21:9の34型は続々と発売されるのだが…。
Nano IPS液晶採用
LGエレクトロニクス・ジャパンから、HDRに対応した21:9の34型ウルトラワイドモニタ「34WL850-W」が6月27日より発売されると発表された。
価格はオープンプライスだが、税別店頭予想価格は111,000円前後と見られる。搭載するパネルはLG独自のNano IPSテクノロジーを採用したもので、解像度は3,440×1,440ドット、DCI-P3カバー率98%、sRGBカバー率135%を実現している。
これにより、HDR10およびDisplayHDR 400に対応、SDR映像をHDRのような高コントラストな表示に変換する「HDR効果」機能も搭載している。
インターフェースとしてThunderbolt3ポートを1基もち、ケーブル1本でPCを充電しながら映像を入力できる。
また、FreeSyncや表示ラグを抑えるDynamic Action Sync(DAS)、暗所視認性を向上させるブラックスタビライザーといった機能もサポートする。
中間色の応答速度は5ms、輝度は350cd/平方m、コントラスト比は1,000:1、視野角は上下左右とも178度となっている。
インターフェースは先程のThunderbolt3を1基、HDMIを2基、DisplayPortを1基、ダウンストリーム用USB3.0を2基そなえる。また7W+7WのMaxxAudio対応ステレオスピーカーを備える。
3,440×1,440の上は?
ウルトラワイドモニタが発売されるという話を聞くと、最近はほとんどが3,440×1,440ドットという解像度以下のモデルばかりだったりする。
たまに、21:9よりさらに横長の32:9といったより横長のモデルがあったりするが、そういう時は解像度としては横が5,120ドットあるので、より解像度の広いモニタとも言えるが、バランス的には21:9でという人にとっては32:9のバランスは実は結構微妙で、コレ、という製品がなかなか出なかったりする事の多い状況が続いている。
個人的には、34~38型くらいで、21:9の更なる高解像度モニタが欲しいところだが、現在「38WK95C-W」を超えるモニタが出てきていない。
欲しい機能が、高解像度というだけでなく、他にFreeSync対応だとか、HDR10対応だとか、様々な付加価値を求めるからこそ、選択肢が狭まるわけだが、それにしてもビデオカードの性能向上やコンテンツの仕様がどんどん進化している中にあって、モニタだけがちょっと出遅れている感じが以前から続いている。
残念な事に、パネルのほとんどが韓国産という事も、こうした製品選択肢が狭くなっている理由かもしれないが、世の中の使い勝手に対する要求が細分化する中にあって、液晶モニタだけは変わらず独自路線を突き進んでいるように思えてならない。
4k8kってドコの話よ?
ところが、映像の世界をみてみると、テレビなどは4Kや8Kの時代に早く進みたいという思惑がアリアリと見えてくる。
映像そのものに価値を持たせたいという事なのかもしれないが、こぞって4K、さらには8Kへと進まんとする体制ばかりが目立つ。
しかし、実際に4Kテレビの普及率となるとどれぐらいなのか?
2019年1月、つまり4K8K放送開始一ヶ月後くらいの世帯普及率は全世帯の1%弱だったらしい。ただ、この数値にしても「予想した以上に反応が大きかった」と放送サービス高度化推進協会が言っているもので、実数としては対応テレビの出荷台数は22.2万台、チューナーが17.3万台、ケーブルテレビ用受信器が5.5万台という内訳で、対応無禄書きを含めて約50万台ほどが利用されているというものらしい。
目標としては2020年には総世帯の50%で視聴可能にすることらしいが、現状の製品価格などを考えれば、そこまで伸びるというのはあまり現実的な話ではないように思う。
映像分野でもこのような状態なところに、PCモニタとなれば、確かにより高解像度を求めるというのは、難しい話だろうし、ましてやその対応モニタともなれば、なかなか出てこないというのも理解できない話ではない。
だが、普及させたいと考えるなら、当然どこかで後押しするキッカケがないと、普及はしない。
ま、映像分野でこの流れなのだから、PCモニタでより高度なモニタの登場を望むというのは、所詮無理なのかも知れない。
デジタル映像の時代になり、テレビとPCとの垣根がほとんどなくなった今、テレビをPCモニタに使う事だってできるわけだが、PCモニタは更なる繊細さをモニタに求める事もあるので、未だにどこか別モノ製品という感覚がある。
そうした中での高度な製品なので、狙った製品がなかなか出てこないというのも当たり前な話かもしれないが、マルチメディアだけでなく、業務にも強い高性能モニタにもっと選択肢が出てきてくれるとありがたいな、と淡い期待は今後もしていきたいと思う。