Radeon RX 7900 GRE

中国限定モデルだった製品がグローバル発売となった。

赤の逆襲?

現在のGPUに関して、特にPCのビデオカードに関して言うと、NVIDIAとAMDが相変わらず2強まである事実は変わっていない。
Intelも自社開発を進めているものの、未だ並ぶほどの性能は示す事ができずにいるわけだが、CPUに内蔵するレベルのGPUであれば、Intelもそこそこ付いて来れている感じではある。
だが、dGPUで言えばやはり2強の状況は変わらず、性能でいえばNVIDIAが僅かリード、といった所なのかもしれない。
ただ、価格対性能比で考えた時は、残念ながらもうNVIDIAに勝ち目はないかもしれない。AMD製はとかく価格対性能比が良いものが多い。単純にNVIDIAのGeForceが高すぎるだけという言い方もできるが、性能対電力比でも上回るNVIDIAだからこそ、その価格が許されるのかもしれない。
ただ、ここにきてAMDが「Radeon RX 7900 GRE」をグローバル発売する事を発表した。
コストパフォーマンスはかなり良いのではないかと…「Radeon RX 7900 GRE」は元々中国限定モデルとされていたもので、性能を若干落とした「Radeon RX 7900XT」という位置付けである。
米国がAI関連で高性能な半導体を中国に輸出しないように制限を掛けたところ、各メーカーは性能を落とした中国専売モデルを発表、その製品がまさにコレに当たる。
今回の米国の措置はある意味バカげた事だったかもしれない。というのは、昨今のGPUの特性を考えれば、この僅かな性能低下によって得られるメリットは計り知れないものになる。何しろ、最高性能を求める必要の無くなったGPUは、恐ろしいまでの性能対電力比のGPUへと変貌するからである。

大凡RTX 4070 SUPERか?

まずベンチマークなど性能評価に関しては、各テック系サイトを確認いただきたい。

これによると、消費電力の大きなRTX 4070 SUPERといった感じの性能を示している。
レイトレーシングに若干の不安要素は残るものの、性能的には非情に近しいと言えるだろう。
ある意味、AMDがRTX 4070 SUPERの対抗GPUを用意出来ない事から、中国モデルをそのまま持ってきた、という感じもしないわけではないが、今あるリソースを利用するという手は決して悪いわけではない。歩留りの関係もあるので、もしこの話が本当だったとしてもある意味正しい判断と言えるかも知れない。
私が気になるのは、明確にRTX 4070Ti SUPERと比較していないという事。
これ、比較するとどうなるのだろうか?
RTX 4070Tiだと、別にこのベンチマーク結果から予想する事はそんなに難しい話にはならないのだが、RTX 4070Ti SUPERは、元となるコアが異なるので、この結果から相対的な判断で結果予測する事が難しい…というか、意外性を見出す可能性がある。
できれば、RTX 4070Ti SUPERと比較したベンチマーク結果がどこかにあれば良いのだが。

価格はお手頃?

今回発表された「Radeon RX 7900 GRE」だが、市場投入価格は10万円を切る価格になるだろうと言われている。
RTX 4070 SUPERは、投入時に10万円ほど~13万円半ばという価格設定だったが、現在は最安値が10万円強といったところである。
つまり「Radeon RX 7900 GRE」はそれを下回る価格で投入される可能性があるという事である。
性能に差がなく、それでいて価格が下となれば、ミドルレンジは安い方が有利なのは言う迄も無い。最近はAMDもゲームへの適合がよく行われているので、AMDである事の弱点は以前よりは少なく、唯一レイトレーシング性能に弱さがあるという事ぐらいである。
ただ、このレイトレーシング性能に関しては、最近のゲームはレイトレーシングを使う事を前提としているタイトルも増えてきているため、懸念すべきはとういった対応かもしれない。
10万円という価格がお手頃か? と言われれば決してお手頃とはいえないが、今はこの価格対がミドルレンジの基準のような感じになってしまっているので「Radeon RX 7900 GRE」はその基準価格を少しでも下げてくれる存在になるのではないかと思っている。

ま、半導体の製造コストが増えている現状を考えると、今の価格になるのも致し方なし…といったところかもしれないが、NVIDIAはそれでも高すぎる、と思うのはきっと私だけではあるまい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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1 Response

  1. アバター画像 武上 より:

    自己レス。
    X(旧Twitter)を見るに、どうもベンチマーク結果ではRTX 4070Ti SUPERとは平均6%ほど下回る模様。
    https://twitter.com/Sonege0123/status/1762254860819567000

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