PlayStation VR2の製品情報ページが公開された。
あれから6年
当Blogでも2016年に「今年はVR元年になるか?」という事をテーマに記事にした事があるが、その時の周辺はまさにVRに関係する話題ばかりで、この先VRは普及し、より臨場感ある世界が待っている、という期待ばかりが先行していた。そして実際2016年10月13日にPlayStation VR(以下PSVRと略)が発売されたワケだが、その後、VR関係の話題は徐々に下火になっていき、少なくともPSVR用のソフトで大本命と言えるようなタイトルはここ最近は発売されていないと思う。
PSVRではなく、他社が発売したOculusシリーズは、これとはまた別の展開を見せていて、必ずしも同じ状況とは言えないかも知れないが、それでも2016年のあの話題の勢いほどの結果とはなっていないと思う。
VRは何がダメだったのか?
人々はVRには興味はないのか?
私が思うに、興味がないわけではないと思う。アトラクションなどでVR体験をすると、人々はその臨場感の高さに歓喜する。結局は設備的な問題か、或いはVR体験する環境的問題が要因となって、家庭用VRは思った程伸びなかった、と考える方が妥当ではないかと思う。
また価格も問題かもしれない。PSVRの頃は、結局ゼロの状態で環境を構築しようとすると、PS4を2台分購入するだけの資金が必要だった。
そうしたいろいろな要因が重なった結果、思ったほど2016~2017年でのVR普及は進まなかったと言える。
あれから6年が経過し、今そのPSVRの後継機となる、PlayStation VR2が登場しようとしている。
未だ謎は多い
SIEは2月7日にPlayStation VR2の製品ページを公開した。
SIE PlayStation VR2 製品ページ
https://www.playstation.com/ja-jp/ps-vr2/
製品ページを見てみるとわかるが、コントローラーの画像は掲載されているものの、本体の姿は明らかになっていない。
スペックに関しても、4K/HDR表示に対応し、約110度の視野角に対応、OLEDディスプレイを採用し、片目あたり2,000×2,040ドットと、初代PSVRの4倍以上の解像度を持つという情報が出回っているが、その他は以下の点がわかっている。
ヘッドセット内に内蔵カメラを設置し、装着者の視線の動きをトラッキングする機能があるようで、これによってプレイヤーが照準を合わせたり周囲を見回したりする際に、視線を追跡、高度なフェビエートレンダリング技術で中心視野ほど高解像度表示し、視野の外側の解像度を落として全体的に負荷を落として高画質表示できるようにしているようである。
この体験解像度の上げ方は、以前のPSVRでも言われていた事だが、その後技術の進化でより顕著に効果が現れるようになったのではないかと予想される。
また、インサイド・アウト・トラッキングという、ヘッドセットに内蔵された4つのカメラで、プレイヤーとコントローラーをトラッキングして、本体以外のカメラを使わずにプレイヤーの動きや視線の方向をコンテンツに反映する事ができるようである。
ヘッドセットがコントローラーと同じように状況にあわせて振動する事で、触覚要素が対以下されていたり、Tempest 3Dオーディオ技術によってサウンドがプレイヤーの①や頭の動きに合わせてダイナミックに変化する、という機能もあるが、これらはその技術の程度の差こそあれ、PSVR時代にも同等要素は存在していたと言える。
接続とコントローラー
PSVR2は、PS5とはUSB端子によるケーブル1本での接続に対応している。セットアップはPSVRと比べてもより簡単になるようだ。
また、コントローラーであるPS VR2 Senseコントローラーは、エルゴノミクスデザインを採用しており、ゲーム内のあらゆる操作に対するフィードバックを振動で得られる「ハプティックフィードバック」や、DualSenseコントローラーでも採用されていた「アダプティブトリガー」、ボタンに触れるだけで指を認識する「フィンガータッチ」機能を備えているという。
感覚的には、全ての入力信号が触覚によって実現してしまうようなコントローラー、と言ってもいいかもしれない。
これらのインターフェースを用いる事で、PSVR2は今までのPSVRよりはずっと高次元なVR体験を可能にしている、という事なのだろう。
そういう意味では、2016年にPSVRによって大きく膨らんだ期待は、今になってようやく実現しようとしているのかもしれない。
ただ、安心はできない。
問題はハードウェアではなく、これらのハードウェアを利用するソフトウェアだ。
ソフトウェアなくしてハードウェアの活用はなし。PSVRは残念ながらソフトウェアには恵まれていなかったと言わざるを得ない。
VRコンテンツの再定義の為にも、PSVR2にはがんばってもらいたいところである。