dGPUが高騰していて手が出せない状況で次をどうするか?
システム更新タイミング
メインPCの入れ替えをしたいという話は、当Blogで今までさんざんしてきた話だが、未だ更新に至っていない理由は偏に予算の関係から。
世界的に外付けGPUが高騰し、価格が適正にならないという問題もありつつ、タダでさえ予算が足りないという状況なので、今このタイミングでメインPCを入れ替えるのはちょっと冒険かなぁ、と判断に迷っている。
というのも、もし今入れ替えるとするなら、AMDのRyzenを採用する事になるが、そのアーキテクチャはZen3のものがベースになる。
つまり、Ryzen 5000シリーズが最有力候補という事になるのだが、コイツが現ソケットであるAM4の最終版コアと言われていて、最近発売されたRyzen 5000GシリーズもAPUとしてはAM4の最終版と言われている事から、ちょうど技術移行するタイミングだったりする。
なので、このZen3をベースにシステムを組立てるとすると、次の世代に移行する時には確実にCPUのみならずマザーボードも変更が必要で、そうなるとそのマザーボードに接続するものに関しても変更を生じる可能性がある。
総入れ替えが基本という姿勢であれば、それでも問題はないが、パーツ単位でグレードアップを考えるとなると、今の状況は実に難しいタイミングだと言わざるを得ない。
次のAM5ソケット搭載システムが登場するのは、2022年と言われているので、それまで待つ事にすれば、次の世代でアップグレードしていく事は可能なので、ひょっとすると、来年まで待つ、というのがもっとも正しい判断なのかもしれない。
それまでの間にGPUが適正価格になってくれる可能性もあると考えれば、まさに一石二鳥である。
AM5ソケット
次世代のAM5ソケットだが、ついにAMDもIntelと同様のソケットへと移行すると言われている。
AM4までは、CPU側にピンが付いているタイプで、ソケット側はそのピンを受ける側になっていたのだが、Intelは先行してCPU側はピンを受ける側、ソケット側にピンがあるというタイプ(LGAソケット)になっていた。
今回のZen4シリーズから、AMDもLGA 1718ソケットになると言われていて、ソケット周りのレンダリング画像がExecutableFixによって公開されている。
Zen4を搭載した最初のAMDコアは、Raphaelアーキテクチャと言われていて、このシステムに搭載されるソケット及びリテンションデザインは、Intel製CPUソケットと酷似している。
シングルラッチが採用されていて、プロセッサ下のピンを気にする必要はないデザインのようである。
CPUにはとても頑丈な統合型ヒートスプレッダが搭載されていて、リテンションでヒートスプレッダを含めてガッチリホールドするようなので、AM4の時のようなCPUクーラーの取り外しの際のスッポ抜けが起きないだろう事が予想される。
気になるのは、ヒートスプレッダの側面に切り欠きがある事で、側面から熱風を外に出す事を想定しているのか、あるいは逆に送風して内部に風を送ることを想定しているのか、気になる所である。
DDR5メモリに対応する?
Raphaelに関しては、メモリもDDR5に対応するかもしれないと言われている。
Intelは2021年後半から2022年前半に投入するとされるAlderLakeコアでDDR5に対応するとしているので、Intelの方が先んじてDDR5メモリに対応するという事になるが、このIntelの動向から考えてもAMDはRaphaelでDDR5に対応させてくる事は想像に難くない。
また、PCIe 4.0にも対応してくるだろう。これはZen3のRyzen 5000シリーズで既に対応しているので、間違いはないだろう(Ryzen 5000GシリーズはPCIe 3.0止まり)。
こうした新しい規格の内包も含めて、AM5という新しいソケットへの移行を実施する上で考えられるのは、当然だがチップセットも新しくなる、という事である。
おそらく新たな600シリーズのチップセットと共にRaphaelは投入されるだろうと考えられる。
製造プロセスは5nm
なお、現時点ではRaphaelはTSMCの5nmプロセスによる製造と言われている。チップレットで提供されるI/Oまわりは6nmダイになるとも言われているが、おそらくその混成CPUという事になるだろう。
この微細化とアーキテクチャの刷新によって、Ryzen 5000シリーズと比較してIPCが25%向上し、クロックは約5GHzになる、と噂されているようだが、これは実際に登場してみない事にはわからない。
また、搭載コア数に関しても現時点での最大数16コアを超えてくると言われている。そうなると、CCXの構成も変わるのかも知れない。現在はCCX 1基に対してCPUは8コアが内包されているが、この構成を変えない限り、Ryzenで16コアを超えるにはCCXを3基以上搭載する事になる。あまり現実的な話ではないかな、と思うが、どうなのだろうか?
とまぁ、現時点で2022年に登場する次世代コア情報を纏めてみたが、既存から大きく変化する事が読み取れる。
今のタイミングでメインPCを更新するよりも、次世代を待つ方が現実的かもしれない、と思いつつも、その時の価格がどうなるのかが気になる所。
コストバランスが崩れはじめた今の状況では、価格はホントに読めないので、現実的な価格設定になる事を祈るばかりである。