ふと「電脳コイル」みたいな未来を想像する。
ARメガネ
Appleが開発中とする拡張現実(AR)メガネが、今製品名や価格に関して詳細な情報が噂されている。
噂の出所はリーカーのJon Prosser氏で、先日もアップルARメガネが2021年前半に発表されるという噂をしていた。
今回の情報はさらに詳細で、噂ではあるものの、具体的な部分まで見えてくるものである。
その噂によると、製品名は「Apple Glass」で、基本価格は499ドル~、追加料金で度付きレンズも入れられるとしている。
またジェスチャー操作できるディスプレイが左右両方のレンズにあり、初期のApple Watchと同様にiPhoneとのペアリングに依存するらしい。
初期プロトタイプはLiDARとワイヤレス充電を実装しており、本来なら秋のiPhoneイベントのサプライズとして発表する計画だったようだが、2021年3月のイベントに先送りされる可能性があるらしい。製品そのものは2021年後半または2022年前半にリリースする事を目指しているようだ。
Appleが以前からARハードウェア製品を開発しているという噂はあったが、その噂はARヘッドセットと小型のARメガネの2種類あるとされていて、ヘッドセットが2022年、メガネが2023年になるだろうという噂だった。
今回の噂でいくと、メガネ型が先行する形になるのではないかという事らしい。
噂の話なので、どれもこれも信憑性がある話ではないのだが、以前見たGoogle Glassの近未来性を考えると、Appleならやるかもしれないと思えてくるから不思議である。
電脳コイル
こうした仮想現実とか拡張現実の話でメガネが出てくると、どうしても思い出すのが「電脳コイル」である。
2007年に宮村優子氏(作家であり声優の宮村優子とは別人)が書いた小説をアニメ化したものを私は見たが、正直、初めて見た時はある種の衝撃を受けた。
だが、同時にこんな世界があったら面白いとも思ったし、メガネにネット情報が組み合わさることで生活が変わる期待も感じた。
当初、その未来はGoogle Glassが実現するのではないかと思っていたが、どうやらApple Glassの方が先に実現しそうな感じで、私としてはスマホと連動できるだけでも期待したいアイテムである。
電脳コイルの作中でも、いろんな場所の情報がメガネ越しに表示され、ただ現実にあるものを見るだけでない生活が電脳メガネだけで実現できるのだが、電脳コイルではいろんな遺法データが街中にあふれ出し、それを駆除する為のオーマトンプログラムが街中を徘徊している事になっている。通称サッチー。メガネ越しに見えるその姿は3mくらいの大きなたらこみたいな存在だが、遺法なプログラムをサーチして駆除して回る。実際に見たら、恐怖以外のナニモノでもない。
実際に存在していたら、それはそれで恐いとしか言いようがないのだが、それでも実現していたなら、面白い世の中なのにな、とも思う。まさにネット情報が現実社会にあふれた世界である。
社会的問題
ただ、こうした拡張現実のメガネが登場することで、社会的な問題が発生する事も予想できる。
いわゆる「よそ見」である。
メガネの中の情報に集中する余り、現実社会の活動がなおざり(“おざなり”ではない。日本語は正しく使おう)になって事故を起こす可能性が出てくるに違いない。
GoogleがGoogle Glassを発売まで持っていかなかった背景に、この問題があったのではないだろうか? と私は勝手に予想しているのだが、Appleはこのあたりをどのように考えているのだろうか?
スマホも“ながら歩き”などで問題になったが、メガネの場合はもっと顕著にそうした問題が表面化しそうと思うが…。
何はともあれ、私としては面白いデバイスになると期待している。
どのようにしてレンズに表示させるのか等、技術的なところも気になるが、何よりどんな事に使えるのかという想像が楽しいデバイスである。
Appleには、次なるメジャーデバイスをぜひとも実現してもらいたいものである。