インタビューから見えるその姿。
どうやらゲーム機ではない
先日、当Blogでも記事にしたX68000Zだが、予告通り、東京ゲームショウ2022にてそのモックが展示された。
その事がimpress Game Watchの記事にも掲載されたのだが、なんとそこには瑞起の執行役員 商品企画部 部長の米内氏のインタビューまで掲載されていた。
impress Game Watch
https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1440956.html
その記事を見る限り、メガドライブミニやPC-Engineミニなどのようなゲーム機としてのミニではなく、純粋にX68000のミニという立ち位置ではないか、というコメントが見て取れる。
「皆さんはゲームをやられてたんでしょうけれど、入口はどちらかというとワークステーションだったと思うので、ゲーム大前提と言うよりはワークステーションめいたプログラミングができたりとかいう思い出があったと思うので、そういうのを聞いてるとそっちを再現したいとかですね、我々としてはそういう思いを持ちますね。それがどこまでできてるかは、まだこれから発表していくのですが。」
この米内氏のコメントを見る限り、X68000Zはゲーム機というよりはX68000そのものが起動し、X BASICを走らせたり、或いはhuman68kが立ち上がり、一つの開発環境として動作するのではないかという期待が伺える。
また、X68000Zのスロット部分はSDカードスロットのようにも見えて、外部からのデータ入力を可能にしてくれるような雰囲気も見て取れる。
もしそうした可能性が本当ならば、従来のミニブームで発売されたコンシューマ機のミニとは異なり、純粋にX68000エミュレータとして機能する製品になるのではないか? という期待も出てくる。
キーボードとマウス
記事によると、キーボードとマウスに関しても、ほぼオリジナルのX68000を踏襲しているような説明がされている。
しかもコネクタに関してもオリジナルのコネクタと同系状という事で、場合によってはオリジナルのX68000でも使用出来るものになっている可能性がある。
米内氏は明言を避けていたが、おそらくはオリジナルのX68000のコネクタをコピーしている可能性がある。配線に関しても、オリジナルの配膳図を起こして、それに合わせて作成している可能性があり、それであればオリジナルのX68000に接続さえできれば使える可能性は高い。
私は、今回のX68000Zの制作にあたり、SHARPから内部仕様を公開してもらっていたのではないかと考えていたのだが、そうではないようで、おそらくは古くからのX68000マニアから分解した配線図などを貰ったり、或いは自分たちで起こしたりして制作しているのかもしれない。
また、マウスは以前よりトラックボール仕様へ切替えられる事が言われていたが、やはりそういう作り方をしているという。最近の人はそもそもボールが入っているマウスというものを知らない人もいるのではないかと思うが、ボールだからこそトラックホールへの切替えが可能になるものなので、ちょっと新鮮に感じるかもしれない。
ただ、マウスの掃除は確実に必要で、内部のメンテナンスは結構な頻度で行う必要があるだろう。
ソフト供給はどうするのか?
詳しい仕様が判らないと、まずOSはどうするのか、とか、起動システムとかはどうするのか、といった話になるわけだが、仮にOSとしてhuman68kやSX-Windowが動くと仮定して考えると、その上で動くソフトウェアの供給はどうなるのか、というところが気になる所である。
ソフト、つまり基本的なシステムであればSHARPがその権利母体だと言えるが、ゲームの場合はそのゲームを発売したメーカーの許諾が必要になる。そうしたメーカーとの折衝を瑞起が行うのか、というところも今後気になるところであり、ソフトが拡充していくかどうかは瑞起次第、という側面もある。
SHARPはX68000の権利に関しては所有はしているとは思うが、非公開にはしていないと考えられるので、最大減の強力は得られそうな気がする。
なので問題はゲームソフトに関して、という事ではないかと思う。
まぁ、あくまでも純粋なX68000エミュレータだった場合の話でしかないが、夢のある話である。
気になる価格
さて、もし本当に純粋なるX68000エミュレータとして機能するものだったとすると、気になるのはその価格である。
定価68,000円…なんて価格もシャレになってしまうような気もしないでもないが、米内氏としては手に届きやすい価格帯にしたい、とコメントしている。
PS5などの最新機種の価格が5万円とかそういう価格なので、それと比較すると性能はずっと下なワケなので、価格的にはもっと安い方向にいくだろう、と私は見る。
そうなると3万円くらいなら…と思うが、問題は29,800円か39,800円か、といった感じか?
39,800円くらいだと既に4万円近い価格になるので、手の届きやすい価格帯という枠組みに入るのかが微妙である。となると3万円程度の29,800円ぐらいの価格設定だろうか?
もし29,800円程度なら、私的には手が届く有りがたい価格なのだが…。
もう一つ指標となりそうな価格は、当時発売されていた価格の1/10の価格という路線である。
初代CZ-600Cの価格は369,0000円だったので、36,900円という価格なら、なんとか手の届く価格帯、という事になりはしないだろうか?
どちらにしても、3万円台が妥当なラインではないかと私は予想するが…さてどうなる事やら。
とにかく姿を見せたX68000Zは、間違いなく今の私の最も興味をそそられる製品である。
手に入れられる価格で発売されるといいなぁ。