最近CMでSoftBankがやたらと「繋がりやすくなった」という事をアピールしている。
プラチナバンドという言葉を普及させたのもSoftBankだが、その流れがようやく全国に波及し始めたのかもしれないし、或いはLTEが全国区で展開している事を言っているのかもしれないが、この「繋がりやすくなった」という事をアピールするタイミングが今の時点である事の方に、私としては違和感が多少あったりする。
ま、私に違和感があろうがなかろうが、調査会社の結果としてSoftBankはそのデータを利用してCMにしているだけであり、それが営業方法というだけの事。それを信じるかどうかは、受け取る側の問題であり、またこれによってSoftBankに加入するのかどうかも、結局は消費者側の判断という事になる。
ただ、私の周辺で変化があったのは事実だ。
5月の中頃に入った頃だろうか?
私が使用しているiPhone5のバッテリーの減り方が突然緩やかになった。
それまでは、一日が終わる頃に残量70%を下回るなどと言う事は当たり前の事であり、時には残量40%を下回る事すらあった。
それが、突然残量80%台の日が続き、どんなに減っても60%台という状況になった。
しかもある時など充電し忘れたにもかかわらず、2日もバッテリーが保ったのである。こんな事、今まであるワケのない事である。
これは明らかに変だ、とすぐに分かる状況なだけに、何故だろう? とその原因を探ってみたところ、何と、今まで会社では3G電波が届かず通話すら不能だったのに、気がつけばアンテナピクトが5本も立っていた。時折4本になる事はあっても、それが途切れるなんて事は一切なく、普通に通話できる状況だった。
考えうるに、ようやく私の会社周辺にプラチナバンドが対応し、通話エリアになったという事だろうと思う。
念の為にSoftBankが公開しているプラチナバンドのマップをHPで確認してみると、確かに対応エリアに入ったことになっていた。
つまり、バッテリーの保ちが良くなったのは、今まで通話できなかった事から、iPhone5が電波を拾う為にスキャンし続けていたその行動がなくなったという事である。電波を簡単に拾えるから、iPhone5がスキャン行動を止めたのである。
また、今度は自宅周辺でも変化が見つかった。
最近、近隣の市街でLTEの電波を拾う事が確認できたため、私のiPhone5もモバイルデータのLTE受信機能をONにしていたのだが、このバッテリーの保ちがLTE機能ONでも良好になっていた。
LTEの電波も受信できなければスキャン行動の為にバッテリー電力を消費する為、ひょっとしたら…と確認したところ、自宅周辺でLTEが使用可能になっていた。
実はこの発見は遅れて当然なのだ。何しろ、自宅では無線LANでの使用を可能にしているため、LTEの受信状況をディスプレイでは確認できないのである。だから無線LANをOFFにしてみたところ、室内の一部はダメだったもののLTEの電波を受け取っている事を確認した。
つまり、私の住んでいるエリアで、SoftBank回線による通信・通話がほぼ問題なくできるようになっていた、というワケだ。
SoftBankが「繋がりやすくなった」と言い切るには、もちろん私の環境以外の所の話も盛り込まねばならないのだが、少なくとも私の周辺ではかなり繋がる状況になったと言える。
だが、それと同時に本来繋がるハズの街の中心部で繋がりが悪いという状況も散見しはじめている。これはおそらく主として回線事業者3社の電波干渉か何か
が原因かもしれないし、それ以外の妨害電波の影響かもしれない。どちらにしても、障害が多い地域というのは、ほとんどが人口密集地域で発生する問題である
ため、その辺りをどう対処するかが回線事業者の腕の見せ所のように思える。
SoftBankの繋がりやすさNo.1をいぶかしげに思う人も多いだろうし、調査会社の結果に異議を唱える人もいるだろう。
だが、その批判者の大多数は自分の環境を中心に考えているケースが多いと私はみている。だから自分の環境で繋がらなければ、今謳われている「繋がりやすさ」はウソになるし、繋がる人からすると事実なんだろう、という事になる。
もちろん、ちゃんとした数字を根拠にデータを冷静に判断している人もいると思うが、そもそも目に見えない電波の話であり、また妨害電波などで結果も日々変わるだろうし、そうした不確定・不安定な状況を長期的視野で語る事は難しいと私は思う。
それに、docomoのXiは繋がりやすさとしてはおそらく日本で一番繋がるハズのLTEだが、実際通信速度はどうかというと、使用している人の数が多い事もあって速度は早くないし、繋がりも悪く感じる時もある。SoftBankは加入者が少ないから繋がれば速い、という人もいるし、その言葉の大部分は人の感覚的な印象でしかない事に気づく。
で、ほとんどの人は、そうした人の感覚的な印象を信じて、自分の環境とその言葉があわなければ「ウソだ」と言う。つまり、そのウソという言葉は“自分の環境では”という言葉を本来付けなければならないのに、それが付けられずに、一部情報だけ流れるのである。
判断基準は結局の所自分の中にしかないという事を、大部分が見落としている。私はそう考える。
では何を信じれば良いのか?
一番の方法は、自分の周辺でそのキャリアを使っている人に話を聞いて、実際の繋がりやすさを知ることである。
人柱になるのがイヤなら、その方法しかない。
私はSoftBankが私の周辺で繋がりにくいという事を知っていてSoftBankで契約した。
プラチナバンドへの期待という事もあったし、価格の面でSoftBankを選んだ。
だから最初は繋がらない事の影響をマトモに受けたし、その影響で会社にいるときは電話を受けられない事を前提とした生活をしていた。
それでも自分が選んだ理由がプラチナバンドへの期待と価格にあったのだから、私は後悔していない。
結果として、最近繋がりやすくなったという恩恵を受けるに際して、自分の感覚で「ああ、繋がりやすくなってバッテリーの保ちがよくなったな」と実感するだけの事である。
ちなみに私の周辺で最近、SoftBankに乗り換えようかな、という人が出てきた。私の繋がりやすさを知ったからであり、価格を調べた時の安さをSoftBankに見出したためらしい。
その人は今docomoで契約しているが、docomoのi-modeサービスの名残であるSPメールの煩わしさなどで、使いにくい状況があり、価格も決して安くないからだ。
そうした環境にいて、実際に使っている私に話を聞いて、自分で判断する。これは実に正しい判断の仕方だと思う。
ケータイのように、使用者の住んでいる地域や環境によってサービスの受け取り具合が変わるものは、テレビCMやネットでの情報だけを信じていてはいけないのである。
ま、そんな事、今更私が言うまでもない話なのだろうが…。
結局、CMというのはセールストークでしかない。
もちろん大きなウソでは問題だが、小さなポイントを誇大しているという事をもっと知るべきだ。そこに犯罪性がない限り、それを信じるかどうかは個人の問題である。
とりあえず私は今、SoftBank加入で満足している。
自分の環境が使いやすい環境になったのだから、不満などありようがない。今まで不満だった部分も自己責任で理解した上で受け入れていたのだから、今の環境はまさに私の予測通りの結果であり、納得のできる結果だ。
少なくともケータイはそうした割り切りの中でキャリアを決めた方がいい。リスク回避したいなら、周辺に聞く。これが一番である。