方式が異なるがどちらも耳を塞がない。
Sonyからは音響技術活用型
ソニービデオ&サウンドプロダクツ(ソニーV&S)と、ベンチャーキャピタルのWiLが共同出資するambie(アンビー)から、耳を塞がずに周囲の音や声を聞きながら、しかも音楽も聴けるというオーディオデバイス“ambie sound earcuffs(アンビー サウンド イヤカフ)”を2月9日より発売すると発表した。価格は5,500円。これは、外耳を挟み込むようにセットするイヤフォン型デバイス(イヤカフと呼称している)で、デバイスの内側にあるドライバーが耳孔に向けて音を発生し、環境音と同時に音を聞く事ができるというシロモノになる。耳に挟み込むタイプであるため、耳孔も蒸れにくく、また疲れにくいのが特徴。
なお、外に音が漏れるのを防ぐために独自の音響技術が使われていると考えられる。
コノ手の製品は、昔から全く無かったわけではないが、こういう方式で実現してきた製品は多分初めてだと思う。
個人的には内外の音が同時に聞ける為、電車移動等をする人などには最適な製品なのではないかと思う。
骨伝導方式
従来、このように内外の音を聞く事ができるデバイスとして筆頭に上がってくるのは、骨伝導方式だった。
骨伝導とは、耳の鼓膜ではなく、耳の上近くにある骨や顎の上の方の骨に対して振動を与え聴覚器に音を伝える方式で、どちらかというと振動が音になるというもっともダイレクトな方法と言える。
以前は正常な音を聞くためにはちょっとしたコツが必要だったが、最近は随分と進化し、そうしたコツは不要になったかもしれないが、どちらにしても鼓膜ではないところで音を聞く事になるため、違和感はあるかもしれない。
この骨伝導方式、以前は非常にコストが高いイメージがあったが、この度、上海問屋から3,999円で発売された。
ネックバンド型であるため、頭の後ろ側をぐるっとバンドが行き渡り、左右のユニットでこめかみ横あたりを挟み込む事になる。なお、今回発表された“DN-914699”は有線式の製品だが、同じ上海問屋から“DN-914573”というBluetooth接続の無線式も存在する。こちらもネックバンド型である。
最近のヘッドフォンを考える
ハイレゾ音源が普及してきた今、選択するヘッドフォンにもそれなりの変化が出てきて当然と思うが、最近はそのハイレゾ音源への対応と同時に無線化が進んできている。
そこにきて今回、所謂密閉式などのヘッドフォンから、内外の音を同時に聞くことのできる多目的なヘッドフォンが登場し、いよいよ選択肢が広がってきたと言える。
個人的にはこの外部の音を聞く事ができるヘッドフォンの有用性は高いと思っていて、当初はこの為にオープンエアーのヘッドフォンを検討するかと思った事があるほどである。
だが、オープンエアー方式は、結局音漏れの事を気にする必要があり、音漏れせずに内外の音を聞く事ができるというデバイスの登場はある種革命的とも言える。
骨伝導方式は振動するだけのデバイスであるため、外に音漏れが起きる事はまずないが、音響技術型は響かせて当人にしか聞こえないようにしているため、結局は音漏れの可能性はゼロではないと言える。それでも気にならないレベルの音量にする事ができるのなら、新しい方式として受け入れられるような気がする。
また、最近あまりコノ手の記事を書かなかったが、最近の無線技術の発達で、所謂Bluetoothによる接続で利用するヘッドフォンの音質は驚く程向上している。既にハイレゾにも対応できるレベルになっていて、非常にクリアな良い音で聞くことができるようになった。
そういう意味では、手持ちのヘッドフォンを無線化するというのも一つの方法であり、スマホだけでなくPC音源も無線化の道を進めるというのも有りだと思う。
ただ、オーディオデバイスの方が無線に対応していないケースも多く、例えば生放送で利用できるミキサー等は未だにアナログ式の接続に依存している事が多く、そうした場合は無線化の道は閉ざされる事になる。
ま、どっちにしてもここ数年で状況は一変してしまったので、環境を見直すにはちょぅどよい時期なのかもしれない。
それでも…最終的には従来製品と同じような製品を選んでしまう可能性もあるわけだが。