ニンテンドー3DSに妙な噂が出ている。
フランスのガジェットサイト01net.によると、任天堂の内部情報提供者からニンテンドー3DSに関係する情報がリークされたらしい。
それによると、ニンテンドー3DSに右アナログスティックが追加された新型が登場するらしい。しかも既存の3DSには右側にくっつけて使用できる専用アナログパッドが発売されるようで、その価格も10ドル程度と非常にリーズナブルなものに。
なぜ今になって右アナログスティックの追加なのかというと、左利きの人を考えての話が以前よりささやかれていたからだ。右アナログスティックの存在の追加によって、右アナログスティック+ペン入力が可能になるため、左利きのユーザーでも違和感なく操作が可能になる。従来、ニンテンドー3SDは左アナログスティック+ペン入力というスタイルで開発が進められ、結局右利き用のテイストしか本体の中に組み込まなかったのである。
この右アナログスティックの存在で右利き/左利きのプレイ体験の差をなくすのが新型の目的のようだ。
そしてさらに、この新型にはもう一つの特徴があり、何と、ニンテンドー3DS最大の魅力である立体視パネルが非搭載となっているらしい。
何故最大の魅力であるはずの立体視を捨てるのか?
これは子どもの目に良くない立体視を避けたという事らしい。ニンテンドーDSシリーズは小さい子ども向けのソフトも多く制作されたが、ニンテンドー3DSは立体視によってそうした子どもへの目を考えると良くないハードというイメージが未だにあるらしい。それを払拭するために新型はあえて立体視パネルを非搭載とするようだ。
さて…この噂が仮に本当だとしたら、私的には任天堂は来るべき所まで来たかな、と思ってしまう。
価格を下げたのはPS Vitaの存在を考えればその流れも読める。
しかし、最大の特徴の立体視を捨てるとなると、何のための3DSなのか? という事になる。立体視がないとなると、高性能になったニンテンドーDSでしかなく、PS Vitaとの差はさらに広がる事は間違いない。
Wiiの登場した直後は、その新しいプレイ体験がPS3やXbox360を上回る結果を出した。そししてそのWiiを支えるソフト群はPS3やXbox360が立ち上がる前にWiiに市場安定をもたらした。
ニンテンドーDSは、そのタッチパネルによる操作方法でPSPとは違う道を切り開いた。そしてその道は今までとは全く違う市場を開拓し、巨大なマーケットの掘り起こしに成功した。
つまり、任天堂はハードウェアのパワーが足りない分を何かしらで補って市場開拓してきたワケだが、今回のニンテンドー3DSはその立ち上がりの悪さと驚異の外敵の存在(PS Vita)によって、補う武器である立体視を捨てようとしている。ソフトの安定供給という部分ですら、PS VitaはARM系である事から開発ツールが揃っていると見て間違いないため、ニンテンドー3DSに有利に働かない。
こんな状況下で武器を捨てようというのである。私からすれば任天堂は迷走しているとしか思えない。
立体視は開発側が考えているより一般には受け入れられなかった、という事かもしれないが、まさかその武器すらも捨て、コストダウンしか道がないと任天堂が踏み切ったとしたならば、これはもう終局ハードかな、と思えてしまう。
他ハードではできない事を持っている事の強みは、私としては残しておくべきと思うのだが…。
ま、あくまでも噂の域を出ない話だが、もし新型が出てくるとしたならば、任天堂は相当迷走していると言える。
この迷走で道が切り開かれれば良いが、正直、私はWii Uを見た時にも今一つピンとこなかった為、迷走している今この状況で、任天堂がベストラインを得ることはできないような気がしている。
枯れた技術の水平思考…ニンテンドーDSが出た時に横井軍平氏の名言が使われたが、今の任天堂からはこの言葉どおりの水平思考が見えてこない。
果たして任天堂はどこに向かって走っていくのか?
個人的にはSCEやMicrosoftの好敵手であり続けて欲しいと思っている。