やはり今年はメインPCを自作すべきか? 今だに悩むところである。
8コア以上を目指したい
PlayStation5(以下PS5と略)等、次世代コンシューマ機が発売された事で、コンシューマ機のAPUの性能向上に伴い、私のメインPCの優位性は汎用性のみになったと言える。
これは、AMDのZen2アーキテクチャのCPUコアを8コア搭載し、それにRDNA2のGPUを組み合わせたAPUをPS5やXbox Series X(以下Xbox SXと略)が採用した事に起因していて、7nmという製造プロセスによってダイ面積も小さくなったことから、大量生産する事で安価にAPUが供給できるようになった事も影響している。
こうなると、PS5やXbox SXは汎用性が限りなくないOSが異なるPCみたいなもので、もしPS5やXbox SXの上で汎用的な事ができてしまうと、そもそもPCは不要になるような状況である。
とはいえ、私としては汎用的に使えるデバイスが欲しいわけで、そうなるとやはり通常のPCは持っておきたいわけである。
問題はその汎用的に使えるデバイスの性能をPS5やXbox SXと比較した時にどこまで引き上げるか? という部分に尽きる。ここをPS5やXbox SX並にするのか、それともそれを超えるのか、或いはそこまで性能を求めないのか、で、メインPCの立ち位置が変わる。
…こんな事、毎回わかっているのだが、考える度に思考が揺らいでしまう。
ある意味、難しい時代になったなと思う。
M1 Macがさらに難しくする
昨年末、Appleから登場したApple Silicon搭載Mac、通称M1 Macが登場した事で、このメインPCの考え方はさらに難しくなった。
というのは、M1 Macの性能がバカみたいに高いからである。
いろいろなテック系サイトを見ていると、Appleはこの10年を今のApple Siliconの構築に費やしてきているというが、その10年の成果が確実に出ていると言える結果である。
何か一点の性能に頼って高性能化したわけでなく、総合的にアーキテクチャを見直していて、本家本元のArmよりも先んじてArm64という64bitアプリケーションに取りかかっていたAppleだからこそ、今のこの性能が実現できているようである。
ここまでMacの性能が上がっていると、メインPCをMacにしてしまうという手もアリなのではないかとすら思える。
そうなると、前述のメインPCの立ち位置の答えは簡単に解決してしまうのだが、汎用的に使えるという事をどこまでの汎用性と捉えるかで、MacがメインPCとして使えるのかが決まってくる。
もし、Steamを使ったPCゲームまでをも含めるとなると、Macではやや荷が重い…というのが私の結論で、それ以外であればMacでも問題がないようにも思える。
ただ、今までWindowsで使用してきたアプリケーションでMacで代用できないものもあったりすれば、基本的に選択肢はWindows機しかなく、Macという選択肢そのものが消える事になる。
これはM1 Macだからという事ではなく、そもそもWindowsではないから、という理由なので、既に性能云々の話とは別次元の話である。
Intel vs AMD
ではWindowsを使用する事を前提にして考えた時、CPUはIntelコアが良いのか、AMDコアが良いのか、という話になる。
少なくとも、私が使用する汎用機としてのWindowsであれば、GPUは外付けのものになる事は既定路線なので、純粋なCPU機能のみを切り出して考える必要がある。
第11世代のIntelコアであれば、性能的にはまだAMDのRyzenに対して見劣りする、という事は少ない。マルチコア処理で見劣りする、という意見もあるかと思うが、ソフトウェアの最適化は依然としてIntel優勢でもあるので、全てにおいてRyzen優勢という事はない。
また消費電力に関しても、見違えるほど違うという事もない。細かく見ていけば違いが出てくるとは思うが、おそらくほとんどの人はその誤差を感じる必要がない程ではないかと思う。
と、ココまで書くとIntelコアでもいいのか、という話になると思うが、実際に導入を検討すれば、自然とRyzenのZen3アーキテクチャ、つまり5000番台のコアをメインに検討する事になると言える。Ryzen 5000シリーズの最大の弱点は、その供給量の少なさで、狙った品番のコアを購入しづらいというのがある。
そうした事情もありつつ、前述のPS5やXbox SXより高性能を謳いたいとなれば、最低でもRyzen7 5800X以上を購入しないと達成できないので、選択肢は意外と狭い。
GPUの選択肢
これについても、前年にいろいろとBlogで書いてきたが、既にRadeonを選択する意味が極端に狭くなっている。
Fluid Motionが現状のRDNA2アーキテクチャでは使用不可能なので、既にRadeonを選択する魅力がほぼないのである。
それよりもレイトレーシング性能を考えるとNVIDIA製GPUの方が魅力的に見えてくる。RTコアがある分、性能が段違いだからだ。ただ、消費電力を考えるとワットパフォーマンスはRadeonが優勢なので、そこを重視するならRadeonでも良いかもしれない。しかし、スマートアクセスメモリー機能を考えればRyzenと組み合わせるならRadeonとなるが、これは思った程効果が見えていないのも現状である。
なので、今の状況からNVIDIA製を取るか、Radeonを取るかは本人の好みに寄るところが非常に大きい。
ただし、価格はどちらを選択しても結構な額を覚悟する必要がある。一番の問題はこのコストだという人も多いだろう。私も…そう思う一人でもある。
おそらく、年度末までに一度真剣にメインPCの構成を考える必要があると思うが、もし本当に欲しいスペックで構成したならば、相当な額にまで膨れあがる事になるだろう。
ポイントはどこまでの性能にするのか? というところ。
以前は価格据え置きで性能が上昇していたが、ここ最近はそうでもない状況が続いている。性能とコストのバランスは以前よりシビアになっている分、難しい判断になりそうである。