クラウドファンディングで実現。
HiGame
国内のクラウドファンディング「Makuake」で、小型PCの企画「HiGame」が既に目標金額達成して公開されている。
まだ残日数があるので、今からでも欲しい人は申し込む事ができるのだが、僅か2リットルサイズの重さ1,300gで、ハイエンドな性能を実現したPCである。
スペックとして、Intelの第8世代Core i7もしくはi5を搭載しているというのは、最近ではよく聞く話ではあるが、コイツにはAMDのRadeon RX Vega Mグラフィックスが搭載されている。これによって、ビデオ性能が従来の小型PCとは段違いに高性能である事は言う迄も無い。
この話を聞いて「あれ?」と思う人は勘がいい。
この「HiGame」には、以前Intelから発表された、Radeonと組み合わせたCPUユニット「Kaby Lake-G」が使われているのだ。
PC上ではディスクリートGPUとしてRadeon Vega Mが搭載されているように振る舞うようになっている為、通常のRadeonを外付けで使っているような感じで使える。
搭載しているビデオメモリもHBM2を4GBと、通常使う分としては申し分ない広帯域メモリを搭載しているので、所謂Intel内蔵GPUとは次元が違う性能を見せてくれる。
モニタインターフェースとしても、HDMI2.0を2口、DisplayPort1.3を2口、Thunderbolt3を3口搭載しているので、単体で5つのモニタに接続可能とマルチディスプレイでの運用も申し分ない。
他にもUSB3.0を5口、ギガビットLANを1口とデュアルバンドWi-FiとBluetooth4.2を持っているので、後付できるもので困る事はほぼないと言える。
また、基板上にはM.2スロットが2つ用意されており、1つはプリインストールとして128GBもしくは256GBのM.2 SSDストレージがセットされ、そこにOSがインストールされる。また、通常の2.5インチSATA3 6.0GbpsのSSD/HDDスロットも持っている。
メインメモリもDDR4 8GB搭載し、拡張スロットとしてもSO-DIMMスロットを持っているため、最大32GBまで拡張できる。
ここまでの装備を持っていて、2リットルの6×6インチサイズの筐体というのだから、相当に小型でありながらのハイパフォーマンスと言えるだろう。
さらなるビデオ性能向上へ
で、この「HiGame」だが、通常のRadeon RX Vega Mを搭載しているのでこれ以上のビデオ性能が欲しいという状況はそうそうはないと思うのだが、それでも更なるハイエンドGPUによる処理を求めたい、となった時、救済策が存在する。
それを実現するのがThunderbolt3コネクタで、なんとThunderbolt3コネクタ接続でeGPUを実現できたりする。
これは最近のMacBook系でも使われる手なのだが、BlackmagicというメーカーなどがThunderbolt3接続のeGPU製品を発表しているので、それを使う事でビデオ性能をブーストする事ができる。
上位モデルであれば、Radeon RX Vega56を搭載しているので、価格も張るが性能はさらに上を行く。
まぁ…価格がとんでもなく高いので、普通はコレを導入するにはかなりの抵抗があるとは思うが、テクノロジーとしては可能なので、どうしてもという時には利用可能な選択肢となる。
本来なら、PCI ExpressのスロットでGPUを増強できるはずなのだが、Kaby Lake-Gを採用した結果として初期GPU能力が高い代わりに増設性能が多少犠牲になった、といったところだろうか。
ミドルレンジ向け
というわけで、この「HiGame」はミドルレンジ向けの製品と言える。
ハイエンドをどうしても求めたいという人では、GPUの問題がどうしても非効率になるので、その選択肢なら別のハイエンド向けPCを検討する方がよい。
だが、ミドルレンジ向けレとして考えた場合、この製品は実にコンパクトかつ強力な性能を持つ。
単体での性能で言えば、実に小さな容積の中で効率の良い性能を発揮する製品だと思う。
これが10万円をちょっと超える程度で購入できるのだから、コストパフォーマンスも決して悪くはない。
ハイエンドは不要だが、中程度以上の性能で、小回りが利くPCが欲しい。
そういう人にはうってつけのPCではないかと思う。