重量300g減の理由は何からくるものなのか?
軽くなるという事は
先日、当BlogでもPS5の新しい製造番号が存在しているという記事を書いた。
以前から確認されていたデジタルエディション版だけでなく、通常版も新型に型番が変更となっている事が公式で確認できたワケだが、その変更点として重量が300g減っている、という話が出ていた。
つまり、内部的に何かを変えたから300g軽くなった、という事になるわけだが、実際問題、この新型は旧型と比較して何が変わったのか、が気になる所である。
見えてきた違い
従来型と新型、それぞれの違いがテック系YouTuberのAustin Evans氏によって明らかにされた。
So I got my hands on one of the updated CFI-1100B model PS5s. Full video (https://t.co/jCmJ1QuT2a) just went live but…
🔥 Rear exhaust temps are 3-5C higher
⚖️ Weighs 0.3 KG or 0.6 LBS less
🪨 Heatsink is SIGNIFICANTLY smaller
💨 Has a slightly redesigned fan
🔩 Upgraded stand pic.twitter.com/RYnLijakk6— Austin Evans (@austinnotduncan) August 28, 2021
具体的には、従来型の起動時の排気音は43.5dbだったのに対し、新型は42.1dbと僅かながら静かになったようだ。
だが、その排気口の温度は従来型が約52℃で、新型は約55℃と、その温度が高くなっている。それと密接に関係してくるかどうかは微妙だが、従来モデルの消費電力は225Wだったところ、新型は230Wと逆に上昇している。
ここから考えられるのは、おそらく新型は従来型よりも冷却機構が簡略化されているという事である。冷却機構が簡略化された事で、排気温度が上がり、より廃棄する為に冷却ファンが活動する為に消費電力が上昇している…というロジックである。
テック系YouTuberのAustin Evans氏は、さらに従来型と新型のPS5を分解した画像を掲載しているが、これによると少なくとも目立つところで2つの違いが確認されている。
一つは排気ファンの形状が変更されているという事。フィンの数がわずかに少なくなっており、その変わりより長いフィンを持つファンに変更されているという。
また、ヒートシンクの体積が少なくなっている、という違いである。
配置も見直されており、従来モデルのヒートシンクベース部では銅素材が使用されていたが、新型では銅は使われていないようだ。
このヒートシンクの違いが、300gの重量比の大きな違いを生み出していると考えられるが、おそらくこれはSIEが従来型から得たデータで許容範囲内でコストダウンを図ったのではないかと考えられる。
僅か数℃の違い
だが、私からすると、この僅か数℃の違いが、今後発売されるタイトルによって違う結果を生み出したりはしないか、とても不安になる。
今発売されているタイトルは、ある種PS5の表面的な機能を使ったタイトルばかりで、機能をより最適化したプログラムを動作させた結果はまだ反映できていないと考える。
その時、今よりもさらにSoCが温度上昇する可能性はあるわけで、僅か数℃の違いが、致命打にならないか、心配である。
まして、SoCはある種、青果と同じで、モノによって温度耐性の高いコアもあれば、その逆のコアもある。
ゲームパフォーマンスに違いが出る様であれば、このマイナーチェンジは命取りになりはしないだろうか?
まぁ、考えすぎと言われればそうなのかもしれないが、より高性能なコアを搭載した製品になればなるほど、この排熱という機能は重要になってくるわけで、私のように心配する声が出ても何ら不思議ではない。
PS4の時もあった
実はこのヒートシンクの小型化、というコストカットは、PS4の時にも存在していた。
最初期型よりもその後のマイナーチェンジ版の方が搭載するヒートシンクは小さくなっていた。
その後、PS4はProの登場と共にスリム版が登場し、より排熱の少ないタイプが登場したのだが、やはりマイナーチェンジ前にヒートシンクを小型化する、という流れは、SIEの常套手段なのだろうか。
というか、コストカットしやすいんだろうな、とは思う。
というわけで、PS5も新型が出た、とばかり喜んでいて良いモノか、結構微妙である。
重量は軽くなったとは言え、消費電力は上がっているし、排熱温度は上がっているし、全ての面で良くなったわけではない。
適正化された、といえば聞こえはいいが、コストカットして余裕があった部分の余裕がなくなったワケなので、どうしても前の型番が欲しいと言う人は、祈る気持ちで抽選に応募するしかない。
想像の域を出ない話だが、3年後くらいにさらに小型軽量化したタイプが出てくるのなら、それを待つというのも手かもしれないなぁ。