前にも紹介したデジタルコミック簡易制作ソフト「コミPo!」の情報が出た。
発売日は12月中旬で、パッケージ版はAmazon.co.jpより、ダウンロード版はVectorより発売される。
体験版の存在も明らかになったが、こちらは11月上旬あたりに500名限定で配布されるらしい。
…この500名という少なさも、多分話題作りの為に設定された数値なのではないかと思うが、少なすぎると思うのは多分私だけではあるまい。
気になるその価格だが、パッケージ版が9,700円、ダウンロード版が6,700円に設定されているようだ。
パッケージ版とダウンロード版の中身に違いはないようだが、それにしては価格に違いがありすぎるような…そんな気がしないでもない。
この手のソフトで最も気になる著作権の問題だが、メーカー側はコミPo! で作成したマンガは商用利用も可能としている。また、ユーザーが作成したマンガについて著作権を主張することもない、との事。ただし、コミPo! に組み込まれているキャラクター等の著作権をユーザーが主張することはできない、としている。
実に妥当な線で詰めてきた、といった所だろうか。
なお、標準搭載されるであろう3Dキャラクターの「こみぽちゃん」のデザインはイラストレーターのカントクさんが担当している。2011年1月以降、キャラクター用の服装バリエーション4種類を各970円で販売するという事だが、おそらく追加素材がこのような形で今後も提供されるのではないかと思われる。
この「コミPo!」の面白い展開として、ゲームメーカーならびにそれに準じる所に「モデルデータの販売をしてみないか?」というビジネススタイルがある。
最近の3Dモデルデータを多用するゲームのモデリングデータをコミPo!用にして有料販売可能にする事ができるというのである。
なので、例えばの話、コナミがメタルギアソリッド4などのモデルデータを販売すれば、そのモデルデータを購入する事で公式モデルでのコミPo!用デジタルマンガを簡単に作れてしまうわけである。
同じように、バンダイナムコゲームスがソウルキャリバーのモデルデータを販売すれば、ソウルキャリバーのデジタルマンガが簡単に…。
なんかコレ、ある意味二次創作を加速化させるツールになってしまうような気がしないでもないのだが…。
となると、倫理的にデータを提供(販売)する事を拒むメーカーも出てくるに違いない。
何しろモデリングデータをどのようにも使えるわけだから、あーんな事やこーんな事も可能になる。
3Dモデルデータ販売は画期的なアイディアだと思うし、出来ればものすごく面白い事とは思うが、オリジナルデータメーカーの倫理観とユーザー側の倫理観の相違で、実現しないケースも多々出てくるような気がしてならない。
おそらくこのあたりは大手ほど敏感に反応し、売り込みたい小さなメーカーほど柔軟に対応してくると思われる。
個人的にはものすごく多様性に富んだツールだと思っているし、それが1万円以下で手に入る事にとても意味があると思っている。
あとは使える素材のみ。
それが豊富に揃えば、その可能性はまさに無限ではないだろうか。