ある意味驚異的なスペックを持つモニタだが、当然価格もそれなりの覚悟が必要。
Odyssey Neo G9
Samsungが、32:9のアスペクト比を持つ49型ゲーミング液晶「Odyssey Neo G9」を発表した。8月9日より全世界を対象に発売予定としている。
スペックとしてはDQHD(5,120×1,440ドット)解像度の1,000Rの曲率を持つミニLEDを採用したVAパネルを持ち、ピーク照度は2,000cd/平方m、標準時は420cd/平方mで、コントラスト比は1,000,000:1というとんでもないスペックを持つ。
リフレッシュレートは240Hzで、応答速度は1ms、視野角は上下左右ともに178度、フリッカーフリー機能としてG-SyncやFreeSyncPremium Proに対応する。
インターフェースは、HDMI2.1、DisplayPort1.4、ヘッドホン端子を持つが、他にもUSBポートを2つ持つ。
採用するミニLEDはSamsungの2,048ゾーンのQuantum MiniLEDパネルを採用している事から、そのダイナミックレンジはHDR 1000からHDR 2000と非常に高性能で、ライティングコントロールも8bitから12bitへとより細かい調整ができるとする。
これだけ高性能だと、その価格が気になるところだが、価格は2,499.99ドルと、日本円にして約247,600円(2021年7月28日現在)という、性能もスゴイが価格もスゴイ製品となっている。
WQHDを横2画面
このDQHD解像度というのは、2,560×1,440ドットのWQHD解像度を横に2画面分とした解像度の事を指すが、この解像度だと横表示解像度は既に4Kモニタを超えるものになり、使う人によっては4Kモニタよりも使い勝手が良くなる。
私などはおそらく4Kモニタよりもずっと使いやすいだろうな、と想像できるのだが、これだけ横に長いと、設置できる場所は限られてくる。
また、このモニタをリフレッシュレート240Hzで表示するには、当然だがそれなりの性能を持つビデオカードが必要になるので、単純に4K表示ができるというだけの性能では、このモニタの真の力は発揮できない。
恐らく、NVIDIAならGeForce RTX 3070クラスは必要だろうし、AMDならRadeon RX 6800クラスは必要になるだろう。
GPUドライバのオーバーヘッドを考えれば、CPUも6コア/12スレッド、或いはその上の8コア/16スレッドクラスのものが必要になると考えられる。
ある意味、ミドルハイからハイエンドクラスのPCではじめて性能を生かし切れる、といったところではないかと思う。
広いデスクトップ
スマホやタブレットのトレンドは、Retinaディスプレイをはじめとした、ドット感のない滑らかな表示を是とするが、PC、とくにWindowsの場合は未だに高密度な解像度は高精細というよりは広いデスクトップという使われ方をしている。
なので、基準としては96dpiという標準dpiがあり、それに合わせた解像度が未だに使われている。設定上は文字などは150%拡大や200%拡大というモードが存在するが、標準的には未だ96dpiがあり、その基準をベースにデスクトップが広くなるような使われ方をしている。
なのでOdyssey Neo G9をWindows 10に接続して使用すると、単純に横に広いデスクトップが実現する。それこそ、目で左右を一望できないほどの広さである。
しかし、人間の目というのは、上下にはなかなか届かないが、左右ではれば届きやすいという側面もあって、これだけ横長だと半端ない臨場感は得られる。
そういう意味で、この32:9というモニタはゲーミングモニタとしてはリフレッシュレートさえ高ければ最適なのかもしれない。
ま、価格がとんでもない価格なので、限られた人の製品という事になるだろうが。