つみたてNISAを始めて1ヶ月。状況はよろしくない。
デビューはマイナス益
今年で一つの区切りを迎える旧NISAにおいて、私はラストイヤーのつみたてNISAを開始した。
20年間非課税となる、年間40万円のつみたてNISA枠を使い切る予定で、9月~12月の4ヶ月で1ヶ月10万円を投資する計画で始めたわけだが、始めての投資という事もあって、気になって仕方がないところがある。
何しろ、生活資金とは別枠の資金を充てたとは言え、生活に余裕があっての投資ではない。
今まで年利でどんなに良い結果が出ていたというファンドで運用したとしても、今からそれを始めて同じ結果が得られるとは限らない。
そうした不安の中始めたつみたてNISAだが、結論からいうと、この1ヶ月での運用益はマイナスからスタートした。
始めた数日間は、数百円規模でプラスだったのだが、徐々にマイナスへと転じ、一ヶ月後にはマイナス3,100円前後といったところ。10万円が96,900円程度の時価評価額となった。
もちん、インデックス投資は年単位で見ていく必要があるので、この一ヶ月の結果が全てではないが、ファンドの内容が米国主体のものなので、米国の流れが悪くなればマイナスに転じる。
私の購入しているファンドは、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)になるが、これを3:7の比率で購入している。
米国株式は100%米国株で構成されているので、米国が落ちれば当然落ちるが、オール・カントリーでもその内訳は6割ほどが米国株で構成されているので、米国の株価変動に大きく左右される。またオール・カントリーは全世界にリスクを分散している、とはいうものの、米国が落ちる時は他も大体落ちるケースが多いので(もちろんそうでない時もある)、全体的に米国がマイナスになれば引っ張られるように落ちていく。
結果から言えば、まさしくこの米国に引っ張られるという形でマイナス益からのスタートとなった。
先は長いとは言え、時期的にはそろそろマイナスに入る時期だったのかもしれない。
オール・カントリーの落とし穴
私は今回、オール・カントリーを全体の7割として構成したが、人によっては米国株S&P500を柱にするという人もいる。全体的な利益でいえば米国株主体にした方が大きいという事と、全世界にリスクを分散させるという事は、同時に全世界のマイナスを内包する、という事でもあるので、リスク分散しているつもりでリスクを抱える意味もあるという考え方もあるらしい。
言われれば確かにその通りだが、こうした株式投資の中心はやはり米国であり、そこに引っ張られるというのはどうしても避けようがない。
ならばeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方が金融州品として魅力的かと言われれば、なかなか難しいところ。
というのは、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、手数料がかなり安くなったので、運用しやすい側面もある。
どちらにしても、新NISAで継続して購入できるファンドなので、人気ファンドに違いはないが、今私のようにマイナス益から始まった事で不安を感じている人は多いのではないかと思う。
投資とは、このように周辺に影響を多分に受けながら、推移していく中で利益を確保していくものなので、プラスもあればマイナスもあり、短期で見るよりは長期で見ていかなければならないモノ、と割り切るしかない。
マイナスならマイナスで
で、この長期に見ていく必要がある、という事を前提に考えた時、マイナスにはマイナスのメリットがあるという事も知っておく必要がある。
それは、つみたてNISAの場合、一ヶ月に決まった額の投資をするので、マイナスであればその分、ファンドの購入数が増えるというメリットがある。
もちろん、この考え方の根底には「最終的にはプラス益になる」という前提があっての話になるが、投資金額が固定であるため、購入するものが安くなれば購入数が増え、購入するものが高くなれば購入数が少なくなるという理屈である。
なのでマイナスの時には口数が増えるので、最終的にプラス益となった時にその分利益が増えるという事を意味する。
なので、現時点でマイナス益だったとしても、最終的にプラスに転じるという事わ信じて今は待つしかない。そもそもつみたてという投資方法は、こうした積立の原理によって途中の増減をカバーする方法なので、この原理を理解しないと運用などできようはずがない事である。
もう一度いうが、つみたては最終的にプラス益になる事前提の考え方である。
だから長期的な視野に立って考える事をしないと焦るだけになってしまうので、注意が必要である。
というわけで、私のつみたてNISAデビューはマイナス益からのスタートである。
今後、米国株の回復がいつぐらいになるのか、など気になる事も多いが、今は辛抱強く待つしかない。
我慢しきれなくなり、損切りを決断する事がない事を切に願うのみである。