PS5やXbox SX等に対応できるテレビやモニタが今年は増える?
Acerから3機種
台湾Acerから、ゲーミングディスプレイ3製品が発表された。
Acer ニュースリリース
https://j.mp/3ovlPaD
中国では3月から、北米・欧州では5月から発売されるよう、日本ではまだ流通するかは不明だが、何れ販売が開始される事になるだろう。
1機種目「Nitro XV282K KV」は、28インチのHDMI 2.1を装備する4Kゲーミング液晶で北米価格は899.99ドルとされている。4Kでありながら144Hzという高リフレッシュレートを実現し、DisplayHDR400に対応する。他にもAMD FreeSync Premium テクノロジーに対応し、Acerの新しい「Agile-Splendor IPS技術」つかったAcer VisionCare 3.0を搭載して「TÜV Rheinland Eyesafe認証」を取得している。4K120Hzモニタとしては28型というサイズをどう見るかで評価は分かれるが、性能的にはようやくPS5の世代に追いついたという感じの製品である。
2機種目「Predator XB323QK NV」は、G-SYNC Compatible認証を取得した31.5型4Kゲーミング液晶で、北米価格は1,199.99ドルとされている。同様に4K/144Hz駆動に対応する製品で、Agile-Splendor IPSパネルを採用し、DisplayHDR 400もサポートする。環境光に応じた明るさ調整や色温度調整などを自動で行なうAcer VisionCare 4.0を搭載した事でTÜV RheinlandのEyesafe認定も取得している。
31.5型という事で、PCのように目の前において使用する上では最大級のサイズレベルである。前述の「Nitro XV282K KV」は28インチだったので、それよりも大きなサイズとなれば「Predator XB323QK NV」が対象となるだろう。
3機種目「Predator XB273U NX」は、27インチのWQHD(2,560×1,440ドット)液晶のゲーミングディスプレイになる。北米価格は1,099.99ドルになる。
前2機種と同様にAgile-Splendor IPSパネルを採用し、オーバークロック時で最大275Hzのリフレッシュレートに対応し、中間応答速度は0.5msに達する。「NVIDIA G-Sync」にも対応し、おそらくDisplayHDR400に対応する。曖昧な表現になっているのは、プレスリリースに記載がないからだが、色域としてDCI-P3スペクトルの95%をカバーしており、前2機種よりもカバー確率が高い(前機種はDCI-P3スペクトルの05%をカバー)ので、おそらく、とした。
PCで利用する上では、ビデオカードの性能でリフレッシュレートを最優先に考えた時はどうしても解像度はWQHDサイズになる事が多いので、PC利用であれば本製品が一番マッチするかもしれない。
今年は豊作になるか?
PS5やXbox SXが発売され、いざそれらに対応したテレビやモニタはどうなのか? と見てみたら、現時点で対応している製品があまりにも少ない、という事が昨年は明確になってしまった。
テレビで言えば、現在まででも完全に対応しているのはLG製品のみで、日本国内の製品ではまだ完全対応したテレビは存在しない。
PCモニタにしても、昨年まではほぼ存在していないというのが事実で、今回のAcerからの発表でようやく対応製品が出てきたという感じである。
どう考えてもPS5やXbox SXが先行しすぎた感じであるが、これらの製品がテレビやモニタ業界を刺激した事は間違いない。今後はHDMI2.1対応の製品が続々と登場するだろう。
ここでふと気づいた人もいるかもしれないが、PS5やXbox SXよりもPCのGPUの方が性能が低いわけではない。PCのビデオカードの方が演算性能は上なのだが、問題は画面出力という性能部分だけで言えばPS5やXbox SXは4K120Hzに対応している、というだけの事である。PCに搭載する外付けGPUでも4K120Hzでの出力は可能だが、その表示すべきオブジェクトの細かさ、多さなどはPS5やXbox SXよりは圧倒的に多く、質は高いと言える。汎用性ではPC製品の方が圧倒的だが、PCとテレビを接続している人は極端に少なく、映像主体で映すテレビとテキストなども含めて表示するモニタとの違いもあって、PCモニタとテレビではその製品群そのものが異なるとするケースも多い。
それ故、両者とも「映すデバイス」ではあるものの、足並みが中々揃わない部分がある。
気づいている人も多いと思うが、テレビでDisplayPortを搭載している製品はほぼない。逆にPCモニタにはHDMIポートを搭載している製品も多いが、ほぼDisplayPortを搭載している。この違いは、HDMIという規格がデジタル家電メーカー向けのインターフェースで、DisplayPortはPCの標準化団体であるVESAによって策定された規格なので、PCモニタにはほぼDisplayPortが搭載されている。この両規格の違いは主とした目的が異なるところから派生している。
昔はアナログ信号だったので、この両者には明確に違いがあったのだが、デジタル信号に変わった事で性能敵差異がほぼなくなって締まったのが、混乱を招く一因になっているように思う。
一般的にはDisplayPortの方がHDMIでは想定していない超高解像度での利用を視野に入れた規格とされる。目的は特定のビジネス用途であり、それは医療分野やCADなどでの利用である。
本命は今年半ば過ぎ?
話が逸れてしまったが、今年はおそらく4K120Hz対応のテレビやモニタが多数登場すると考えられる。
私としては今年後半から本命モニタを探す時期に入るのではないかと予想している。
パネルに関しては日本はもう海外に頼るしかないが、それをコントロールする部分については、まだ国内の強みはある。また、国外のメーカーであってもその必要性や需要についてはよくわかっている事だろう。
今年は間違いなく対応製品が多数出てくる可能性がある。
つまり、ある意味で液晶メーカーのスタンダードが変わる年である、という事である。そうした年を迎えることで、製品群は一段上の性能を標準として受入れ、刷新されていく。
なので今年の後半以降、魅力的な製品が多数登場する事に期待したい。
国内メーカーも…これに乗じて復活してもらいたいところだが、それは難しいのかなぁ。