MacBook ProにRetinaディスプレイモデルが登場してしばらく経つが、残念な事にそれ以外でPC用のRetina解像度を持つようなディスプレイが登場しない。
仮に2,560×1,600(もしくは1,400)ドット対応のディスプレイがあったとしても、それらは27インチ以上の大型モニターばかりである。
一方、タブレット端末関係はiPadをはじめRetina品質のディスプレイを搭載したモデルが当たり前のように出てきていて、5インチでフルHDの解像度を持つスマートフォンなんていうのも、そんなに珍しくなくなりつつある。
どうして21~24インチあたりのPC用モニターでRetina品質のディスプレイが出てこないのだろうか?
需要かない…わけではないだろうが、販売絶対数が見込めないから開発しないのだろうか?
話はちょっと変わるが、WindowsはWindows8でタッチパネルへとより進んだわけだが、マルチタッチ対応ディスプレイもまだまだ品不足である。PC用ディスプレイはタブレット端末やスマートフォンから比べると売上が望めないのかもしれないが、明らかに下地が整っている環境にありながら実現できるデバイスが少なすぎる状況にあるように思えてならない。
私は今年はそうした流れに一石投じるメーカーが出てくるのではないか? と思っているのだが、残念ながら今の所そうした動きを耳にする事がない。
シャープのIGZO液晶がもっと普及した辺りに、そうした高解像度&マルチタッチなモニターが出てくる、という事なのだろうか?
で、高解像度という所の話ではないのだが、ようやくモニター界の雄であるEIZOから、マルチタッチ液晶“FlexScan T2381W”が登場する。
直販価格は94,800円で本体色はブラックとセレーングレイの2色が用意される“FlexScan T2381W”は、非光沢のIPS液晶パネルを採用した23インチモニター。
解像度は1,920×1,080ドットと従来品と変わらないが、5点マルチタッチに対応する。但しマルチタッチ対応はWindows7/8のみ。
タッチパネルで気になるパネルの表面硬度だが、硬度5Hのガラスを使用することで傷を付きにくくしているようだ。ま、気になる人はさらに保護シートを貼り付ける方がよいだろう。
個人的に、EIZOにしてはちょっとおとなしいスペックだな…と感じた。
隣の国のメーカー品などは、10点マルチタッチを採用している。まぁ、マルチタッチの感知ポイントが多ければ良い、というワケではないのだが、数字として見たときのインパクトは小さいと言える。
また、これはパネル提供メーカーの制約かもしれないが、WUXGAでないのも残念である。フルHDが浸透して縦幅1,080ドットというのが定着しているとは言え、PCでは縦幅解像度が結構重要だったりする。たとえ120ドットとは言え、1,200ドットと1,080ドットとでは表示できる広さの意味は大きく違う。
これがもし、23インチでありながら5点マルチタッチで、解像度が2,560×1,400ドットだったとしたら、この製品の意味はとても大きいように思える。
まぁ…実際には23インチでは映し出される内容が細かすぎて不便かもしれないが、それをOSが今では調整できる時代でもあるわけだから、解像度は高いに超したことはない。
ましてデスクトップをより広く使える可能性があるのなら、そうした需要を満たすだけの環境が今は整いつつある。従来製品との差別化を図るなら、今はマルチタッチ対応と高解像度化、この二極が必要になる事は間違いない。
とりあえず今は各メーカーが準備段階にあるのかもしれない。
もうしばらくすれば、さらなる高解像度とタッチパネルが備わったモデルが出てくるだろうと思う。
今回の製品は、そうした製品が出てくるまでにタッチパネルが必要だ、という人にお勧めと言える。Windows8以降をより活用したいならそういう方向性もアリだろう。