誤解を招きそうなタイトルで申し訳ない。
簡単に説明すると、iPadをPCのセカンドモニターにしてしまうというアプリの話。
“Air Display”というアプリがiPhone/iPadのコンパチアプリにあるのだが、それのFree版が公開となったため、テストしてみた。
導入は至って簡単。
まずApp Storeから“Air Display Free”というアプリが登録されているので、そこからダウンロードする。
次に“avatron.com/d”とブラウザのURL欄に入力すると、このアプリの公式サイトに繋がり、そこからPC用のクライアントソフトをダウンロードする。
そのクライアントソフト“Air Display Connect”をインストールすると、2つくらいのディスプレイドライバを登録する事になるが、そのままインストールを完了させると、PCの再起動を促してくるのでそこで再起動する。
再起動後、アプリは自動で起動しているため、画面右下の常駐アプリの欄から“Air Display”を選択しクリックすると、メニューが出てくる。そのメニューの中に“Other…”という項目があり、選択するとIPアドレスを聞いてくる。このIPアドレスはWi-Fiに繋がっているiPad(iPhone)のIPアドレスを入力すると…
こんな感じでマルチモニタ化できてしまう。
ちなみに写真ではiPadを縦で使用しているが、横で使用する事もできる。
Wi-Fi経由の為、若干のタイムラグはあるが、ちょっとした情報をiPad側に表示させたりなど、意外と使い勝手は良い。
ただ、この“Air Display”にもいくつか問題はある。
それはWindows7のAero表示ができないという事と、DirectXの機能は持ち合わせていないという事。だからそれらの機能はiPad/iPhoneをモニタ化した際にはシステムでOFFとなり、接続を解除するとシステムは元に戻る。
ただ、ちょっとした情報を配置するモニタとしては利用価値は高く、Aero機能やDirectXが不要な時などにちょっと使う分には申し分がない。
Free版と有料版の違いは広告が出るかどうかという事。有料版は広告が出ないがFree版も広告が表示されても「×」ボタンで消す事ができる。
それが面倒なら有償版が良いだろうが、手間でないならFree版でもいいかもしれない。
そこら辺は実際に使ってみてから判断しても良いだろう。
ただ、App Storeの評価の欄を見ると、意外と酷評している人が多いという事。
接続できないとか、そういう理由でそうした評価をしている人がいるのだが、おそらくそれはiPadのWi-Fi設定において、DHCPによる自動IPアドレス割り当てを利用している為ではないかと予測する。
自動IPアドレスの割り当てだと、可能性として毎回IPアドレスが異なる場合があり、PCにインストールしたクライアントソフトで設定しているIPアドレスと異なってしまう為に接続できなくなる(ハズ)。
私はiPhoneもiPadも静的IPアドレスを固定で割り当ててあるため、今の所接続できないという問題にぶつかったことがない。
Wi-Fiの利用が一般に広がった際、いろいろな設定を自動設定できるようにメーカーも知恵を絞ったワケだが、根底の知識がないと、こうしたアプリを利用する際に困る事になる。
私がネットワークを組み始めた頃は、オンラインゲームをするためにポートマッピングとかいろいろな事をしないとプレイできなかった時代だった。
UPnPが規定されてからは随分と楽になったが、それでもDHCPサーバによる自動IP割り振りによる弊害だけはクリアするのは難しい。特にIPアドレスでデバイスを探しに行くアプリケーションではこうした問題は常に起きるものである。
ま、トラブルなく使いたい人は、DHCPサーバが何するものか? とか、静的IPとは何ぞや? ぐらいの事は覚えても損はないと思う。
そんなに難しい話ではないので挑戦してみて欲しい。
さて…私は有償版をどうしようかね…。