私が自作PCを始めた頃から比べると、今は自作PCを選ぶ人はかなり減ってきている。
理由は単純で、昔は自作PCが一番安上がりだったが、今ではショップブランドやネットブランドのPCの方が安いからだ。
大量生産をする方が当然安い。だからDellなどは基盤からしてオリジナルで作って安く仕上げている。
だが、この安く仕上げたオリジナル基盤の性能にイマイチ納得できない…という人も実は多い。そうした人の多くは元々自作PCを作っていた人なワケだが、ショップブランドPCはそういう人に対してBTOを用意していたりするため、結局自作PCに戻ってくる人はそう多くないようである。
私は自作PCを始めた頃から、全てCPUはIntel製を選んでいる。もちろんAMD製CPUで組んだこともあるが、メインで使用しているマシンの全てはIntel製であった。
Intel製を選んでいる最大の理由はそのパフォーマンスの良さにあるわけだが、Pentium4の時だけはその性能比が逆転していたにも関わらず3GHzのPentium4(Northwood)を選んだ。
そして今(別に今すぐPCを組むというワケではないが)、新OSとしてWindows 7が登場した今、新しいPCを組むとしたら、果たしてCPUをIntel製とするか? という事をちょっと自分で考えた。
ちなみにコレはCore2 Duo E4300でこのシリーズからCPU側からピンがなくなった。
今までは確かにIntel製だった。でも今は?
確かに今のIntelにはCore i7というハイエンドCPUがある。PhenomII X4と性能比較しても、Core i7のパフォーマンスはその上を行くだろう。
だが、昨今のPCは段々CPU至上主義から変わってきている。トータルバランスで性能が左右されるようになったと言い換えてもいい。その性能の主力は今以てCPUかもしれないが、無視できない存在まで台頭してきたのがGPUだ。
そして今やCPUよりもGPUの方が消費電力は上回り、マルチメディア系の処理はGPUの方が高い性能を示すようになってきている。
おそらく、Windows 7のWindows エクスペリエンス インデックスを見れば、同じハイエンドというクラスならIntelもAMDも何ら変わらない数値を叩き出すと思われる。
それであれば、今あえてIntel製を選ぶ理由はどこにあるというのか?
消費電力がAMDよりもIntelの方が低いから…という理由でIntel製を選ぶ人もいるだろう。
だが、それはTDP(熱設計電力)の値であって、平均的な消費電力ではない。
AMDのPhenomIIシリーズはたしかにTDPはIntel製よりも高い数値となっているが、それはピーク時であり、平均的消費電力は実はIntel製より低いと言われている。
もちろん、Atomくらい機能を絞ったCPUであれば、Intelの方にまだ軍配が上がるかもしれないが、ことハイエンドクラスではそうとは言えない。
逆に私と同じ目で見ている人は、AMDを選ぶ人が多いようで、AMDはさらに価格が安いというメリットもあるため、省電力マシンを組む場合は意外と人気があるようだ。
また個人的な感覚だが、チップセット周りはAMDの方が優秀だと感じている。
特にグラフィック機能を含めた統合チップセットではAMD 785Gが圧倒的な性能を持っている。
最近の話だが、知人のビデオカードが故障した際、知人のチップセットがAMD 790GXであり、ビデオカードが機能しなくなった為急遽チップセット内蔵のビデオ機能で対処したようだ。AMD790GXのビデオ機能はRadeon HD 3000系の機能ではあるが、それでもかなり高いパフォーマンスを持っている。これがAMD 785GならRadeon HD 4000系の性能であるわけだから、相当に重い処理をしなければ十分なパフォーマンスを持っていると言える。
こうしてトータルで見ると、Intel製CPUを選ぶ理由が見えてこなくなる。
未だIntelはいろんな部分でアドバンテージがあるように見えているせいか、価格的にもAMDよりずっと高いところにある。たしかにピンポイントに性能は上を行っているのかもしれないが、トータルでは前述した通りだ。
そしてこれは極めつけになるのだが、現AMDのCPUソケットであるSocket AM3は、6コアCPUでも引き続き使われ、さらに2011年の新コアにも使われるだろうという事。
AM3は結構息の長いSocketになりそうである。
と、ここまで私がAMDがいいかもしれないと言っていても、メーカー製PCはその殆どがIntel製コアを搭載してくる。
ここがメーカーの営業力という事なのかもしれない。
もしPCをリプレースしようと思っていたりする人は、今一度AMDに目を向けてみてはどうだろう? メーカー製を買うのではなく、ショップブランドにしてみるとAMD製を取り扱ったモデルもあるだろう。
後々のカスタムを見据えた上のセレクトを考えれば、AMDパーツという方向性も悪くないと想う。