Windows7が定着化し、DirectX 11対応のビデオカードの需要が去年よりはずっと高まってきた今、GWを迎え、よりアクティブに市場変化が訪れてきている。
もともとDirectX 11対応ビデオカードを最初に名乗り出たのはAMD(旧ATI)のRadeon HD5000シリーズだが、ようやくNVIDIAも対応ビデオカードとしてGeforce 400シリーズを出してきた。
だが、半年以上の差をつけて対応ビデオカードを発売してきたAMDには、すでに11種類くらいのバリエーションを市場投入していて、ハイエンドからローエンドまで、実に様々なモデルを発売している。
対するNVIDIAはというと、残念ながらハイエンドの480系と470系の2種のみ。しかも双方ともハイエンドに属するビデオカードで、価格的には決して安いビデオカードとは言えない。
GWは秋葉原に全国の人が流入する時期でもあり、GWの商品動向が全国の需要と見ることができる。
実際、GWで最も売れたビデオカードは何だったのか?
ちょっと気になるところである。
で、IT Mediaのアキバ調査によると、どうもRadeon HD 5770シリーズが最もGWで売れたビデオカードらしい。価格的に1万円台後半というレンジにありながら、性能もかなり高いという事で人気を博したようだ。
つまり、NVIDIAの最大の敗因は、2万円前後というレンジの商品を展開できていなかった事にあると言える。ローエンドのビデオカードが売れるのは当たり前の話だが、ミドルレンジであっても価格が2万円を下回るレンジに入っていると、昨今のOS事情からミドルレンジが売れるという結果が見えた、という事なのかもしれない。
Vista以降、OSがある一定のビデオ性能を要求してくる事はすでに周知された事であり、DirectX 11対応という部分も含めて、安価なミドルレンジが売れるのだろう。
この画像の製品はNVIDIAのGeforce GTX470を搭載した製品“GF PGTX470-OC/1280D5 FUJIN(風神)”。
ファンが可動式になっているという製品で、Galaxyから発売される。
可動式ファンの意味がイマイチよく分からないが、OCモデルという事もあってそれなりに売れるのではないかと思われる製品である。
だが、これが今回のNVIDIAの敗因を埋めるモデルにはならない。
NVIDIAもそろそろミドルレンジからローレンジへの製品展開を考えている頃とは思うが、もっと急いだ方がいいだろう。
個人的な話で言えば、私が今使っているビデオカードはGeforce GTX260という製品。
当時最高峰の285を使っていないのは、それだけの性能を必要としていない(…すみません、強がりです orz)からだが、もちろんそれ以外にも発熱や消費電力の問題もある。
285は6ピン電源を2本必要という事で、使えないわけではない。
だが、今世代のGTX480は8ピン+6ピンという事で現在の電源では変換コネクタを利用しての搭載となり、また消費電力の兼ね合いから考えても心配が残る。
GTX470にしても、6ピン+6ピンという事で接続には問題がないものの、220w近くの消費電力に耐えられるかという部分で多少心配が残る。
もちろん、GTX470で3万円ちょっとという価格にも問題のあるビデオカードではあるが。
それに比べると、GWで最も売れたというRadeon HD 5770は確かに買いやすい価格帯でありながら、性能もある程度望めるという、実に素晴らしいビデオカードと言える。
性能的には、今私が使用しているGeforce GTX260と似た様なものかもしれないが、消費電力が低いという事と、DirectX 11に対応しているというアドバンテージがある。
もし、NVIDIAから、GTX260に対してGTS250のような位置づけにある、GTS450という製品が投入されていたならば、GWでのビデオカードの売れ筋は若干変化があったかもしれない。
多分、私はRadeon HD 5770カードを購入する人の中には、NVIDIA製品の登場を待っている人もいたのではないかと思えてならない。
NVIDIAのビデオカードを心待ちにしているゲーマーは数多いと私は思う。
そんなワケで、夏の商戦にそうした製品が出てくる事を期待したい。
アンダーグラウンドな部分ではそろそろそうした情報が出ているのではないかと思う(一部3月末ごろに情報が流れた模様)が、一向に商品が出てこない。
夏の商戦を逃すと、Windows7世代のビデオカードの大半をAMDが制する…なんて事にもなりかねない。
ぜひ商品を投入し、競いあって欲しいものである。
DirectX11にはやや出遅れ気味ですが、GeForceに最適化されているゲームも多いし、トラブルも比較的少ないから巻き返して来るでしょうね。
ご時世を考えるとコストパフォーマンスの高い製品が売れるでしょうから、やはり低価格帯のラインナップは必要なんでしょうね。
私はすっかりAMD(ATI)派になりましたが、切磋琢磨する意味でもライバルがどういう戦略で来るのか楽しみです。
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巻き返しに来るのは間違いない話だけど、問題はそのタイミング。
今夏に潤沢に出まわらないと、確実にユーザーを逃すような気がする。
まぁ、そんな事は当のNVIDIAもわかってるとは思うけどね…
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