者のくせになまいきだ。」という、一風…いや、相当に変わったタイトルであり、おそらくこのようなゲームはここ10数年登場していないかもしれない。
その「勇者のくせになまいきだ。」が「勇者のくせになまいきだor2」となって再び還ってくる。
マップは前作の4倍にして登場する魔物の数は3.3倍、そして対する勇者も2.5倍増量された。
この「勇者のくせになまいきだor2」はゲームとしては魔物を繁栄させるダンジョンを作成し、攻めてくる勇者から魔王を守りつつ撃退するというシミュレーションゲームだが、立場を逆転させて考えると、実によくできたエコシステムゲームである。
ダンジョンの中で繁栄していく魔物は、実は食物連鎖で増えていく。
つまり、連鎖が悪いと滅亡していくのだ。
そして攻めてくる勇者を仮にウィルスと仮定すると、そのエコシステムはウィルスに対抗するための生物のようなものという見方も出来る。
開発元がジャンルを“ダンジョン・マネージメントゲーム”としている辺りには、この食物連鎖によるエコシステムがその中心にあるためと言えるだろう。
さて…エコシステムを回すゲームだという事は理解してもらえたと思うが、このゲームはエコシステムを回すだけでは面白みを感じる事はできない。
このゲームシステムはシミュレーションゲームとしても及第点以上だが、名作と呼ぶためにはシステムだけで語ることはできない。
なぜこの作品が「勇者のくせになまいきだ。」なのかという事を考えた先に、このゲームの本当の面白みが隠されている…いや、隠していないがw
多分、私が文章で説明するより見てもらった方が早い。
いつもなら「気になったら見てみるといいだろう」と書くところだが、ゲーム好きならぜひ見ろと今回は言っておく。
このゲームデザインのセンスは、これから先のゲーム開発者は見習うべきところが多々あるし、またゲームをする側もゲームデザインというものがどう作用すると面白いゲームになるのか?という事を知る意味でかなり重要なポジションにあると思う。
パロディだから面白いのではない。
パロディと思われなくても面白くするために何をしているのか?
そういうセンスに溢れている。
ぜひ、公式サイトでそれを発見してほしい。
勇者のくせになまいきだor2 公式サイト
http://www.jp.playstation.com/scej/title/or2/ (現在リンク切れ)
マオウさま、夏休みの自由課題にニジリゴケ観察日記は如何でしょうか?
…まさか、アレに続編が出るとは思いませんでしたw
ああ言うセーブ無しのゲームをやると、ファミコン時代を思い出します。あの頃はハードの性能が低かったので、話題になるのはデザインや作曲の良い作品でしたっけ。
この作品はハードに合わせて作られる事の多い最近のゲームへのアンチテーゼを感じます。
…でも、勇者強過ぎやしませんか?w
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どうせなら、
『勇者よ、おまえもか』
とかで、勇者が最後の最後で裏切るようなゲームにすればよいのでは?
いかに勇者に裏切られないようにするかを競うゲームとかどうですかねぇ。
武上さんがつくってくるないかなぁ(笑)
返信
しまった。プレイヤーは破壊神でしたっけ?w
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