auとSoftBank Mobile(以下SoftBankと略)から国内でiPhone5が発売される事は既に知れ渡った事実だが、そのau版とSoftBank版にもいろいろな違いがある。
特に今回目玉になるのはauのテザリング可能という部分ではないか、と私は読んでいる。何しろこれが出来るだけでWi-Fiルーターの代わりになるからだ。
だが、そこにSoftBank版とは価格差が生まれる。だから価格最優先ならSoftBank、機能優先ならau、という区分けで考えればいい…と単純に考えたのだが、選択肢はまだ他にある。
私がiPadで採った方法である。
そういうのも含めて、今日はiPhone5の契約をもっと多角的に捉えて考えてみたい。
ちなみに…月額料金という部分においても、もっと掘り下げてみたい。
まず、もっとも多機能に使いたい場合は、国内版iPhone5ではなく、SIMロックフリー版iPhone5を使うのが最良策と思われる。
もちろん、電話として使うには回線事業者との契約が必須であり、その回線事業者を得られれば、という前提にはなるが、全ての機能を解放している個体は間違いなくSIMロックフリー版であると言える。
このSIMロックフリー版iPhone5は、既に日本通信等のSIMを挿して使用する本体を提供したりしているEXPANSYSジャパンが販売する事を表明している。但し、価格は未定だ。
だが、これで安心はできない。何しろ今回のiPhone5は、今までのマイクロSIMではなく、nano-SIMを採用している。使う為には、従来と同じSIMではダメなのである。しかし現時点でこのnano-SIMを提供している回線事業者がないのだ。
その解決策として、EXPANSYSジャパンが当初契約特典としていたのが、nano-SIMカッターと呼ばれる、SIMをカットする道具だった。要するに、既存のSIMをカットして使えばいいという発想である。だが、この時点でauのSIMは使用できない事は解っていた。接点部分のみならず、主要部分をカットしてしまう結果になる事が解っていたからだ。しかし、docomoとSoftBankのSIMはカットしてもまだ主要部分や接点が生き残る可能性があり、実際、カット後にアダプターでスマートフォン端末に入れて動作を確認したところ、動作する事が確認できたようである。
ところが…Appleから「カットしたSIMをiPhone5に入れても認識しない」という表明があり、現時点でEXPANSYSジャパンから発売されるSIMロックフリー版iPhone5を国内の回線事業者で契約して使用するという事ができない事が判明した。
もちろん日本通信側が今後どのような動きを取るかは解らない。docomoを説き伏せてnano-SIMを提供できる体制を作るかもしれない。さらに、iPhone5でさらにdocomo離れが加速する事が予想される事から、docomo自身が、nano-SIM単体販売を敢行するかもしれない。しかし、現時点では手がない事に違いはない。
残念だが、SIMロックフリー版iPhone5を国内で利用するというのは、現時点ではかなり難しいと言わざるを得ないようである。
であるならば、残るのは正式な国内運用となるau版もしくはSoftBank版の契約という事になる。
ただ、これも価格が非常に掴みにくい。
新規契約や機種変更、MNPによる契約と、その契約スタイルでも価格が異なってくるため、回線事業者の公式サイトでは非常に解りづらい説明になっているようだ。
正直、私もよく分からない事が多い。
実際問題、月額いくらになるのよ? 的な事を私が望むスタイル…つまり私はdocomoからMNPで乗り換える事を考えていて、iPhone5は64GBモデルという条件で考えてみたい。
まずauだが、基本的な料金は以下になる。
・基本料金:LTEプラン 980円
・インターネット接続プラン:315円
・パケット通信料定額サービス:LTEフラット 5,460円(2年間)
・テザリング料金:最大2年間無料
・機種代金:3,430円(MNPもしくは新規契約で2年間の月額)
・毎月割月額:-2,570円(2年間の月額)
・誰でも割+男子割:-980円(2年間)
auはこれにauスマートバリューというプログラムがある。これはインターネット回線を同時契約するとLTEフラットの価格5,460円が3,980円、つまり1,480円安くなるというプランなのだが、今回私はこのプランは採用しない事とした。
ここまでの金額を合計すると…6,635円となる。もし、iPhone5の端末を一括で支払ったなら、5,775円という金額になる。
次にSoftBankの基本的な料金。
・基本料金:ホワイトプラン(i) 980円
・S!ベーシックパック(i):315円
・パケット定額 for 4G LTE 定額料:5,460円(2年間)
・機種代金:3,000円(MNPもしくは新規契約で2年間(25回)の月額)
・月月額:-2,140円(2年間(24回)の月額)
・ iPhone かえトクキャンペーン(MNPのサービス):-980円(2年間)
これを合計すると…6,635円。もしiPhone5の端末を一括で支払ったなら、5,775円となる…と、なんとSoftBankはauと全く同じ月額になってしまう。
…昨日調べた価格と微妙に違っている所が自分でも信じられないのだが、公式サイトの料金表から考えると、こういう結果になる。
昨日の段階だと、価格的にSoftBankの方が安く済むと思っていたのだが、同じ価格であるとするならば、auに流れるのが自然な結果ではないだろうか?
考えれば考えるほど、SoftBankである必要性がまるで感じられない。
SoftBankはプラチナバンドを獲得し、通信体制も変わりつつあると言うが、それでもその繋がりやすさは未だ実感できにくい状態にある。まして私の住んでいる地方ではなおさらの事である。
この事実を含めた時、果たして何が最適解なのかは、自ずと答えが見えてくる。
国内回線で行くなら、auに決まりだろう。
ただ、docomoや日本通信の動きをしばらくは様子見する…という選択肢もある。
それによってはSIMロックフリー版iPhone5という選択肢が最適になる可能性もある。
もちろん、これらの結論は9月15日現在のもの。
この先、回線事業者はさらなる手を打ってくる可能性もある。
特にSoftBankは、auと回線契約者の差が出てきた時にキャンペーンを打ち出してくる可能性もある。
今もって、これらの最適解は変動する可能性は十分あると言えるだろう。
さて…問題は…この私の計算が合っているのか? という事である。
料金表が複雑になっていて、しかも割引プランが多数存在する事から、計算そのものが間違っている可能性もある。
なので、ココを参考にして決めてしまわないようにお願いしたい。
最終的には窓口に相談するなりして、決めて欲しい。
私はどうしようか未だ悩んでいる。SoftBankがiPhone4の時と同じ金額ならそれでいいと思っていたが、結果として1,000円近く高くなってしまっているため、どうにも乗り切れない。
この金額を覚悟して国内版のどちらかに突貫するか、それともdocomoと日本通信などMVNO業者の対策を待つか…。
どちらにしても、私の場合はもう少し様子見した方がいいかもしれない。