私はDr.DAC2を使用している。購入したのは…今からもう5年くらいも前だろうか。
使っていて困った事も特にないし、使用する事でPCの音がとてつもなく広がる事を知ることができたという、自分にとっては名機アンプであった。そのDr.DAC2がDr.DAC3へと進化する。
個人的には名機なDr.DAC2
Dr.DAC2の良い所は、価格的に安くはないが高すぎることもないという事と、その金額でありながらオペアンプが自分で交換できた、という所に尽きると思っている。
実際、もっとよいアンプは他にもあると思うが、何よりも手軽かつ高機能という方向をコンパクトに収めようとすると、当時の私の選択肢ではDr.DAC2が最適解だった。
そのDr.DAC2から次の新製品が何時出るのだろうか? とずっと思っていたのだが、出てきたのはDX版で、単に光オプティカル出力を追加しただけのものだった。他には、TE版と称して内蔵するコンデンサ等を高級品にしたモデルなどマイナーチェンジ的なものばかりで、基本設計が変更となる新型はなかなか姿を現さなかった。
逆を言えば、それだけ元々のDr.DAC2が良く出来ていた、という事かもしれないが、流石にデジタル入力を備えているが故に設計も古くなったと言える。
ここに来てDr.DAC3の登場というのは、来るべくして来たという新製品かもしれない。
不満点が解決しているDr.DAC3
Dr.DAC2の最大の不満点は、USB入力の音質が今一つという事だった。だから私はPCの内蔵オーディオを光オプティカル出力し、それをDr.DAC2に入力するという繋ぎ方で使っている。
この音質が良くないというのが、DACであるTI製“PCM1798”を搭載しているからなのかは解らないが、今回のDr.DAC3は同じTI製DACでも“PCM1794”を搭載してきた。これによってダイナミックレンジは123dBから129dBへと向上している。実際に聴いていないので何とも言えないが、問題が解決されている事を祈る限りである。
また、もう一つ私が不満に思っていたのが、光デジタル入力の切り替えがDr.DAC2ではUSBとそれ以外の切り替えのみだったという事。
デジタルとアナログの切り分けは別の回路で出来ていた為気にする事はないが、USB以外のデジタル入力として同軸デジタルと光デジタルの2系統を持っていながら、それらを切り替える事ができず、先に信号を入力した側がデバイスを占有するという仕様だった。
それが今回のDr.DAC3では、前面パネルのデジタル切り替えスイッチが2段階でなく3段階となり、光デジタル、同軸デジタル、USBとそれぞれを選べるようになった。これは多数の機器をアンプ経由させる上でとても重要だ。
この2つの問題が解決していれば、それだけでもDr.DAC3の意味は大きいと思うが、部品一つ一つの事を考えると、実はもう一つ心配な事がある。
それはあらゆる所に韓国サムヨン製電解コンデンサーを使用しているという事。
正直、アテにならないというのがホンネ。
ただ、Dr.DAC2にも使われていたから、全てのサムヨン製電解コンデンサーが悪いというわけではない。そこが悩みどころである。
もう少し品質が安定していれば、気にする必要も無いのだが、これがもし日本製コンデンサーだったなら、心配する事などないのだが。
あとは価格の問題か
Dr.DAC2は3万円台だった。
私が購入した時は、定価は3万円台後半だったが実売として3万円台前半だったと思う。熟れれば価格が安いというのは全ての製品に言えることではあるが、大体3万円台というのは、PCに接続するハイエントリークラスのアンプとしては妥当なラインと言える。
だが、今回発売されるDr.DAC3は、定価47,800円と、明らかに高いといイメージしか出てこない価格になってしまった。
いくらコンデンサの部品をよくしたとしても、ここまでの価格になると、なかなか手が出なくなるという人も多いように思う。
また、このDr.DACシリーズは、純粋なオーディオアンプとジャンルが違うと私は見ていて、PCとの親和性を持たせたアンプと考えると、そもそもの価格設定に何かしらの問題があるようにも思えてくる。
ただ、PCオーディオという分野自体、全体的に高級化している流れがあるのは事実で、Olasonicのnano compoシリーズなどは7万円コース(実売価格は5万円台になってきているが…)である事を考えると、この価格はある意味妥当なのかな、とも思えるが、そもそもOlasonic製品は日本製を売りにした構成の品質重視モデルだから、同価格帯にある事を考えると、ちょっと割高感は否めない。
もう少し価格が熟れてくれば、私としてはぜひ狙いたい製品ではあるが、今すぐに他の人にお勧めできるかというと、ちょっと悩んでしまう…Dr.DAC3はそういう製品ではないかと思う。
私はPC用のDAC&ヘッドホンアンプをUSB接続してオーディオケーブルでモニターに出力してます。
DAC部のオペアンプを紹介してもらったMUSE01に交換して、音的には満足してるんですが、入力がアナログとUSBでオプティカルがないんで、悶々としてました。
結局、フォステックスの光入力のあるヘッドホンアンプ(&32bitDAC)を専用に繋げるという贅沢な使い方してますだ。
…合わせた金額でDr.DAC2買えちゃう訳ですがw
そして、今回は後継機ですか。
個人的には気になる一品ですが、息子4って企業が気になるわぁw
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今回のDr.DAC3は、交換できるオペアンプが5つから4つに減少しています。
おそらくはヘッドフォンとRCAへの出力が分けられていたモノを統合しているものと思います。
どっちにしても排他利用なので、それで問題はないと思いますが、まだ仕様が今一つハッキリしないのが残念な所です。
機能としては申し分なし。
但し、サムヨン製コンデンサのハズレを引くと残念な話になるので、そのあたりはある意味博打かと(-_-;)
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