12月11日、全世界同時にPlayStation Homeが開始する。
PS3での接続で無料提供されるこのサービスは、ちょっと前に有名になったSecond Lifeのような仮想空間サービス…と考えるとわかりやすい。
だが、私は当初よりSecond Lifeには否定的なところがあり、当然、このPlayStation Homeに関しても完全肯定という感じではない。
別にサービスとして悪いというワケではないのだが、仮想というものを現実に限りなく近づけていく事に対して抵抗があるのである。
Second Lifeはオンラインゲームではない。
あくまでも仮想空間でしかなく、そこで展開されるコンテンツなどでゲーム的な演出をしているにすぎない。
当然、PlayStation Homeでも同じ事が言えるわけだが、この二つの決定的な違いはというと、過去のPLAYSTATION資産を持つSCEが全面的にバックアップしているかどうかという事である。
ある意味、PlayStation HomeはSCEがPS3を媒体に自社の宣伝・広告を展開する窓口的存在でもあり、ここからコミュニティを育てる事も可能なポータルエリアとも言える。
Second Lifeでも同じような展開が行われていたかもしれないが、PLAYSTATIONの資産を持つSCEであれば、そこに資産を載せるだけで一大ポータルにできてしまうパワーを最初から持ち得ている言える。
PlayStation Homeのカギはまさにソコにあるとも言える。
しかしながら、PlayStation HomeがSecond Lifeのようになってしまう可能性が全くないわけではない。
Second Lifeは全世界的に話題になったコミュニティだが、日本では定着しなかった。
おそらく、コミュニティというレベルでは当時はSNSの方が人気があったし、その中でもmixiが全盛期だったという事がその大きな要因だと思う。
しかし、私はそうした要因よりももっと大きな問題はそこに組み込まれたキャラクターに日本人が好みそうなものがなかったからだと思っている。
残念ながら、日本人と欧米人の好みの絵柄は全く違う。
そしてSecond Lifeは実に写実的というかリアルタッチのキャラクターばかりで構成されていた。
PlayStation Homeも、今現在のアバターを見ているとその傾向が見られるため、日本国内で多く育つポータルにはならないような気がしないでもない。
PLAYSTATIONというプラットフォームを丸々飲み込む事ができるPlayStation Homeは、コンテンツ的にはSecond Lifeより充実するかもしれないが、やはりとっかかりのアバターのデザインで、伸び悩む…そんな気がしてならない。
リアルタッチのキャラクターが全く受け入れられないとは言わない。
少なくとも、オンラインゲームの大御所であるUltima Onlineは、キャラクターはリアルタッチであったにもかかわらず、多数のユーザーを得ていた。
しかし、PlayStationというプラットフォームの場合、FinalFantasy XIが有る限り、それは許されない。
今でも美しいそのグラフィックスが、当たり前のように受け入れられているPLAYSTATIONの世界では、そうした妥協が許されない。
だからアバターのタッチは非常に重要だと思っている。
もっと日本人が好みそうなキャラクターを入れないと、日本国内でポータルとなる事はできないように思う。
今は無理でも、何れそうした方向に進んでくれる事を祈りたい。