Optional版としてバグフィックスのみ。だがそれが大事。
来てたの、忘れてた
4月1日に、AMDより「Radeon Software Adrenaline 2019 Edition 19.4.1」(以下Adrenalin 2019 19.4.1と略)が公開となった。
WHQL未通過のOptional版の為、随意選択ではあるがゲーム中心でPCを運用している人は入れた方が良いと言われているものである。
今回のバージョンは純然たるバグフィックス版で、いくつかの問題点を解決したバージョンになる。
ドライバーバージョンが引き上げられており、結構な程度で世代が進んでいる。規模的には大きい感じがするのだが…それでもOptional版というのがちょっと気になる所である。
主な修正点は以下。
- Radeon VIIおよびRadeon RX Vegaシリーズ搭載環境で、システムが不安定になったり、3台以上のディスプレイを接続していずれも有効にしたとき、断続的にシステムがハングすることのある問題。
- MSAAが有効になっていると、パッチ8.1.5以降を適用した「World of Warcraft」で断続的にアプリケーションがクラッシュしたりハングしたりすることのある問題。
- Ryzen Mobile Processor with Radeon Vega Graphics搭載のノートPCで、マウスカーソルが表示されなくなったり、マウスカーソルがディスプレイの境界からはみ出たりすることのある問題。
- Radeon RX Vega搭載環境で、Radeon WattManの自動オーバークロックがGPUの規定クロックを超えて動作クロックを引き上げられないことのある問題。
- Ryzen Mobile Processor with Radeon Vega Graphics搭載のノートPCで、液晶パネル側の輝度を抑えることで省電力化を図る機能「Vari-Bright」を適用できないことのある問題。
- Radeon RX Vega搭載環境で「World of Tanks」を実行し、ゲーム側のグラフィックス設定を最小に指定すると、画面表示が断続的におかしくなることのある問題。
こうして見ると、中には致命的な問題が解決しているものもあり、これをOptional版としている事に疑問を感じるところもあるのだが…。
とにかくまだまだ不安定要素のある状況だが、少しでも安定動作の為に改良して戴きたいものである。
問題は未解決部分
だが、これで全てが解決したわけではない。
既知の問題として、一部抜粋ではあるが、以下がまだ未対応の問題である。
- Radeon VII搭載環境で、マルチディスプレイ構成が有効な場合、デスクトップもしくは実行中のアプリケーションがちらつくことがある。
- HDRが有効なディスプレイと接続した環境でWindowsストア版「Netflix」からビデオを再生すると画面がちらつくことがある。
- Radeon VII搭載環境でRadeon OverlayのPerformanceメトリックおよびRadeon WattManがGPUの挙動を正しく読み取れないことがある。
- Radeon OverlayのPerformanceメトリックを開いた状態で著作権保護付きのコンテンツを再生すると、Radeon Overlayが断続的にちらつく(意訳)。
依然として「Radeon VIIでは、Radeon OverlayのPerformanceメトリックおよびRadeon WattManがGPUの挙動を正しく読み取れない事がある」という問題が解決していない。
これが解決しないと、何の為の電力管理プログラムなのかが分からないのだが、ただでさえワットパフォーマンスが良くないRadeon系なのだから、この問題は早期に解決してもらいたいものである。
ただ、問題なのはこの既知の問題は、一部抜粋されたものであるという事。細かい問題を出せばまだまだ出てくるという事である。
AMDは昔から比べればマシにはなったとはいえ、このソフトウェア面の弱さを早期に解決しないとNVIDIAとの差は開く一方ではないかと思えて仕方がない。
なにはともあれ、Radeonを使っている人はOptional版ではあるがこのドライバはインストールした方が良いと思う。
随意更新なので自動でアップデートするよう警告はしないから、自らドライバを取りに行く必要がある。だが、それをするだけの意味のあるバージョンだと思う。
AMD公式サイト
https://www.amd.com/ja/support