Noble Audioから、ついにアクティブノイズキャンセルなイヤフォンが登場。
FALCON ANC
Noble Audioというメーカーの話を、当Blogでは過去何回か記事にしている。
その際「FALCON」シリーズという左右独立ワイヤレスイヤフォンを取り上げているのだが、このFALCONシリーズは音の良さに特化したワイヤレスイヤフォンである。
ジョン・モールトンという通称ウィザードと呼ばれる聴覚専門医の博士がチューニングしたそのイヤフォンは、異次元の音の良さで定評があり、Noble Audioにはハイエンド製品ばかりが並んでいた。
しかし、この「FALCON」シリーズの登場で価格的に手の出しやすい製品が登場した事で、その音の良さを低価格で実感できるようになった。
これはとても喜ばしい事だが、残念な事に今まではアクティブノイズキャンセル機能は搭載されていなかった。
これには理由があり、ノイズキャンセルというのは外の音と逆位相の波形をぶつける事でノイズを消すという事をしているので、その仕組み上、本来の音にとってあまり良い影響とは言えない。それを嫌ってNoble Audioでは純粋な音の良さだけで勝負していたとされていたが、世間の波には勝てなかったのか、ついにアクティブノイズキャンセル機能を搭載した製品を投入してきた。
それが「FALCON ANC」という製品で、5月13日に発売が予定されており、その価格はオープンプライス、店頭予想価格は19,800円前後になるらしい。
10mm径ドライバー
気になるそのスペックだが、搭載されるのはPU層とチタン層の2層構造となる10mm径ダイナミック型ドライバーとなる。
FALCON2がフルレンジ6mm径ダイナミックドライバー、FALCON PROが6mm径ダイナミックドライバーとBAユニットで構成されていたワケだが、今回のFALCON ANCはダイナミック型のみの10mm径ドライバーとなる。
再生周波数帯域は20Hz~42kHzとかなりワイドレンジ再生に対応するもので、チューニングは前述のジョン・モールトン氏が行っている。
ANCを使うと少なからず音質に影響はでるのだが、ジョン・モールトン氏のチューニングでANC時、ヒアスルー(アンビエントサウンド)時、ANC無効時において、帯域バランスの変化は極力抑えたものとなっているようだ。
これらの音を正確に耳に届けるため、イヤーピースも表面にコーティング加工を施したものになる。初回生産分にはSpinfit製の完全ワイヤレス用イヤーピース「CP360-F」も同梱され、これは米国FCC認可済みの医療グレードシリコンで作られている。
また、装着時の落下防止のため、イヤーフックも同梱される。これらを使用する事でランニング時などでも落下を防ぐ事ができるという。
再生コーデックとしては、SBC、AAC、aptX、aptX Adaptiveをサポートする。aptX Adaptiveは、96kHz/24bitというハイレゾ音源再生に対応している。また、aptX Adaptive Low Latencyモードも利用できるので、低遅延が要求されるコンテンツなどでも積極的に使っていけるものとなっている。
連続再生時間は、ANCオフ/SBC接続時で最長約8.5時間という事が公式で歌われているのみで、ANCオンの時の連続再生時間は公開されていない。おおよそ5時間ほど保つ程度、といったところか。充電ケースでは4回分の充電ができるので、実幼児用はそんなに問題はないだろう。ちなみにケース内で充電する場合、約2時間で充電は完了する。
専用アプリ
FALCON ANCを細部まで利用するとなると、専用スマホアプリ「FALCON ANC」を使う事になる。アプリでANCの効きを切替えられたり、外音取り込みの取り込み量をコントロールしたり、各種センサーの操作を割り当てるカスタマイズ機能があったりと、かなり事ができるようになっている。
特徴的なのがマスターゲイン調整という機能で、通常よりも小さな音の中で音量を細かく調整できる。初期は±0dBだが、-12dBまで下げる事ができるようになっている。
小さく音楽を聞き流しながら眠りたいというユーザーの要望から搭載された機能のようで、静寂の中で小さく音楽を聴きたいという用途で活用できそうな機能である。
他にもイコライザー、動作モードの切替えなどの機能をウィジェットとしてアプリのホーム画面に並べられ、その配置デザインすらも変更できるようにアプリは作られている。
実に凝った作りである。
新型が出れば当然前機種は陰りを見せる事になるが、それは他メーカーも同じ。ただ、Noble Audioの場合は、この辺りが他メーカーよりも差が小さい事がユーザーの救いかもしれない。というのは、音質だけで言えば前機種と方向性が違うという所に落ち着くからだ。
FALCON ANCは、音の良さそのものについてももちろん良く出来ているが、もともとNoble Audioのイヤフォンは音が良いので、単にANC機能がついた、という程度の認識でも良いのではないかと思う。
ただ、メーカーとしてはさらに音質を向上させようとしているのは事実なので、相対的に見れば最新作が最良となる。使う者の用途で、差が無くなる、といったところか。
少なくともSony製よりはガッカリ感は少ないと思うので、ある意味Noble Audio製品は安心して使えるように思う。個人的な感想として。
Noble Audio
https://nobleaudio.jp/
FALCON ANC
https://tws.nobleaudio.jp/