Appleは絶対にそんな事は認めないとは思うが、熱問題は深刻である。
iPhone15 Proの熱問題
iPhone15シリーズが発売された後、iPhone15 Proが異常に熱くなるという問題が提起された。結局、Appleはソフトウェアの問題だとして、ソフトウェアを更新して対応、その後はある程度熱問題に関しては落ち着いたようだが、その結果においてAppleはソフトウェアの更新があっても性能は落ちないとしていた。
実際、ベンチマーク計測を実施して性能が顕著に落ちた、という話はあまり聞かなかったとは思うが、ではどうしてソフトウェアの更新だけでこの発熱が治まったのだろうか?
Appleの見解では、動作を最適化し、不必要な稼働をしていた挙動を正常化した、という事のようだったと思うが、それによって本当に適した稼働状況になったのか? という事については、よく分からないというのが本当のところではなかったかと思う。
実際、私などは発熱を抑えるもっとも正しい方法として、動作クロックを制限するというのがその手法だと思うのだが、より細かな電力制御を行い、コア内の使用しているユニットとそうでないユニットを明確化、それらを稼働非稼働で切り分け、発熱を制限する事で全体の発熱量を下げるという方法を採る、という事で収まる問題だったのだろうか?
そういった疑問を感じつつも、その後はこの話題も収束していった感じだったのだが、どうも中国のチャレンジャーがiPhone15 Proにベイパーチャンバーを取付け、A17 Proをより冷却させるという改造を施して実験したらしい。
https://twitter.com/Tech_Reve/status/1726784098415550773
ま、実に大胆な改造だとも言えるが、これによってA17 Proが適正に冷却される事は間違いない。
これで実際にいろいろ動作させたところ、驚くべき性能向上が確認できたという。
A17 Proの真の実力
無改造のiPhone15 Proで原神を最高画質でプレイすると、フレームレートは51fps程度になるようだが、改造後は60fps近くをキープするようになったようで、さらに3DMark Solar Bar Unlimitedベンチマークでのレイトレーシング性能に関しても性能向上が認められただけで無く、発熱も低下しているとの事で、ベイパーチャンバーによって確実に性能を引き上げられたらしい。
つまり、Appleの対策はサーマルスロットリングが働く状況下であっても、一定の性能はキープできるというだけの事であり、本当の意味でのA17 Proの性能を出し切っているわけではない、という事がこれで見て取れるわけである。
元々が制限された性能だったところを、その性能はキープできる制御で稼働状況を最適化した…おそらくそんなところだったのが、ソフトウェア更新によって解決した熱問題の真実なのだろう。
ま、対策はされてはいるし、これも解決策の一つではあるのだが、何とも釈然としない感じに思えるのは私だけだろうか?
できるなら、持っている性能を引き出してほしい、そう考えるのはおそらく私だけではないのではないかと思う。
iPhone16を待つか?
私は今回、iPhone15シリーズの購入を考えていたのだが、この結果から、購入すべきかどうするかを迷いはじめてしまった。
実際問題、性能を使い切るような使い方はしないと思っているのだが、どうにも釈然としないのである。
高い性能を持ちながらも発揮できない状況になっていると考えると、何とももったいないというか、残念な感じである。そうなると、今のiPhone15をスルーして、来たるiPhone16に希望を見出す、なんて人も出てくるのではなかろうか?
正直、私はiPhone XがiOS17へのアップグレードから外れたので、時期的に買い替えだと考えてiPhone15シリーズの導入を考えていたが、別にiOS17でなくてもあまり困っていないという事もあるので、このままiPhone16まで待つという選択肢もあるかもれしれないと考えはじめている。
問題は…バッテリーの保ち次第か?
というわけで、どうにももったいない機種に留まったな、という感じがするiPhone15 Proだが、このまま乗り換えるよりは次を待つ方が多分妥当なのだろうと思う。