母が退院してきてから、ひとつ自分にとって問題が起きている。
喉を通りにくい
先週土曜日、母が退院してきてから、幾度か既に食事を採っているわけだが、少々困った事が起きている。
それは以前より食事が喉を通りにくくなっているという事である。
もともと、柔らかい食べ物へシフトしているのだが、粒状の食べ物に関しても、どうにも喉にひっかかる感触があるようで、飲み込みに問題が出始めている。
今回の退院が伸びたのも誤飲したのが原因だったし、その際行われたカンファレンスでも刻み食をさらに細かくする必要があると言われたり、とろみをつけた食事が必要と言われたりと、食事そのものを変えていく必要があるという話も出ていた。
カンファレンスの時は、私としては多分以前と同じでも問題はないだろうぐらいに考えていた。何故なら御飯はおかゆにしているし、肉もすべて挽肉にし、魚類にしても身を細かく繊維状にしているし、卵に関してはスクランブルエッグを相当細かく刻んでいるし、野菜類にしてもミキサーをかけて相当細かくしているからだ。
だが、実際には挽肉の中に多少大きな塊があるとそれが引っかかるといい、魚肉にしても繊維状のものが固まると繊維が結合指定仕舞うため、飲み込めない大きさになったり、スクランブルエッグにしても野菜類にしても刻みの大きさが多少大きくなると引っかかると言うのである。
私自身、とろみを付けるような料理を作ることができないし、やったことがないので、かなり片栗粉やとろみ剤を使用する事に抵抗があるのだが、もうそんな事は言っていられない状況にきたのではないかと感じている。
というのは、とろみ剤にしても片栗粉にしても、上手くコントロールしないといけないようで、入れすぎれば逆に固まるので、本末転倒になる。だから自分のスキルでいうと、結構ハードルの高いもの、というイメージがある。
さて困った。どうするか?
と考えた結果、一つ解決策を見出す。それが裏ごしである。
裏ごし器がない
母の喉がこのような状態なので、麻婆豆腐に入れている挽肉に関して、一度挽肉を入れない形で作ってみた。簡単なレトルトの麻婆豆腐なので、単に豆腐と混ぜるだけの調理になるが、挽肉がないので喉にひっかかる事はないだろう。
そしてスクランブルエッグだが、これは今まで出来上がった卵の塊を切り刻んでいたのだが、これを裏ごしする事にした。
おそらくは卵がペースト状になるのだろうという予測があるが、さて問題は裏ごし器とよばれるものが我が家にはないという事である。
その状態でどうするか? と考えたのだが、ちょうどステンレス製のざるがあるので、そのざるを使って木べらで漉すという作業をやってみた。
結構時間はかかるし、手間もかかるが、かなりなめらかな卵ペーストが出来上がったので、それを試しに食べさせてみた。
すると本人も驚くぐらいすんなりと食べられたので、卵からタンパク質を採るという方法は、この裏ごしペーストで対応する事にした。
こうなると、ステンレスのざると木べらで対応するのは、結構しんどいので、ちゃんとした裏ごし器の購入を検討した方が良いだろうと考えた。
で、ちょうどブラックフライデーの時期でもあるので、Amazonで裏ごし器とそれにつかうへらをチョイスした。
今はスクランブルエッグをペースト化する事を目的としているが、今後同じように潰せるものを裏ごしできれば、もう少しパリエーションに出来るかも知れない。
とろみの話
裏ごし器でペースト状にする事である程度は食事問題は解決できるかもしれないが、おそらく今後はもっと他の手段を講じる必要は出てくるだろう。
そこで介護でよく出てくるものとして、食事にとろみを付けるというもの。
この“とろみ”というのは、感覚的にあんかけ料理の“あん”がイメージしやすい。
で、このとろみの目的だが、実は喉を通りやすくするという事が主目的と勘違いされやすいが、実際はそうではないらしい。
ウチの面倒を見てもらっているケアマネージャの話だと、とろみを付ける事で得られる効果としては、パサつくものがパサつかない、という事と、粉状のもの(もしくは粒状のもの)をまとめられるという事、そしてとろみに包まれた食材が重くなって喉を通る際に気管ではなく食道におりやすく出来るという事、だという。
つまり、とろみで喉を滑らせるという意味ではなく、気管に入りにくくする事が主目的らしい。
喉を通りやすくするという事に関しては、水分を多めに含ませる事の方が喉の通りを良くする効果が期待できるようで、この違いに関して私は全くもって勘違いしていた。
しかもとろみを付けるには、片栗粉を一般的に使用するが、ダマになりやすいため、場合によっては市販のとろみ剤を使用する。
ウチはヘルパーさんから要望でとろみ剤を用意しているのだが、個包装になっていて、料金ちょっと高めだが使い勝手が良いものとして導入している。
ただ、私が使う上ではそもそもとろみ自体をつける大元の料理に問題があるので、今後その方面からどうするか考えていく必要はあるだろう。
とりあえず要介護の食事は普通と同じように考えていてはいけないようだ。
まずは裏ごしから進めて、とろみはまた別の機会に再挑戦する事にしよう。