高いけどちょっと欲しくなった。
効率を考えると…
2月7日に発売されたRadeon VIIだが、今更ながら買っておけば良かったかな、と思い始めた。
もちろん、全てに納得したわけではないのだが、その消費電力とパフォーマンスの割合を現状のVega64と比較して考えた時、Radeon VIIの方が圧倒的に良好な結果が得られるなと思ったのである。
性能的にはVega64と比較して全体的に3割前後の向上が見られるが、最高性能を発揮している時は大凡消費電力はVega64と横並びになる事がわかっている。場合によってはRadeon VIIの方が消費電力は下回る事もあるが、それはやはり7nmプロセス故の利点である。そうした事から考えても、平均的にRadeon VIIの方が消費電力は低い傾向に出るので、性能向上しつつ消費電力を減らせるというポイントで、Vega64から乗り換えるのはアリかな、と思った次第である。
ただ、普通に考えればこれだけの利点幅しかない状態で9万円以上もする出費を良しとするかといえば難しい問題である。
9万円の価値があると考えられる人は、圧倒的なパワーユーザー的考えを受入れられる人であり、そうでない人であれば到底受入れられる話ではない。
ただ、私としては今はその出費に耐えられる状況にある(かといって余裕があるわけではないが)という理由から、乗り換えても良いかな、と考えただけである。
ワットパフォーマンスとコストパフォーマンスで考えると、結構微妙な判断にはなる話ではあるのだが。
全世界で5,000個?
だが、こういう考えになったとしても、実際に購入できるかという話になるとまた別の問題になる。そう、モノがないのである。
聞くところによると、全世界で5,000個ほどしか流通していないという話もあり、もしそうだとしたら、圧倒的にモノがない、というのが今の状況のようである。
英国には200~300個ほどしか出回らなかったという話もあり、じゃあ日本ではどれだけ流通したのか? という事にもなるが、とにかく入手性が極端に悪いのは間違いない。
以前にも書いたが、HBM2メモリを16GBも搭載している事から、原価的には相当高いモノになっているという話もあるので、ほぼ増産はしないだろうという話もある。
果たして、今後入手できるチャンスはあるのだろうか?
AMDを選ぶワケ
何度もこのBlogでは記載しているので、今更な話でもあるのだが、私がAMDのビデオカードを選択した理由はほぼFluid Motionの為といっても過言ではない。
以前はNVIDIAのビデオカードしか選ぶ事がなかった私だが、NVIDIAは結局ビデオカードで映像関連の支援機能を搭載しなかったため、よりいろんな機能を可能にするAMD製ビデオカードへと乗り換える事を決断した。
私がどれだけNVIDIA派だったかは、あのATIとの競争で全く叶う事のなかったGeForce FX時代でさえ、当時私はNVIDIA製品を使い続けていたぐらいである。当時はほとんどの人がその性能の高さからRadeon HD 4800や5800といった製品を使っていたのではないかと思う。
しかし、結局今の私はAMDへと切り替えた。
理由は前述したとおり、Fluid MotionというGPUを利用したフレーム補完機能をAMDが実装したからである。NVIDIAは、結局この方面に注力してこなかった。
確かにPCゲーミングにおいてグラフィックス性能が高いという事は何よりも優先すべき事かもしれない。
しかし、PCを多方面で利用する楽しみ方をしている人からすれば、機能は多い方が良いわけで、ゲーミング性能だけに尖っているよりずっと使いやすい。
今のRadeonはその点で選ぶ価値がある、と私は思っている。
もし、NVIDIAがFluid Motionと同等の機能を実装してきたならば、ワットパフォーマンスから考えてもNVIDIA製品を選ぶ方が優位ではあると思うが、現実的にはそうなっていない以上、私はAMDを選ぶ意味はまさにここにあると思っている。
今後店頭に並ぶか?
話はRadeon VIIに戻るが、今後Radeon VIIが店頭に並ぶ事はあるのだろうか?
前述した通り、追加生産が厳しいと言われている状況で、要求があるから増産する、という判断を果たしてAMDがするのか?
全世界でまだまだ欲しいという要望はあるだろうから、全く増産されないとは言い切れないところはあると思うが、それでもその数量はかなり限られたものになるだろう事は予想できる。
Naviアーキテクチャで製造されるハイエンド製品が近々登場するようであれば、ほとんどの人はそれを待つだろうが、Naviアーキテクチャ製品はまずローエンドから出てくる事は以前からアナウンスされている事であり、また今はそのNaviアーキテクチャの製品が多少遅れるという話も出てきている。
つまり、AMD製ビデオカードのハイエンドは今後一年近く(或いはそれ以上の間)はRadeon VIIが受け持つ事はほぼ間違いない。
となれば、やはり現状としてRadeon VIIは、押さえておきたい製品になる、と考えた。
今更な話ではあるが、世のRadeon愛好家の為にAMDには是非とも対応願いたいところである。