データアクセスの話。初期型は内蔵よりも外付けで加速というワナ。
SSDで高速化
PS4で遊ぶ際、その内蔵するHDDの容量不足を解決する為に、HDDを換装するという事はよくある話だが、私も実は初期型PS4を導入した際、2TBのHDDに換装している。
実際には容量は有り余っているのだが、私の使い方としてPS4は全てストレージにゲームデータをインストールして起動するというプロセスを踏む以上、搭載するストレージ容量は多い事に超したことはないのである。
一部の人は内蔵HDDをSSD化して高速化させるという事をやっていたが、ベンチマークを取ってみると思っていた程高速化していないケースが散見される。理由は単純で、初期型PS4はストレージ規格としてSATA 3Gbpsまでの対応であるため、6Gbpsの転送速度を持つSSDの性能を完全に引き出しきれない状況にあるからだ。
それでも多少は高速化するので、初期型であろうとSSDにするメリットは全くないとはいわないが、効果半減である事は間違いない。
ところが、システムソフトウェア4.5から、USBに接続したストレージを拡張ストレージとして利用する事ができるようになり、それによって容量問題を解決できるようになったが、実はこの恩恵はそれだけではないのである。
実はPS4が搭載するUSB端子は、初期型でUSB3.0、薄型PS4とPS4 ProでUSB3.1 Gen1が搭載されているため、転送速度が5Gbpsと実は内蔵ストレージの転送速度より速いアクセスが可能だったりする。
よって、PS4 Proで無い限りは、内蔵ストレージよりも外付けストレージの方がアクセス速度が早いという事である。
なので、もしSSDによるアクセス速度増加をPS4で狙うなら、外付けストレージをSSDとして構成する方がゲーム起動時間等が短縮できるという事になる。
このあたりの実際のベンチマークは下記記事で確認してもらえば分かる。
AKIBA PC Hot Line
https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/1110086.html
この記事内には、PS4 Proでの検証記事へのリンクもあるので、そちらも確認してみるといいだろう。
大容量と高速化を狙うには
ココからは私の個人的見解で話をする。
前述したような内蔵ストレージと外付けストレージの速度差による事実がある事を考えると、PS4を運用する場合は内蔵ストレージは2TBのHDDもしくはSSHDを搭載し、外付けストレージとして160GB以上のSSDを用意するのが最も良い判断となる。
内蔵ストレージに大容量のSSDもしくはSSHDをセレクトしている理由は、こちらにデータストックする為である。
拡張ストレージとなる外付けストレージには、内蔵ストレージからデータを移動する事ができるので、プレイしたいゲームを内蔵ストレージから移動させ外付けのSSDに保存してプレイする。もし外付けのSSDが一杯になったら、プレイ頻度の低いゲームを内蔵ストレージへ再び移動させ、別のゲームのための容量を空ける。
基本的な運用方法はこんな感じである。こうする事で、大量のゲームを快適に遊ぶことができる。
ゲームデータの移動が面倒…と思うかもしれないが、ゲームデータが膨大になれば、どこかに保存できる部分を持っておかねばならないため、この運用方法がもっともプレイ体験を快適にでき、なおかつ大量のデータを保存できるスタイルになるのである。
ただし…
この方法はあくまでも起動させるゲームへの影響に与える問題しか解決しない。
PS4本体の起動速度には寄与しない為、もしそちらを高速化したいというのなら、内蔵ストレージもSSDもしくはSSHD化するしかない。
SSHDはハイブリッドHDDの事で、SSDのキャッシュを内蔵したHDDだが、これで通常のHDDよりも高速アクセスできる事は確認できている。但し、実際の速度はキャッシュ容量が少ないためにSSDよりは遅い。なのでPS4の起動の最速化を狙いたいならSSDを選択するしかない。
但し、SSHDはHDDよりは2回目以降の起動はキャッシュの効果で高速化する。現在は9.5mm厚の2.5インチHDDの最大容量が2TBで、同じく9.5mm厚の2.5インチSSHDの最大容量も2TBなので、予算にちょっと余裕があるようならSSHDを選んだ方が速度的メリットはある。
また、内蔵ストレージももっと高速化したいというのなら、もうPS4 Proを選ぶしかない。PS4 Proは内蔵ストレージ規格がSATA 6Gbpsタイプなので、外付けストレージの速度よりも高速アクセスが可能である。
なのでPS4 Proで高速化&大容量化を狙いたいなら、内蔵ストレージに160GB以上のSSDを選択し、外付けストレージに大容量のHDDを選べばよいだろう。こちらの場合は、2.5インチに拘る必要が無いので、PS4の外付けストレージの仕様限界値である3.5インチ8TBのHDDでも問題にはならない。
ちなみに…HDDは大容量のものほどアクセス速度が速いと言われている。理由は単純で大容量HDDの方がデータ密度が高い為、単位時間の読み出しデータ量が単純に多いからである。
とはいうものの…
これで大凡現状のPS4のデータアクセス速度を向上させる事ができる事は間違いない。
PS4の速度やスペックに問題を感じるなら、PS4 Proにする事で、全体の処理速度の向上はもちろん、ストレージアクセスの速度も向上するので、方法としてはアリだと思う。
だが、一説の噂によれば、2018年つまり今年にはPS5(仮)が登場するのではないか? なんて話もある。
Xbox One Xが発売され、完全な4K&HDRによる映像が可能な機種がライバルにある今、PS4 Proでは太刀打ちできないのは間違いない話で、日本国内では圧倒的有利な立場を持つものの、全世界的にはXbox One Xが優勢に立ち回れるのではないかと言われている事を考えれば、いつまでもPS4 Proという訳にいかない背景がSonyにはある。
現に、デベロッパーにはPS5のものと思われる開発キットが出回っているという噂もある。真偽の程はわからないが、少なくとも2019年くらいには登場しても不思議ではない環境にある。
また、この話はCPU供給元のAMDの実情も加味するともっとわかりやすい。
AMDでは2019年にはZen2アーキテクチャを搭載したCPUを出荷できる体制を整えつつある。その際には、製造プロセスは7nmになり、内蔵GPUもひょっとしたらNavi(現在のVegaの後継)アーキテクチャを搭載したコアが登場する可能性が見えている。
PS5をSonyが発売するとなれば、おそらくXbox One Xに差を付けなければ意味がないので、コアの刷新を狙ってくる事は容易に想像が付く。
となれば、あと1年も待てば、PS5の様子が見えてくるわけで、このタイミングでPS4 Proを視野に入れるというのは、ちっょともったいない話にも思える。
ま、この話も私のメインPCの入れ替えの時と同じで、時間が経てば経つほど高性能なものが視野に入ってくるのは当たり前であり、開発側としては時期を見極めるのは難しいと言えば難しいのだが、私のメインPCと違うのは、企業が発売する製品なので商機というものがあり、その商機に合わせて投入する事になる。
SonyがPS5の商機をいつとして捉えるか、それはSonyにしかわからない事でもあるので、今の段階ではそれを明確に把握できる一般人はいないだろう。
対Xbox One Xを視野に入れつつ、AMDのコアの開発進捗を眺めながら、決まっていくだろうと思う。