今使っているモニタからの大きなジャンプアップではないが良い製品かと…。
目に優しい?
株式会社JAPANNEXTから、144Hz表示対応で90W給電可能なUSB Type-Cを備えた40型ウルトラワイドモニター「JN-IPS40UWQHDR144」が発売された。価格は88,800円と、絶妙な価格設定だが、3,440×1,440ドット表示のモニタとしては今やちょっと割高な感じもする。
但し、それは機能を考えると印象はガラリと変わる。
前述したように144Hz表示が可能であり、HDR10にも対応、FreeSyncにも対応する事を考えると、決して高額というわけではないと言える。
唯一の弱点は、表示色が1,677万色に留まっている事であり、10bitカラーの1,024階調表示ができるパネルではない事である。もしコレが可能だったなら、おそらくこの価格での発売はなかったかもしれない。
この発色数の問題こそあれど、それ以外では欠点らしい欠点は40型だという事ぐらいではないかと思える(要するにサイズ的に大きいという事)。
パネルのドットピッチ(画素ピッチ)は0.272mmと大きく採られていて、画素密度は93dpiと基本的な密度に収まっているため、3,440×1440ドットの画面を無理なく見ることができる。私が現在使用している34型3,440×1,440ドットのモニタだと、この画素密度は110dpiにもなるので、多少文字などが小さく見える。
標準的な大きさに見えるという事は、言い方を変えれば従来よりも目に優しいモニタ、という事が言える。
医学的に目に優しいというわけではないが、昨今は密度が高いパネルが多く、全体的な精細さが上昇しているのであれば見え方としては細かくはないかもしれないが、Windowsは基本96dpiで構成されている事は変わりがないので、「JN-IPS40UWQHDR144」のように93dpiという96dpiに近いピッチのパネルは極自然に受け入れられるのではないかと思う。
JAPANNEXT 「JN-IPS40UWQHDR144」製品ページ
https://japannext.net/jn-ips40uwqhdr144/
モニタ性能の優先順位
常々、私は当Blogで自分の理想の液晶モニタの話をしてきたが、おそらく私の理想を追い続けると、とんでもなく高性能なモニタにしかならない事は間違いない。
しかも、4Kパネルのように既製品が多いものでなく、最近は増えてきたが、ウルトラワイドという上下を切り詰めたパネルになるので、どうしても単価が上がってしまう。
そんな私のワガママな要望に応えられるだけのモニタというのは、現時点では2機種しか見つけられていない。しかも、それらはどちらも20万円超という価格設定なので、簡単に手を出せるものでもない。
では、モニタ選びにおいて、その機能の優先順位を付けるとしたら、一体何が優先されるのだろうか?
パネル形式、パネルサイズ、解像度、画素ピッチ、リフレッシュレート、応答速度、表示色数、コントラスト比、HDR対応、FreeSync対応、その他付加価値…等々、あげればキリがないが、これらの中に間違いなく優先したいものがあるのは間違いない。
私からすると、もっとも優先したいのはやはり解像度になるだろう。ただしこれは解像度だけを求めるのではなく、パネルサイズと画素ピッチが綿密に関係してくる。というのも、パネルサイズの中に求める解像度を押し込めると後は計算で画素ピッチが決まり、見た目の細かさが確定するからである。
次に優先順位が高いのは、私の場合は表示色になるだろうか。そこから繋がってHDR対応というのが付いてくる。これは色相の範囲もそうだが、コントラストも関係してくるので、色彩であるHDRも紐付く事になる。
この次はリフレッシュレートである。リフレッシュレートは単純に画面書き換え速度ではあるが、応答速度も微妙に関係してくる。一般的に応答速度は白から黒に(或いはその逆)に変わるまでの速度を言うが、中間色から中間色までの切り替えの速さで表す時もある(Gray to Gray、つまりG to G)。どのみち、これらが早く切り替わらないとリフレッシュレートにも影響を及ぼす事になるので、これらはどちらも密接な関係がありつつ、速さが求められる。
その次ぐらいはもう後はオマケ性能みたいなものである。FreeSync対応だったり、USBコネクタによるKVM機能だったり、そういったものが来る。
人によっては、表示色とリフレッシュレートを逆に優先順位とする人もいるだろうが、それはゲームを主体に考えるか、それとも写真や画像処理や映像処理などを優先するかで決まってくる。
ほとんどの人はリフレッシュレートを優先する方がよいのではないかと思うが、どちらも重要な要素である事に違いは無い。
やはり10bitカラーが…
JAPANNEXTの「JN-IPS40UWQHDR144」だが、やはり気になるのは10bitカラー非対応というところになるだろうか。
もしこれが10bitカラーに対応していれば、私のモニタ買い替え候補の一つになっていた事は間違いない。
10bitカラーが本当に必要なのか? という事については、疑問に思う人もいるかもしれないが、実際10bitカラーに対応しているモニタとそうでないモニタで、夕焼けの太陽の画像など見てみるとよいかもしれない。
8bitカラーだと結構色階調が粗めに出ていて、10bitカラーだと綺麗にグラデーションになっている事に気づくだろう。まぁ、それもどこまで気にするか、というレベルではあるのだが。
「JN-IPS40UWQHDR144」の機能でこの10bitカラー以外の機能で言えば、必要最小限のものは全て押さえられている。過剰な装備はないが、必要と思える機能はあるので、ホントに10bitカラーというところだけが残念ポイントである。
色よりもリフレッシュレートが出ていればそれでOK、という人であれば、ウルトラワイドモニタとしては「JN-IPS40UWQHDR144」はオススメできる製品である。
現在27インチのQHDモニタを使っている人は、アップグレードとして如何だろうか?
自己レス。
パネルがIPSパネルでなくても良いのなら、以前当Blogで紹介したMSIの「Optix MAG342CQ」の方がリーズナブル&高機能なので、そちらがオススメ。
「Optix MAG342CQ」はVAパネルだけれど、「JN-IPS40UWQHDR144」より表示品質はすこし上になると思う。価格も若干安いし。
「Optix MAG342CQ」の詳細は以下。
https://jp.msi.com/Monitor/Optix-MAG342CQ
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